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石橋康太・郡司裕也 2人のプロスペクト捕手の可能性を探る

こんにちは、ばやのりです。
2022年のプロ野球シーズンがついに開幕しました。今年の中日に期待したい選手は多くいるのですが、その中でも個人的に特に期待したい石橋康太・郡司裕也の2人のキャッチャーについて書いていこうと思います。

1.プロフィール紹介

まず、この2選手の経歴について軽くおさらいしていきましょう。

石橋康太 

2018年ドラフト4位(関東一高)
2022年シーズンには高卒4年目となる22歳
主な同級生選手 根尾昂、小園海斗、戸郷翔征、藤原恭大、林晃汰

郡司裕也

2019年ドラフト4位(仙台育英-慶應義塾)
2022年シーズンには大卒3年目となる25歳
主な同級生選手 小笠原慎之介、愛斗、森下暢仁、宇草孔基、伊藤大海

この2選手には、既に同級生である程度の成績を残している選手がいます。更に、今年のルーキーには石橋は山田龍聖、水野達稀、郡司は中村健人、廣畑敦也らの同い年の2021ドラフト組もプロ入りしました。

2.プロ入り後の実績とそこから分かる能力

次に、彼らがプロ入りしてから残した成績を見てみましょう

石橋康太 通算成績

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郡司裕也 通算成績

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試合数を見ても分かるように2020年から正捕手として木下拓哉選手が定着したため、2人とも一軍ではあまり出場機会がなく、主戦場は二軍となっていました。

しかしこの成績を見て注目して欲しい点は石橋が2年連続で長打率.450越え、郡司が2年連続で出塁率.350越えという点です。
更には石橋は2021年に本塁打率打数÷本塁打17.4Iso長打率-打率.253、郡司はIsoD出塁率-打率.143BB%四球÷打席数17.8という数値を残しています。
これらの記録をセリーグの規定打者に当てはめてみましょう。2021年のセリーグは規定打席到達者が32人でした。
石橋の本塁打率は6位、(1位が鈴木誠也11.45)Isoは4位(1位は鈴木誠也.322)となります。
続いて郡司のIsoDは1位の村上の.130を上回る数値で、BB%は3位(1位は鈴木誠也18.4%)となります。

このように、石橋は長打、郡司は出塁という点においてドラゴンズの二軍選手の中でも上位にいると考えて良いでしょう。そして一軍で一定の打席数をもらってこの能力を発揮しているので、一軍である程度の打席数を与えられるべき選手ではないかと思います。

3.中日ドラゴンズの捕手事情、打撃事情

・中日ドラゴンズの捕手事情
ここで中日ドラゴンズの捕手事情を大まかにおさらいします。
まず大前提として、木下拓哉選手という攻守に優れた球界トップクラスの正捕手がいます。フレーミング、ブロッキング、スローイングに優れ、打撃でも2021年シーズンに2桁本塁打を記録しました。
そして、現状の一軍の二番手捕手という立ち位置に桂依央利選手がいます。2021年には36試合でOPS.682という優秀な値を記録しました。
山下斐紹選手はパワーが持ち味の選手で一塁も守れる選手です。しかし、2021年の秋季キャンプからキャッチャーをやめ他のポジションで打撃を活かす道を選びました。
そして日本ハムからのFA戦士である大野奨太選手。優勝経験もあり経験豊富な選手ですが、20は一軍出場が0試合、21年は8試合と、今年35歳になる年齢も含め厳しい立ち位置にいます。
さらにはアリエル・マルティネス選手という大型のキャッチャーもいます。彼も二軍では優秀な成績を残していますが、外国人選手であり枠を消費する、国際大会で離脱が多い、怪我が多いと色々と考慮すべき点の多い選手です。
ここに2021年ドラフトで獲得した強肩が持ち味の高卒キャッチャー味谷大誠選手が加わった8人で2022年シーズンの捕手運用をしていきます。
一軍のメンバーを見れば余裕があるように見えますが
①木下、桂の両選手が30歳と決して若くない年齢である
②正捕手の木下選手は毎試合スタメン出場出来るスタミナのある選手ではない
という点を考えて若手捕手の台頭は必要不可欠であると私は考えます。

・中日ドラゴンズの打撃事情
次に打撃事情です。ご存知の方も多いと思いますが、現状のドラゴンズは歴史的とも言える貧打に陥っています。2021年シーズンは打率、ホームラン、得点の3部門でリーグワーストという数字でした(特にホームランは飛ばないボール、統一球と言われた2012年の70本を下回る69本)。ポジション別wRAA打撃で生み出した得点で見るとより顕著であり、野手8ポジションのうち捕手、一塁手を除く7ポジションでマイナス、うちセカンド、外野全ポジションの計4ポジションでリーグ最下位という結果になりました。このことから、ポジションに限らず打力が不足していることが分かります。

https://ranzankeikoku.blog.fc2.com/blog-entry-2904.html

さらに2022年シーズンの補強は望めないため、現状を打破するためには今いる打者を育てていくのがベターとなってしまいます。

https://www.chunichi.co.jp/article/384439

とここまで書いたことをまとめると
若手捕手の台頭
ポジションに限らず打撃でプラスを生み出せる打者
この2つがチームを強くするうえで必要不可欠になってきます。

4.「打てる捕手」の例から見る今期の展望

ここまで「石橋、郡司の2選手は高い能力を見せている」、「一軍は若い捕手、打てる選手が必要」ということを書いて来ました。
これらを踏まえて、ここでは彼らの今シーズンの展望を考えてみようと思います。

まず2選手のポジションがキャッチャーである点を踏まえ彼らのモデルケースとなり得る選手の起用例を紹介します。
それが同じウエスタンリーグ出身であり若い選手でもある広島東洋カープ・坂倉将吾と福岡ソフトバンクホークス・栗原陵矢です。

ここでは石橋を坂倉郡司を栗原の例に見立てていくこととします。理由は後で説明します。

坂倉将吾
日大三高から2016年ドラフト3位で入団。ルーキーイヤーに二軍OPS.759を記録し、DELTAのプロスペクトランキング2位に選出された。その後も順調に実績を積み上げ、2020年シーズンに一軍で81試合に出場しOPS.757を記録した。翌2021年には132試合に出場し、打率.315(リーグ2位)、OPS.857(リーグ7位)を記録した。

https://npb.jp/bis/players/11915134.html

栗原陵矢

春江工業から2014年ドラフト2位で入団。ルーキーイヤーから二軍で経験を積み、5年目の2019年には二軍でOPS.926を記録した。翌2020年には一軍で118試合に出場、本塁打17本、OPS.727を記録した。さらにその翌年は全143試合に出場し、本塁打21本(リーグ同6位)で二年連続2桁本塁打を達成、OPS.804(リーグ10位)を記録した。また、シーズン中のオリンピック日本代表にもユーティリティプレーヤーとして選出され、優勝に貢献した。

https://npb.jp/bis/players/01705130.html

このように彼らは同じウエスタンリーグで実績を積み上げ、近年ブレイクした選手の代表例です。

さて、この章の冒頭で石橋を坂倉、郡司を栗原のように起用すべきと言いました。その理由を説明します。それは、彼らのポジションにあります。以下の図は2021年の彼らの守備イニングを記録した表になります。

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まずは石橋と坂倉ですが、キャッチャーをメインファースト、サードをサブポジションとしています。
坂倉は2021年はキャッチャー、ファーストを1:1の割合で守っています。加えて2022年にはサードも守り、サードを30イニング、ファーストを5イニング、キャッチャーを17イニング守っています。
石橋は実戦でのファースト守備がありませんが、キャンプでは軽快な守備を見せており、今年の二軍で守ることもあり得ると思います。

次に郡司と栗原になります。
栗原は2021年から様々なポジションを守るようになったのがイニングを見ても分かると思います。
郡司は昨季の秋から外野を守るようになりました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d0559ef1b0815471207fc77e424c24a1cde6d69d

2022年の2軍ではファーストを19イニング、レフトを10イニング守っており、キャッチャーを一度も守っていません。
彼ら2人でキャッチャーを併用するという意味でも、サブポジションを増やすことに意味はあるかなと思います。

石橋、郡司の二軍成績は彼らほど二軍で無双している成績というでもありませんが、彼らの今シーズンの頑張りや一軍の状況次第では彼らの力が必要になるのもそう遠くはないと思います。その上で石橋・郡司を起用する際のいいお手本になるのかなと思います。

ここまでの情報をまとめて、私がこの2人のシーズンの理想の動きを考えると
石橋康太
キャッチャーをメインに二軍卒業を目指す、一軍で控え捕手として経験を積めればベスト

郡司裕也
ファーストサード両翼守備を鍛える。一軍の状況次第では昇格して戦力として貢献も。
このような動きになるのでは、と思います。

ここまで2選手について長々と書いて来ましたが、彼ら以外にも今年のドラゴンズには期待の持てる若い選手がたくさんいるので彼らの成長を見守るのも今シーズンの醍醐味になりそうです。読んで頂きありがとうございました。

引用
https://1point02.jp/op/index.aspx


https://npb.jp/



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