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ありがとう又吉克樹。そして中日中継ぎ陣の展望(前編)

https://www.chunichi.co.jp/article/247035

こんにちは、ばやのり(@98BB_dragons)です。先日、中日からFA宣言をした又吉克樹をソフトバンクが獲得との報道がありました。中日も3年4億とかなり評価をしていたように感じますが、ソフトバンクがそれ以上に出していたことや本人の「出会いを大切にしたい」という様々な理由あっての移籍だと思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d9d8ed9fc67f0cc4bffdbae4f42b48b06399e1bb

https://news.yahoo.co.jp/articles/c9e3a40b51c9d3ff2ad7f4fe23655dd4d4a0a405


FAに関しては選手の権利ですから、我々ファンに口出しすることは出来ません。大事なのは彼が抜けた後どう投手を組み立てるかだと思います。

ということで今回は又吉克樹の中日での活躍を振り返りつつ、人的補償は獲得すべきか否か、また取るなら誰を取るか、そして来年の中継ぎ陣も含めた、「これまで又吉に支えられてきた中日投手陣と、これからの中日投手陣」ということをテーマに考えていきます。

1.これまでの又吉克樹の活躍

まずはこれまでの彼の経歴を振り返りつつ、成績などを軽く見ていきましょう

1990年11月14日生まれ(31歳)
西原高-環太平洋大-香川オリーブガイナーズ
2013年ドラフト2位
代表歴
2017年 アジア プロ野球チャンピオンシップ(オーバーエイジ枠)

目を引くのは公立高校、そして独立リーグ出身であるという点ではないでしょうか。今回のFA宣言をすること自体が「独立リーグ出身の選手に夢を与えるため」と本人の口から語られています。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202111290000594.html

次にルーキーイヤーから彼の残してきた成績を見てみましょう。
()内数字はチーム内ランキング

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又吉はルーキーイヤーから変則フォームを武器に即戦力投手としてガンガン登板し結果を残し続けて来ました。2018年からは調子を落としていましたが、2020年に復調の兆しを見せると、今年は見事に勝ちパターンに定着し、復活を果たしました。

注目すべきは初年度から4年連続50登板、チームでも上位のホールドを稼いでいたタフネスさではないでしょうか。投手の分業化が進む中でこれだけの投手がいたことはチームには心強い存在でした。途中登板数が落ち込んではいますが、今年はキャリア2番目となる66試合に登板しています。

そしてもう一つの武器がコントロールです。通算与四球率は3.10と安定しており、様々な変化球を使い分ける彼のピッチングを支える武器となっていました。

更には、先発をしていた経験もあり、回跨ぎロングリリーフのをしたこともあるので、2021年を除いて投球回>=登板数という結果になっています。また、今年はライデル・マルティネス不在時には抑えも務めました。

まとめると、又吉の強みは
タフネスさ
コントロール
どんなシチュエーションでも使える便利さ
という3点だと思います。年々ストレートの平均球速が上がっており、150キロ投手が当たり前のようになった時代にこのような技巧派の万能中継ぎ投手がFA市場に流れてくるわけですから、4球団による争奪戦になったのもうなずけるでしょう。

次に、彼の2021年シーズンのピッチングを細かく紐解いてみましょう。
下のグラフは球種別の投球割合になります。

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特定の球種のみに頼るといったことはせず、様々な球種を使い分けていました。特に今年の最大の武器とも言えるのが、投球の4割を占めるカットボールではないでしょうか。
ストレートの平均球速が145.7キロ、カットボールの平均球速が142.5キロであり、ほぼ変わりません。それが打者の手元で急激に変化するのですから、打者としては打ちづらいことこの上ないでしょう。41個の三振のうち半分を占める21個の三振も奪いました。
また、以下のグラフは打球の成分の割合になります。

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打球の5割以上をゴロが占めるグラウンドボーラーです。中日内野陣の守備力もあり、ピンチの時には内野ゴロを打たせて併殺を取る、というピッチングが光っていました。被本塁打率も優れており、今年は0.28でセリーグの50登板以上の中継ぎ投手では23人中5位という数字でした。

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又吉のカットボールは、「三振も併殺も取れる万能変化球」と言っても良いでしょう。


以上がこれまでの又吉克樹の振り返りになります。数字で見てみると、かなり優れたピッチャーであるのが分かりますね。
引継ぎ新天地となったソフトバンクでも、勝ちパターン、それに準ずるポジションでの起用が考えられるでしょう。なるべく中日との試合では出てこないことを祈り(笑)、活躍を見守っていこうと思います。又吉克樹、ありがとう。


2.補償はどうするべきか?取るなら誰?

ここからは、「又吉克樹の抜ける穴をどう埋めていくか」について考えていこうと思います。
そこで真っ先に考えたいのが、「人的補償は取るべきか?また、取るならどのような選手を取ったらいいか?」ということをテーマにしていきます。
又吉はBランク(チーム内年俸10位以上)ですから、ソフトバンクからは人的補償が発生します。

まず「補償を取るべきか否か」ということに関してですが、結論から言って取るべきだと思います。そして取るなら投手を取るべきだと私は考えました。
理由は
⑴又吉が中継ぎ投手であり中日に優秀な中継ぎ投手がそこそこいるので補償選手とうまくやりくりして穴を埋められると思うから
⑵ソフトバンクの選手(特に投手)は優秀な投手が多く、人的補償でもいい選手が取れる可能性があるから
⑶中継ぎの外国人投手はロサリオが抜けたのに対して調査が凍結しているから
⑷正捕手木下やプロスペクトもいて捕手は充実しており新たに獲得する必要はないから
⑸ドラフトで外野手3人獲得+阿部、アリエル、郡司のコンバートにより外野手が多すぎるから
これらが主な理由になります。

ここからは人的補償のプロテクトリスト予想をしてみようと思います。(成績を中心にチームへの貢献などを踏まえた上で完全に個人で選ぶものですので、そこは承知の上でお願いします。)

はじめに、私のプロテクト予想の基準を挙げていきます。
①一軍成績が優秀であり、戦力として必要な選手
②あまり成績は振るなくても、過去にチームに貢献している選手(いわゆる功労者
③一軍での実績は乏しいor振るわないが年齢などを踏まえ将来的に必要な選手(いわゆるプロスペクト
④2020年ドラフトにて支配下で指名した選手

当確12人(ほぼ確実に守られる選手)
投手7人
津森、石川、森、千賀、板東、嘉弥真、笠谷
野手5人
松田、柳田、甲斐、栗原、牧原大

まあ確実14人(おそらく守られるであろう選手)
投手6人
東浜、甲斐野、和田毅、田中、杉山、古谷
野手8人
中村晃、牧原巧、井上、笹川、川原田、リチャード、海野、三森

当落線上(この中から2人)
投手
武田、尾形、大関、髙橋純、泉、田浦、松本
野手
今宮、明石、周東、佐藤、柳町、谷川原、上林、野村、真砂、九鬼
(※中日の選手層次第と思われる)

以上がプロテクトリスト予想になります。正直2017~2020の間日本シリーズを4連覇している球団であり1軍で優秀な成績を残した選手(特に投手)や功労者が多いので、難しかったです。

ここからは「どんな選手を取ったら良いか」ということですが、当落線上に位置付けた中から選んでみようと思います。これまでの成績を踏まえて個人的にいいと思った選手を挙げていきます。

1人目
髙橋純平
2015年ドラフト1位 24歳
中日の同級生選手 小笠原、郡司、勝野ら
2021年ストレート平均球速149.4キロ

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1人目の候補は髙橋純平です。最速154キロのストレートが持ち味の右投手で、2019年には中継ぎとして45試合に登板して防御率2.65 51回で58個の奪三振を記録しました。今年も奪三振能力はそこそこ高く、奪三振率は7.36でした。2019年に投球の2割程度投げ、被打率.139を誇っていたフォークを今年はあまり投げていませんが、このフォークが元通り投げられるようになれば、勝ちパターンでも充分な戦力になるはずです。先発投手として育ててみても面白いかもしれません。
また2015年には高校生日本代表にも選ばれ、中日の小笠原や郡司とチームメイトでした。
そして彼は地元岐阜県出身でもあり、県立岐阜商業の卒業生です。2015年のドラフトで中日が1位入札、競合の結果逃した選手なので漏れていたら真っ先に獲得候補になると思われます。

2人目
武田翔太
2011年ドラフト1位 28歳
中日の同級生選手 高橋周平、渡辺、佐藤
2021年ストレート平均球速143.3キロ

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2人目は武田翔太です。縦に大きく割れるカーブを得意とする投手で、プロ1年目から高卒ながら8勝を上げ、15,16年には連続で2ケタ勝利をマークしました。キャリアのほとんどが先発ですが、2019年には中継ぎをシーズンでもCSでも経験しており、戦力になる可能性が一番高いと考えられます。
正直この選手が漏れる可能性はあまりないと考えられますが、ここ数年目立った活躍が出来ていないので漏れる可能性はあります。仮に漏れていた場合、実績は十分なので獲得候補になりうると思います。


3人目
泉圭輔 
2018年ドラフト6位 25歳
中日の同級生選手 梅津、鈴木博、Y.ロドリゲス、A.マルティネスら
2021年ストレート平均球速148.9キロ

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3人目は泉圭輔です。188センチの長身から角度のある直球を投げ込む、右の中継ぎ投手です。与四球率は通算4.55とそこまで言いわけではありませんが、こちらも高い奪三振能力が魅力ではないでしょうか。2018年の大卒投手であり、実績はまだまだですが、今年は開幕から12回2/3を連続無失点に抑えるなど、若いのでこれから存分に発揮できると思います。

以上の3人が私の考える人的補償の候補になります。正直この3人が漏れている保証も獲得出来る保証もないので、「こんな選手がいるんだ、来てくれたらいいなぁ」くれいに思ってもらえたら幸です。

そしてここからは又吉移籍を受けての来季の中日中継ぎ陣の展望を考えていこうと思いますが、長くなってしまうので後半に持ち越しとさせていただきます。

■出典
https://npb.jp/



https://1point02.jp/op/index.aspx



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