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【書物復権】本は“ある”状態を保たないと忘れ去られてしまう

本を読まない人にとっては、たぶん、本は、楽しい以前に、

①辛い

②時間がかかる

③楽しくない

④良く分からない

⑤不便(探すのが面倒等)

等々、種々、面倒だからなんだろうなと思います。

スマホからの情報アクセスの便利さと比較して、圧倒的に、未知な本へアクセスすることは、未知なるがゆえに面倒極まりない(^^;

今、手元にある便利さを手放してでも、例えば、以下の様な書籍を、

「この本、面白いよ」

「カバンのなかの月夜 北園克衛の造型詩」北園克衛(著)

「かたちの詩学 morphopoiesis」向井周太郎(著)

「The Decisive Moment」Henri Cartier-Bresson(写真)

と紹介して、いったい何人の方が、その本を、本屋さん迄出向いて、手に取ってくれるのか?

近所の本屋に置いていない本では、自ら探しに行って、探す手間暇を惜しまないなんてこと、しないですよね(^^;

ただ、見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザって有ったりするので、

知ることで世界は、どんどん広がって行くのだという事は、気に留めておいて欲しいなって思います(^^)

結局、本に限らず、問われているのは、「面倒が苦にならない」魅力的な仕掛けづくりではないかなって、そう思います。

[テキスト]
「2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からのメッセージ~」小島俊一(著)

[参考図書]
「読書をプロデュース」角田陽一郎(著)

「情報発信のプロがやっている 読書を自分の武器にする技術」尾藤克之(著)

[NHK青森WEB特集]
本屋さんは必要?大型書店が消える一方で増える独立系書店・・・ 書店のこれからについて王林さん・ブックアドバイザーの菊池壮一さんと考えます。
5月17日放送 発見!あおもり深世界「どうなる!?まちの本屋さん」より

[参考記事①]
経産省の書店振興PTは再販制見直しまで行くか 永江朗



(「出版11社で復刊プロジェクト「書物復権」 本は“ある”状態を保たないと忘れ去られてしまう」より引用)

■人文系出版社共通の悩み、「品切れ」

「私の大学時代は、パチンコ屋の景品の中に人文書も並んでいたんですよ(笑)。

みんなが必ず読む人文書、というものが当時はあった。そういう時代でした」

■“売れない本”と決めつけてはいけない

「印象に残っているのは、第一回のときに復刊したロラン・バルトの『明るい部屋』です。

初版は1985年、93年まで版を重ねていましたが一定部数の製作ができなくなり品切れにせざるをえない状態だった。

しかし97年の共同復刊以降、版を重ねることができ、現在までに累計で約3万7千部という部数になっています。

一度売れなかったからといって、“売れない本”と決めつけてはいけないのだと実感しました。

時代が変われば、あるいは、何らかのきっかけで、売れることもある」

■見えない読者をすくいとる

「リクエスト形式にしたのは、『見えない読者』をすくいとりたかったからです。

ある本を書店に買いに行った人が、『品切れです』と言われたら、その人はどうするでしょう?

研究などでどうしても必要な人は図書館や古本を探すでしょうが、そのときふと読みたいと思った人たちは、ほとんどがそこであきらめる。

わざわざ出版社に注文までしてこない。

だから、その人たちの存在はわたしたち出版社にはわからないまま……。

そういう人たちに応える努力をしなくては、と思いました」

■本を残す専門の部署があってもいい

「リクエストが多い本はだいたい過去20年以内に刊行されたものです。

なぜなら、それよりも昔に刊行された品切れ本は聞いたことすらないものがほとんどでしょうから、復刊候補リストに挙がっていても興味を感じようがない。

つまり、本というものは、“ある”という状態が保たれていないと忘れ去られてしまうのです。

本の性格によっては紙の本でなくてもいい。

電子書籍でもよく、とにかく、“ある”ように保つための手立てを考えることが出版社にとっての責務だと思っています」



毎年恒例の「書物復権」共同復刊。

2024年で第28回を数えます。

毎年のお楽しみ行事のひとつです(^^)

もし、人文系の書籍に興味が湧いたら、こんな図書館も有るので、立ち寄ってみては?(^^)

人文系私設図書館ルチャ・リブロは、

図書館、パブリック・スペース、研究センターなどを内包する、大げさにいえば「人文知の拠点」です。

【参考記事②】
II-17:20周年の書物復権――いろいろ思い出すこと

【出版11社で復刊プロジェクト「書物復権」本】


書物復権2024

書物復権2023

2023年書物復権 書物復権2023 ブックフェア開催! 2023年、第27回目の共同復刊、今回も多数のリクエストをいただきありがとうございました。 今年も充実した復刊ラインナップができました。 2023年〈書物復権〉共同復刊 開催書店(5月18日現在)(PDF) *販売開始時期や開催期間・規模は書店によって異なります。詳しくは各書店へお問い合わせください。 Kinoppy 電子書籍はこちら ・送料について (店舗受取サービスをご利用になると送料がかかりません。) (2023/5/23 更新) - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア 書物復権2023 ブックフェア開催! 2023年、第27回目の共同復刊、今回も多数のリクエストをいただきありがとうござ www.kinokuniya.co.jp

書物復権2022

2022年書物復権 書物復権2022 ブックフェア開催! 2022年、第26回目の共同復刊、今回も多数のリクエストをいただきありがとうございました。 今年も充実した復刊ラインナップができました。 2022年〈書物復権〉共同復刊 開催書店(5月20現在) *販売開始時期や開催期間・規模は書店によって異なります。詳しくは各書店へお問い合わせください。 Kinoppy 電子書籍はこちら ・送料について (店舗受取サービスをご利用になると送料がかかりません。) (2022/5/25 更新) - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア 書物復権2022 ブックフェア開催! 2022年、第26回目の共同復刊、今回も多数のリクエストをいただきありがとうござ www.kinokuniya.co.jp

書物復権2021

2021年書物復権 書物復権2021 第25回目の共同復刊 復刊書目決定! 2021年、第25回目の共同復刊、今回も多数のリクエストをいただきありがとうございました。 今年も充実した復刊ラインナップができました。 2021年〈書物復権〉共同復刊 開催書店(5月20現在) *販売開始時期や開催期間・規模は書店によって異なります。詳しくは各書店へお問い合わせください。 Kinoppy 電子書籍はこちら ・送料について (店舗受取サービスをご利用になると送料がかかりません。) (2021/5/26 更新) - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア 書物復権2021 第25回目の共同復刊 復刊書目決定! 2021年、第25回目の共同復刊、今回も多数のリクエストをいた www.kinokuniya.co.jp

書物復権2020

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書物復権2015

書物復権2014

〔2014復刊書目〕 哲学・思想・言語・宗教
聖書の日本語 翻訳の歴史
鈴木範久 / 岩波書店
2006/02出版
ISBN : 9784000236645
価格:¥3,672(本体¥3,400)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
現代日本語のもう一つの源──人と出来事でたどる聖書翻訳通史。文語訳に始まり新共同訳に至る、近代日本の埋もれた系譜。
他者/死者/私 哲学と宗教のレッスン
末木文美士 / 岩波書店
2007/05出版
ISBN : 9784000237772
価格:¥3,024(本体¥2,800)
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他者あるいは死者とのかかわりの可能性を探りながら、「私とは何か」という問いを深めていく、思索のいとなみを示す。
超自然的認識
シモ-ヌ・ヴェイユ、田辺保 / 勁草書房
2014/05出版
ISBN : 9784326154296
価格:¥3,780(本体¥3,500)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
最後のノートからなる随想、草案、読書ノートなど。神秘主義的傾向、教会批判も一層明瞭に表われたヴェイユ思想の終着点を示す貴重な記録。
記号論理学
清水義夫 / 東京大学出版会
1984/11出版
ISBN : 9784130120180
価格:¥2,376(本体¥2,200)
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論理学の初級コースの内容を平易に解説したテキスト。命題論理と述語論理から完全性定理やブール代数を経て、中級以上の議論につなげる。
方法としての中国
溝口雄三 / 東京大学出版会
1989/06出版
ISBN : 9784130130165
価格:¥3,456(本体¥3,200)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
近代中国像は歪んでいないか。戦後の中国研究に視座の転換を迫り、アジアというもうひとつの世界イメージを提起する。
道徳的人間と非道徳的社会
ラインホ-ルド・ニ-バ-、大木英夫 / 白水社
2014/05出版
ISBN : 9784560083666
価格:¥4,968(本体¥4,600)
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ヴェーバーの「心理倫理」と「責任倫理」の問題を克服し、倫理学と政治学に新生面を拓いた不朽の名著。アメリカの政治的リアリズムの精神的源泉でもある。
『存在と時間』講義 統合的解釈の試み
ジャン・グレ-シュ、杉村靖彦 / 法政大学出版局
2007/09出版
ISBN : 9784588150494
価格:¥12,960(本体¥12,000)
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ガダマーやリクールの流れを汲む解釈学的現象学の立場から『存在と時間』とその「作業場」の姿を鮮やかに浮かび上がらせた画期的な注釈書。
ヘ-ゲル伝
カ-ル・ロ-ゼンクランツ、中埜肇 / みすず書房
1983/07出版
ISBN : 9784622018940
価格:¥5,940(本体¥5,500)
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1844年に、ベルリン版ヘーゲル全集の補巻として刊行。同時代人による伝記。ドイツ観念論を継承発展させる過程を中心に、誕生から死までを描く。
みるきくよむ
クロ-ド・レヴィ・ストロ-ス、竹内信夫(1945-) / みすず書房
2005/12出版
ISBN : 9784622071815
価格:¥3,780(本体¥3,500)
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創造の源泉とは? 芸術の普遍性とは? 文化人類学を率いた、20世紀ヨーロッパ精神を代表する知性の一人が、魅力豊かに「思考の快楽」へ誘う。
関係としての自己
木村敏 / みすず書房
2005/04出版
ISBN : 9784622071440
価格:¥3,456(本体¥3,200)
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「私」とは何か。「自己」とは何か。豊富な臨床経験と、生命や存在への透徹した眼差しをとおして、そのあり方の謎に迫る、木村人間学の到達点。
道徳情操論
アダム・スミス、米林富男 / 未来社
1992/09出版
ISBN : 9784624010263
価格:¥5,184(本体¥4,800)
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スミスの体系において『国富論』に直接先行する古典の完訳。「行為の道徳的適正について」など、1〜3部を収録。
日本中世の禅宗と社会
原田正俊 / 吉川弘文館
1998/12出版
ISBN : 9784642027687
価格:¥9,720(本体¥9,000)
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日本の中世社会に大きな影響を与えた禅宗の実像を解明。禅と念仏・神祇信仰の関係、禅宗寺院の組織と仏事法会より中世後期仏教の特質を追究する。

〔2014復刊書目〕 社会
テレビは戦争をどう描いてきたか 映像と記憶のア-カイブス
桜井均 / 岩波書店
2005/09出版
ISBN : 9784000240154
価格:¥4,536(本体¥4,200)
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テレビはいかにして過去の声をモノローグからポリフォニーへと変えてきたか。現役プロデューサーが半世紀の番組を総覧したドキュメンタリー論。
人種差別
アルベ-ル・メンミ、菊地昌実 / 法政大学出版局
1996/12出版
ISBN : 9784588021817
価格:¥2,808(本体¥2,600)
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被植民者、ユダヤ人、北アフリカ出身者という三重に屈折した人種差別を受けてきた個人的体験に密着し、現代社会における支配と隷属、抑圧と差別のメカニズムを抉る。

〔2014復刊書目〕 歴史・民俗
近代天皇制と古都
高木博志 / 岩波書店
2006/06出版
ISBN : 9784000225502
価格:¥3,564(本体¥3,300)
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近代天皇制のもとではじめて奈良と京都が「古都」として表象されたのはなぜか。文化的表象形成の深部に働く政治を鋭く抉り出す。
ブラック・プロパガンダ 謀略のラジオ
山本武利 / 岩波書店
2002/05出版
ISBN : 9784000246118
価格:¥3,240(本体¥3,000)
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米軍はサイパンから日本全土に、国内の反軍勢力を装った謀略放送を流した。米国の情報公開により第2次大戦の実態が初めて明かされる。
日本の子守唄 民俗学的アプロ-チ
松永伍一 / 紀伊国屋書店
2014/05出版
ISBN : 9784314011204
価格:¥2,592(本体¥2,400)
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子守唄のあの哀調はなぜか――背景の庶民生活、出稼ぎ、故郷への慕情、社会風刺、エロスなどから、民俗学的なアプローチで唄い継いだ女性たちの心情を探る。
日本王権論
網野善彦、宮田登 / 春秋社
2014/05出版
ISBN : 9784393291603
価格:¥2,700(本体¥2,500)
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天皇制は何に支えられ、どんな機能を果たしてきたのか。存続の理由は何か。歴史学・民俗学・文化人類学の視点から日本精神史の深層に迫る。
金と香辛料 中世における実業家の誕生
ジャン・ファヴィエ、内田日出海 / 春秋社
2014/05出版
ISBN : 9784393485248
価格:¥7,020(本体¥6,500)
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危険を冒して異国の富を求めた先駆的実業家たち――大航海時代に先立ち海外ヘ飛翔し、「世界」経済の基礎を作った人々の活躍を描く名著。
日本海域の古代史
門脇禎二 / 東京大学出版会
1986/09出版
ISBN : 9784130230353
価格:¥4,320(本体¥4,000)
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5〜7世紀の古代日本にも、自立した地域国家群の興亡の歴史があった。日本海域の諸地域を、考古学の知見をふまえて描いた力作。
過去の克服 ヒトラ-後のドイツ
石田勇治 / 白水社
2014/05出版
ISBN : 9784560083659
価格:¥3,996(本体¥3,700)
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「過去の克服」にはそれを促す力と押しとどめる力があった。このふたつの力のせめぎ合いをとおして、「過去の克服」をめぐる戦後ドイツの歩みを概観していく。
第一次世界大戦の起原
ジェ-ムズ・ジョル、池田清(政治学) / みすず書房
2007/06出版
ISBN : 9784622073215
価格:¥4,536(本体¥4,200)
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20世紀の序幕、第一次世界大戦の勃発。火元はサライェヴォ。「運命の夏」にいたる歴史のダイナミズムと精神状況を、現代史の第一人者が再現する。
トルコ近現代史 イスラム国家から国民国家へ
新井政美 / みすず書房
2001/04出版
ISBN : 9784622033882
価格:¥4,860(本体¥4,500)
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オスマン帝国=「イスラム国家」の凋落から近代国家への変身に賭けた、苦難の道のりをたどる。1699年以後の3世紀をカバーした興味津々の通史。
歴史と啓蒙
歴史と啓蒙
ユルゲン・コッカ、肥前栄一 / 未来社
1994/10出版
ISBN : 9784624111526
価格:¥4,104(本体¥3,800)
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現代ドイツの歴史社会科学を代表する論客の、〈構造史〉と〈日常史〉の結合による新たな〈社会史〉の確立をめざし、歴史学方法論に一石を投じる論集。
稲を選んだ日本人 民俗的思考の世界
坪井洋文 / 未来社
1982/11出版
ISBN : 9784624220099
価格:¥3,024(本体¥2,800)
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日本文化の歴史を稲作民と畑作民の二つの異集団文化の接触過程として捉え、その対立・抗争・同化・吸収の諸相を追いながら民俗的世界の構図を解明する。
日本の貨幣の歴史
滝沢武雄 / 吉川弘文館
1996/03出版
ISBN : 9784642066525
価格:¥3,240(本体¥3,000)
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日本の貨幣の歴史を、各時代の重要問題を的確に解明し、先行研究を基礎に分かり易く詳述した貨幣通史。
軍都の慰霊空間 国民統合と戦死者たち
本康宏史 / 吉川弘文館
2002/03出版
ISBN : 9784642037426
価格:¥8,640(本体¥8,000)
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軍人墓地など戦死者を弔う特別の空間の立地や景観、儀礼などを通し、軍事都市を中心に展開した近代国家による民衆統合の様相を解明。
苧麻・絹・木綿の社会史
永原慶二 / 吉川弘文館
2004/12出版
ISBN : 9784642079341
価格:¥3,456(本体¥3,200)
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日本列島に生きた人びとの生活を、前近代の三大衣料原料であった〈三本の糸〉を手繰りながら織り出す。歴史学の巨星、最後の著作。
中世日本の国際関係 東アジア通交圏と偽使問題
橋本雄 / 吉川弘文館
2005/06出版
ISBN : 9784642028417
価格:¥9,720(本体¥9,000)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
朝鮮や明に現れた偽使たちを派遣した地域勢力から、室町幕府外交体制崩壊の過程を解明。国家と地域の関係を軸に、新たな国際関係像を構築する。

〔2014復刊書目〕 心理・教育
精神分析の方法 セブン・サ-ヴァンツ
ウィルフレッド・R.ビオン、福本修 / 法政大学出版局
1999/06出版
ISBN : 9784588021992
価格:¥4,104(本体¥3,800)
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フロイト以後の精神分析の理論的総括を試みたビオンの代表的著作を集成。本巻は、「経験から学ぶこと」「精神分析の要素」の二部からなる。訳者による解題を付す。
精神分析の方法 セブン・サ-ヴァンツ
ウィルフレッド・R.ビオン、福本修 / 法政大学出版局
2002/07出版
ISBN : 9784588022005
価格:¥4,320(本体¥4,000)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

本巻は、「変形」「注意と解釈」の二部からなり、今日の精神分析の臨床とメタ心理学研究に明確な指針とパースペクティブを提供する。巻末にⅠ・Ⅱ巻の索引を付す。
解決志向の言語学 言葉はもともと魔法だった
スティ-ヴ・ド・シェイザ-、長谷川啓三 / 法政大学出版局
2000/11出版
ISBN : 9784588022043
価格:¥4,968(本体¥4,600)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
心理療法理論を哲学と心理学の概念から説き、問題〈解決〉のための具体的な治療(会話)を展開。言葉の魔術的な力が明らかにされ我々を最先端の心理療法へと導く。
近代日本における読書と社会教育 図書館を中心とした教育活動の成立と展開
山梨あや / 法政大学出版局
2011/02出版
ISBN : 9784588686054
価格:¥6,156(本体¥5,700)
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わが国において読書が普及し始める1900年代から大衆化する1960年代までを対象とし、読書行為の普及を近代日本教育史の視点から跡づける。

〔2014復刊書目〕 文学・芸術
幻想芸術
マルセル・ブリオン、坂崎乙郎 / 紀伊国屋書店
1992/10出版
ISBN : 9784314000437
価格:¥9,504(本体¥8,800)
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暗黒の中世から、破滅に慄く現代までの芸術表現に表れた不安、異常、怪奇のイメージ。諸作品から「幻想」の変容を追い、精神の深奥に迫る古典的名著。
日本SF論争史
巽孝之 / 勁草書房
2000/05出版
ISBN : 9784326800445
価格:¥5,400(本体¥5,000)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
SFの成果を豊穣な思想史として位置づける。安部公房、小松左京、筒井康隆、笠井潔、大原まり子ら各時代を代表するSF批評全21篇を収録。
校注良寛全歌集
良寛、谷川敏朗 / 春秋社
2014/05出版
ISBN : 9784393434451
価格:¥5,400(本体¥5,000)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
短歌・旋頭歌・長歌合わせて1350首を成立時代順に配列。語注と参考の歌を掲げ現代語訳を付し、出典を明示して由之や定珍など他者作品を峻別。
校注良寛全詩集
良寛、谷川敏朗 / 春秋社
2014/05出版
ISBN : 9784393434468
価格:¥5,940(本体¥5,500)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
江戸期の写本・自筆詩集・遺墨による483首を成立時代順に並べ、こなれた現代語訳と語注を付し、巻末の校異編には同案詩・他者作品も収録。
校注良寛全句集
良寛、谷川敏朗 / 春秋社
2014/05出版
ISBN : 9784393434444
価格:¥2,700(本体¥2,500)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
遺墨や写本・活字本から良寛作とされる俳句107首を採用し、季語により分類。現代語訳・解説・語注を付し、良寛句の世界を親しみやすいものにした。
クレンペラ-との対話
オット-・クレンペラ-、ピ-タ-・ヘイワ-ス / 白水社
2014/05出版
ISBN : 9784560083673
価格:¥4,968(本体¥4,600)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
音楽史に偉大な足跡を残した巨匠が、政治的圧力、周囲の無理解をはねのけ、数多の苦難より再起した人生、音楽観、名演を回想する。
〔2014復刊書目〕 法律・経済・政治
国際法上の自衛権
田岡良一 / 勁草書房
2014/05出版
ISBN : 9784326402939
価格:¥5,400(本体¥5,000)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
国際社会を法的に組織するための国際連合や国際司法裁判所は、秩序をもたらす実効を発揮していない。国際法上、自衛権はどう既定されるべきか。
聞き書南原繁回顧録
南原繁、丸山真男 / 東京大学出版会
1989/09出版
ISBN : 9784130330398
価格:¥6,264(本体¥5,800)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
丸山・福田ほかの聞き取りを通して、政治哲学者にして思想家、歌人である南原繁の自ら語る生涯の足跡と時代背景を伝える。
大正デモクラシ-体制の崩壊 内政と外交
酒井哲哉 / 東京大学出版会
1992/01出版
ISBN : 9784130360623
価格:¥6,048(本体¥5,600)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
満州事変に始まる大正デモクラシー体制の崩壊過程を、内政と外交の相互関連性に着目しながら分析する。
天皇制国家と政治思想
松本 三之介 / 未来社
2014/05出版
ISBN : 9784624300111
価格:¥5,184(本体¥4,800)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
日本的な統治原理「天皇制」の思想とはなにか。維新前後の法政思想を刻明にさぐり、分析を続けてきた著者十年の研究成果。
〔2014復刊書目〕 自然科学・医学
何のための数学か 数学本来の姿を求めて
モリス・クライン、雨宮一郎 / 紀伊国屋書店
1987/03出版
ISBN : 9784314004817
価格:¥3,024(本体¥2,800)
本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら
数学は単なる記号操作の技術ではない。その目標は自然から知識を引き出すことにある。自然界の構造探究の歴史を辿りながら、その知の本質に迫る。
ドクタ-・ジュノ-の戦い エチオピアの毒ガスからヒロシマの原爆まで
Junod,Marcel(1904-19、丸山幹正(1945-) / 勁草書房
2014/05出版
ISBN : 9784326750528
価格:¥3,240(本体¥3,000)
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20世紀の文明が犯しえた極限的な残虐現場の最前線に出かけていき、その被害者の生命を救うために献身した医師ジュノーの「実戦」記録。
〔2014復刊書目〕 オン・デマンド
OD>社会性の哲学
岩波書店
今村仁司
商品コード : 9784007301094
価格:税込12,420円(本体11,500円)
商品ページ
人間存在を贈与論的構造に位置づけ、政治、経済、法の社会性の諸相を考察。労働と暴力をめぐる社会哲学を総合的に展開した遺著。
OD>周恩来キッシンジャー機密会談録
岩波書店
毛里和子/増田弘
商品コード : 9784007301087
価格:税込8,424円(本体7,800円)
商品ページ
71年のキッシンジャー秘密訪中時の会談記録。台湾、日本、ニクソン訪中時の共同声明草案などをめぐり率直な議論がかわされる。
OD>地域社会の民俗学的研究
法政大学出版局
岩井宏實
商品コード : 9784588920806
価格:税込10,584円(本体9,800円)
商品ページ
地方文化の伝承基盤とその変容過程を時間 空間の総合的認識において実証的に捉えなおし、歴史学と民俗学の接点に立って地域社会のゆたかな可能性を掘り起こす。
OD>日本神話の比較研究
法政大学出版局
大林太良
商品コード : 9784588920745
価格:税込5,400円(本体5,000円)
商品ページ
日本神話と世界各地の神話との比較研究の成果を結集し、比較・分析を綜合して比較神話学の問題点を摘出・展望する。
OD>剣の神・剣の英雄
法政大学出版局
大林太良/吉田敦彦
商品コード : 9784588920752
価格:税込3,240円(本体3,000円)
商品ページ
剣神伝承の一致と対応を対照しつつ、日本神話と印欧諸族の神話との連続性を浮彫にし、比較神話学の方法により文化系統論に新視覚をもたらす。
OD>桶と樽
法政大学出版局
小泉和子
商品コード : 9784588920776
価格:税込8,424円(本体7,800円)
商品ページ
出土遺物や絵画・文献資料をもとに、壷・甕から桶・樽への転換期を探り、醸造業をはじめ、農業・漁業・鉱業から流通業まで、桶・樽が果たした役割を明らかにする。
OD>奄美説話の研究
法政大学出版局
山下欣一
商品コード : 9784588920790
価格:税込8,424円(本体7,800円)
商品ページ
ユタが唱えてきた呪詞と民間説話群とを詳細に比較・検討しつつ、南島の基層文化におけるシャーマニズムという独自の視角から、南島説話成立の基盤を浮彫りにする。
OD>南西諸島の民俗 〈1〉
法政大学出版局
下野敏見
商品コード : 9784588920783
価格:税込8,640円(本体8,000円)
商品ページ
南九州から奄美・沖繩まで、島々の生活と文化を実地に精査して成った初の南島民俗集成。本巻は、生業・民具・航海(船)・漁業等の有形資料を中心に基層文化を探る。
OD>現代日本の大学革新
法政大学出版局
清成忠男
商品コード : 9784588920769
価格:税込3,780円(本体3,500円)
商品ページ
2003年度に大きく転換した高等教育政策と、18歳人口が急減期に入った1990年代からの大学革新を取り上げ、その状況と問題点を論じる。
OD>海女
未來社
瀬川清子
商品コード : 9784624990411
価格:税込4,860円(本体4,500円)
商品ページ
舳倉島に渡って、海女たちのきびしい過酷な生活をみて以来、全国の海女のたちの生活、歴史、文化を書き記した感動のヒューマン・ドキュメント。
OD>バロマ トロブリアンド諸島の呪術と死霊信仰
未來社
マリノウスキー/高橋渉訳
商品コード : 9784624990404
価格:税込3,456円(本体3,200円)
商品ページ
社会人類学の古典とされる名高いトロブリアンド諸島調査のもっとも初期においてなされた調査報告で、島人の信仰面を照射する。
OD>親と子の夜
未來社
上野英信/千田梅二
商品コード : 9784624990428
価格:税込3,456円(本体3,200円)
商品ページ
戦後の炭鉱の英雄時代を描いた記念碑的版画物語。『せんぶりせんじが笑った!』『はじめての発言』『親と子の夜』『ひとくわぼり』ほか5篇収録。

書物復権2013

〔2013復刊書目〕 哲学・思想・言語・宗教
『ギリシア語文法』高津春繁(岩波書店)

初版1960・最終版2010年◆A5判◆496頁◆税込7,875円(本体7,500円)
ISBN4-00-000342-9

引例が豊富で、精密なギリシア文法書である本書は、文章論に詳しく、方言も取り入れ、ギリシア文学に親しもうとする人々にも便利なように配慮されている。

『意味の深みへ』井筒俊彦(岩波書店)

初版1985・最終版1990年◆B6判◆306頁◆税込5,355円(本体5,100円)
ISBN4-00-000115-9

古今東西の思想を渉猟し「意味の深みへ」と向かう碩学の思索は、思想のポストモダン的状況において、知の沃野が東洋哲学の世界を通して拡がることを示している。

『言語と言語学』ジョン・ライアンズ/近藤達夫訳(岩波書店)

言語と言語学

初版1987・最終版1999年◆A5判◆412頁◆税込5,040円(本体4,800円)
ISBN4-00-000592-8

国際的に著名な言語学者ライアンズが多年にわたる教育経験にもとづき、これから言語学を学ぼうとする学生・社会人のために贈る入門書。

『倫理の復権 ロールズ・ソクラテス・レヴィナス』岩田靖夫(岩波書店)

初版1994・最終版2001年◆A5判◆296頁◆税込5,880円(本体5,600円)
ISBN4-00-002457-4

ロールズ正義論の哲学的背景を西欧倫理思想の伝統に探り、その発端と終末、ソクラテスとレヴィナスに「正義と超越」をめぐる西欧的思考のポジとネガを見定める。

『破壊 人間性の解剖』エーリッヒ・フロム/作田啓一、佐野哲郎訳(紀伊國屋書店)

破壊 人間性の解剖

初版1975・最終版2001年◆四六判◆852頁◆税込9,030円(本体8,600円)
ISBN978-4-314-00893-8

人間の歴史は暴力と残酷の記録で満ちている。『自由からの逃走』以来、フロムが一貫して追究してきた、人間独自の破壊性についての総括ともいえる大著。

『意味の限界 「純粋理性批判」論考』P.F.ストローソン/熊谷直男ほか訳(勁草書房)

意味の限界 「純粋理性批判」論考

初版1987・最終版1999年◆A5判◆386頁◆税込4,410円(本体4,200円)
ISBN978-4-326-10069-9

イギリスの哲学者ストローソンのカント読解。〈経験に不可欠な構造〉についての分析的な議論を、〈学的ファンタジー〉から解き放って再構成する。

『ことばの進化論』D.ビッカートン/筧壽雄監訳(勁草書房)

ことばの進化論

初版1998・最終版1999年◆A5判◆336頁◆税込5,145円(本体4,900円)
ISBN978-4-326-10122-1

ことばはどのように獲得されたか? カエル、チンパンジー、人/幼児の表示体系はどう違うのか? 進化の視点からことばの本質と構造に迫る。

『意識の自然 現象学の可能性を拓く』谷徹(勁草書房)

意識の自然 現象学の可能性を拓く

初版1998・最終版2004年◆A5判◆776頁◆税込10,500円(本体10,000円)
ISBN978-4-326-10123-8

三部構成によりフッサール現象学の全体像を描く大著。第一部は思想的源流、第二部は内部構造、第三部では継承者の評価と今後の展望を語る。

『ウィーン学団 論理実証主義の起源・現代哲学史への一章』V.クラーフト/寺中平治訳(勁草書房)

初版1990・最終版1990年◆四六判◆320頁◆税込3,675円(本体3,500円)
ISBN978-4-326-19882-5

フレーゲの新しい論理学に促され、従来の哲学の革新をめざした哲学者集団「ウィーン学団」の軌跡。現代哲学は彼らの主張なしには成立しなかった。

『チベット愛の書』ゲンドゥン・チュペルほか/三浦順子訳(春秋社)

チベット愛の書

初版1998・最終版1998年◆四六判◆296頁◆税込2,940円(本体2,800円)
ISBN4-393-13277-7

古今の伝承を渉猟し、高度な密教哲学を背景に閨房の秘儀から占いまで男女の甘美な技法を流暢な文体で綴るチベット版カーマスートラ。

『仏教インド思想辞典』高崎直道 編集代表/三浦順子訳(春秋社)

仏教インド思想辞典

初版1987・最終版1987年◆A5判◆562頁◆税込12,600円(本体12,000円)
ISBN978-4-393-10171-1

仏教とインド思想のトータルな理解のために370の事項を厳選し、研究者はもとより学生・社会人まであらゆる層の要望に応える画期的辞典。

『無文字民族の神話』ミシェル・パノフほか/大林太良ほか訳(白水社)

無文字民族の神話

初版1985・最終版1998年◆四六判◆294頁◆税込4,410円(本体4,200円)
ISBN978-4-560-08291-1

オセアニア、東南アジア、シベリア、エスキモー、北中南米、アフリカの諸民族が口承で伝える、生きた神話の構造を概観する。

『ディドロ著作集1 哲学Ⅰ 〈新装版〉』ディドロ/小場瀬卓三、平岡昇監修(法政大学出版局)

ディドロ著作集1 哲学Ⅰ 〈新装版〉

初版1976・最終版1992年◆四六判◆458頁◆税込6,090円(本体5,800円)
ISBN978-4-588-12010-7

哲学断想/盲人に関する手紙/基本原理入門/ダランベールの夢/物質と運動に関する哲学的諸原理/ブーガンヴィール旅行記補遺/哲学者とある元帥夫人との対話/他

『ベルクソン読本 〈新装版〉』久米博、中田光雄、安孫子信編(法政大学出版局)

ベルクソン読本 〈新装版〉

初版2006・最終版2006年◆A5判◆336頁◆税込3,675円(本体3,500円)
ISBN978-4-588-12133-3

20世紀の哲学に測り知れない影響をもたらし、現代思想の展開の軸となったベルクソンの思想を多角的に再検討し、ベルクソン・ルネサンスをめざすガイドブック。

『翻訳文化を考える 〈改装版〉』柳父章(法政大学出版局)

翻訳文化を考える 〈改装版〉

初版1978・最終版2002年◆四六判◆256頁◆税込2,625円(本体2,500円)
ISBN978-4-588-43611-6

「翻訳日本語」を照射して日本文化論に新たな視角を導入した著者が、日常語から文学作品に至ることばの現場から、翻訳がもたらした特殊日本的な文化の構造を抉る。

『辺境から眺める アイヌが経験する近代』テッサ・モーリス=鈴木/大川正彦訳(みすず書房)

辺境から眺める アイヌが経験する近代

初版2000・最終版2007年◆四六判◆312頁◆税込3,150円(本体3,000円)
ISBN978-4-622-03089-8

日本とロシアは、アイヌなどの先住民族をどのように国家に組み込んできたのか。辺境という視座から、国民国家の辿った軌跡と先住民族の経験を追う。

『アウシュヴィッツと表象の限界』ソール・フリードランダー編/上村忠男、小沢弘明、岩崎稔訳(未來社)

初版1994・最終版1995年◆四六判◆260頁◆税込3,360円(本体3,200円)
ISBN978-4-624-93223-7

アウシュヴィッツに象徴されるユダヤ人虐殺の本質とは何か。歴史学における〈表象〉の問題を中心に展開された白熱のシンポジウムの成果。

〔2013復刊書目〕 社会
『政治論集1』マックス・ヴェーバー/中村貞二ほか訳(みすず書房)

初版1982・最終版1983年◆A5判◆344頁◆税込5,250円(本体5,000円)
ISBN978-4-622-01762-2

ヴェーバーによる政治へのあつい関心と冷徹な分析。教授就任講演から第一次世界大戦を経て、ヴァイマル共和国の成立にいたる期間の33篇を収録する。

『政治論集2』マックス・ヴェーバー/中村貞二ほか訳(みすず書房)

初版1982・最終版1982年◆A5判◆376頁◆税込5,670円(本体5,400円)
ISBN978-4-622-01763-9

ヴェーバーによる政治へのあつい関心と冷徹な分析。教授就任講演から第一次世界大戦を経て、ヴァイマル共和国の成立にいたる期間の33篇を収録する。

『現代議会主義の精神史的地位 〈新装版〉』カール・シュミット/稲葉素之訳(みすず書房)

現代議会主義の精神史的地位 〈新装版〉

初版1972・最終版2000年◆四六判◆136頁◆税込2,940円(本体2,800円)
ISBN978-4-622-07772-5

ナチス政権下の公法学者であったシュミット。ワイマール体制下、議会制民主主義を批判し、独裁理論を考察しながら、ドイツの新しい政体を模索する。

〔2013復刊書目〕 歴史・民俗
『アフリカの創世神話』阿部年晴(紀伊國屋書店)

アフリカの創世神話

初版1965・最終版1981年◆四六判◆222頁◆税込2,730円(本体2,600円)
ISBN978-4-314-01108-2

ディンカ族、ルグバラ族、ドゴン族……アフリカの諸部族が語り伝えた「創世神話」をもとに、その思念や世界観を文化人類学の立場から探究した一冊。

『真宗における異端の系譜』笠原一男(東京大学出版会)

初版1962・最終版1991年◆A5判◆360頁◆税込6,300円(本体6,000円)
ISBN978-4-13-020012-7

真宗教団の発展の過程において異端が発生する理由をさぐり、その系譜を明らかにするとともに、中世から近世への社会的基盤を解明する。

『中世日本文化の形成』桜井好朗(東京大学出版会)

初版1981・最終版1986年◆A5判◆336頁◆税込7,140円(本体6,800円)
ISBN978-4-13-020064-6

神々との関わりで中世という時代を生きた日本人の観念の世界に分け入り、古代と中世の関係の仕組みと中世文化形成の様とを見据える。

『パリのフランス革命(歴史学選書9)』柴田三千雄(東京大学出版会)

初版1988・最終版1992年◆四六判◆296頁◆税込3,360円(本体3,200円)
ISBN978-4-13-025009-2

一地域であるとともに首都であり、その民衆運動が革命全体の進行に大きな影響を及ぼしたパリの、革命初期の民衆世界の変容を分析する。

『悪党と海賊 〈新装版〉』網野善彦(法政大学出版局)

悪党と海賊 〈新装版〉

初版1995・最終版1995年◆A5判◆424頁◆税込7,035円(本体6,700円)
ISBN978-4-588-25060-6

鎌倉後期から「南北朝動乱」に至る転換期に活動した悪党・海賊をめぐる論争史を展望、その実体を究明しつつ、この時期の政治・社会情勢を論ずる。網野史学の原点。

『博物館の歴史』高橋雄造(法政大学出版局)

博物館の歴史

初版2008・最終版2008年◆A5判◆538頁◆税込7,350円(本体7,000円)
ISBN978-4-588-37116-5

2010年度全日本博物館学会賞受賞 古代王国の宝物庫からルネサンス期の〈キャビネット〉を経て、現代の公共博物館に至る歴史を方法論の形成を軸にあとづける。

『日本の憑きもの』石塚尊俊(未來社)

日本の憑きもの

初版1999・最終版2001年◆四六判◆300頁◆税込3,360円(本体3,200円)
ISBN978-4-624-20001-5

憑きものの種類・分布からその社会構造・憑きもの筋・行者・社会倫理等憑きもののあらゆる側面を多くの資料と調査によりつつ総合的に究明した名著。

『イモと日本人』坪井洋文(未來社)

初版1979・最終版1998年◆四六判◆292頁◆税込3,360円(本体3,200円)
ISBN978-4-624-22002-0

新年に餅を供え食べることを拒否する餅なし正月の習俗を緒口に、イネの文化に対抗する異系異質の文化体系を立証。日本人のもう一つの世界観を探る。

『マキアヴェッリ』スキナー/塚田富治訳(未來社)

初版1991・最終版1996年◆四六判◆184頁◆税込2,625円(本体2,500円)
ISBN978-4-624-11129-8

イタリア・ルネサンス期の巨人政治家の独創的な思想と人間について、現代有数の歴史学者が書き下ろした入門書。新しい視点でのマキアヴェッリ像。

〔2013復刊書目〕 文学・芸術
『源氏物語と白楽天』中西進(岩波書店)

初版1997・最終版1998年◆A5判◆520頁◆税込8,715円(本体8,300円)
ISBN4-00-000643-6

『源氏物語』に引用される白楽天の詩文が、物語の主題や構想とどう関わるのか。物語の展開に沿って漢詩文を読み、作者の意図を探る。

『本・子ども・大人』ポール・アザール/矢崎源九郎、横山正矢訳(紀伊國屋書店)

本・子ども・大人

初版1957・最終版2001年◆四六判◆276頁◆税込2,730円(本体2,600円)
ISBN978-4-314-00003-1

子どもにどんな本を与えればよいか――大人の固い頭で夢のない教訓だらけの本を与えないよう、軽妙洒脱な文章で説いた、児童文学論の古典的名著。

『美の味わい』エリック・ロメール/梅本洋一、武田潔訳(勁草書房)

美の味わい

初版1988・最終版2002年◆A5判◆288頁◆税込4,410円(本体4,200円)
ISBN978-4-326-80022-3

ヌーヴェルヴァーグの正統を疾走しつづけた映画作家ロメールの映画論集。映画を映画そのものとして語り、「作家主義」を美しく展開する。

『バッハからの贈りもの』鈴木雅明、加藤浩子(春秋社)

バッハからの贈りもの

初版2002・最終版2002年◆四六判◆456頁◆税込2,940円(本体2,800円)
ISBN4-393-93756-2

バッハの音楽の卓越性と吸引力。それは何に発するのか? 世界的バッハ演奏家がバッハ理解のキーワードに即して闊達自在に語りつくす。

『日常礼讃 フェルメールの時代のオランダ風俗画』ツヴェタン・トドロフ/塚本昌則訳(白水社)

日常礼讃 フェルメールの時代のオランダ風俗画

初版2002・最終版2003年◆四六判◆192頁◆税込3,990円(本体3,800円)
ISBN978-4-560-08292-8

17世紀初め、日常生活と絵画の出会いから生まれたオランダ絵画の傑作の数々。画題とスタイルに革新的な変化をもたらしたその豊かな意味を探る。

『音楽と演奏』ブルーノ・ワルター/渡辺健訳(白水社)

音楽と演奏

初版1973・最終版1980年◆四六判◆280頁◆税込4,200円(本体4,000円)
ISBN978-4-560-08293-5

すぐれた指揮者・演奏家であると同時に、警抜な批評家、哲人、文章家でもあったワルターの内面をあますところなく映し出す見事な音楽論。

『自分だけの部屋 〈新装版〉』ヴァージニア・ウルフ/川本静子訳(みすず書房)

自分だけの部屋 〈新装版〉

初版1988・最終版2006年◆四六判◆224頁◆税込2,730円(本体2,600円)
ISBN978-4-622-07773-2

「女性が小説なり詩なりを書こうとするなら、年に500ポンドの収入とドアに鍵のかかる部屋を持つ必要がある。」作家によるフェミニズム批評の古典。

『マティス 画家のノート』アンリ・マティス/二見史郎訳(みすず書房)

マティス 画家のノート

初版1978・最終版2005年◆A5判◆442頁◆税込6,300円(本体6,000円)
ISBN978-4-622-01519-2

絵画ほか、彫刻、切り紙絵など、個性的な歩みを示した至福の画家の文業をまとめた読む美術書。デッサンと色彩、色の役割と様相、浮世絵の影響…

『増補 詩の発生』西郷信綱(未來社)

初版1994・最終版1994年◆A5判◆354頁◆税込4,200円(本体4,000円)
ISBN978-4-624-60092-1

日本文学における「詩の発生」を体系的に論じた名著。他に言霊論・柿本人麿・万葉から新古今へ等。あいまいにされがちな「詩」の領域を鋭い理論で展開。

〔2013復刊書目〕 法律・経済・政治
『現代外交の分析』坂野正高(東京大学出版会)

初版1971・最終版1991年◆A5判◆452頁◆税込7,140円(本体6,800円)
ISBN978-4-13-030025-4

国家間の複雑な利害を調整するための「外交」が、どのような仕組み、プロセスで行われるかを分析する。吉田茂賞を受賞した外交研究の基礎文献。

『経済復興と戦後政治』中北浩爾(東京大学出版会)

経済復興と戦後政治

初版1998・最終版1998年◆A5判◆360頁◆税込7,140円(本体6,800円)
ISBN978-4-13-036090-6

経済復興をめぐる政党政治の展開過程を、対外関係、労使関係、知識人の三つの視点を交えながら、社会党を軸に分析する。

『孔子神話 宗教としての儒教の形式』浅野裕一(岩波書店)

初版1997・最終版1998年◆A5判◆368頁◆税込9,450円(本体9,000円)
ISBN978-4-00-730059-2

聖人・孔子像の脱神話化の試み-春秋戦国から清朝まで、儒教の形成史をたどり、宗教運動としてのダイナミズムに迫る。

『朝貢システムと近代アジア』浜下武志(岩波書店)

初版1997・最終版1998年◆A5判◆256頁◆税込7,875円(本体7,500円)
ISBN978-4-00-730060-8

本書ではこのシステムの生成と構造を分析する。そしてそのシステムが今世紀の国際関係に及ぼした意味と、香港をめぐる中英関係の世界史的意味を考える。

『日本煉瓦史の研究』水野信太郎(法政大学出版局)

日本煉瓦史の研究

初版1999・最終版1999年◆B5判◆360頁◆税込15,750円(本体15,000円)
ISBN978-4-588-92064-6

明治の文明開化と共に開花した我国煉瓦造建築の成立と消長を技術史・文化史の視点から跡づけ、歴史的建造物を具体的に検討しつつ、煉瓦の魅力と可能性をさぐる。

『日本古代都市論序説』鬼頭清明(法政大学出版局)

日本古代都市論序説

初版1977・最終版1991年◆A5判◆316頁◆税込7,875円(本体7,500円)
ISBN978-4-588-92068-4

正倉院文書に残る三人の下級官人の生活と行動を追求し、その舞台である都市平城京の歴史的性格を生々と考察。優婆塞貢進、民間写経、出挙銭等に関する論稿も収録。

『近世伊勢湾海運史の研究』村瀬正章(法政大学出版局)

近世伊勢湾海運史の研究

初版1980・最終版1980年◆A5判◆456頁◆税込8,925円(本体8,500円)
ISBN978-4-588-92069-1

昭和56年度住田海事奨励賞受賞 伊勢湾・三河湾海運の実態を、廻船業の経営、浦廻船と商品流通、河川水運、沿海農村の変容、海難及び海上犯罪等の問題から追求。

『近世の琉球』渡口真清(法政大学出版局)

近世の琉球

初版1975・最終版1975年◆四六判◆492頁◆税込6,825円(本体6,500円)
ISBN978-4-588-92070-7

石高、租税制度、位階制度、行政機構等にわたる多面的・実証的な分析を通して、史書の虚実を探り、幕藩体制下の一地域として琉球の実像を浮彫りにする。

『竹富島誌〈民話・民俗篇〉』上勢頭亨(法政大学出版局)

竹富島誌〈民話・民俗篇〉

初版1976・最終版1985年◆四六判◆362頁◆税込6,300円(本体6,000円)
ISBN978-4-588-92071-4

現代の語部ともいうべき著者が、半世紀余にわたり記録し続けたこの島の民俗資料を集成。本篇は民話・伝説、風習・年中行事、さらに幻の神歌=神口・願い口を収録。

『竹富島誌〈歌謡・芸能篇〉』上勢頭亨(法政大学出版局)

竹富島誌〈歌謡・芸能篇〉

初版1979・最終版1979年◆四六判◆490頁◆税込7,350円(本体7,000円)
ISBN978-4-588-92072-1

本篇はアユー、ジラバ、ユンタ、ユングトゥ等の古謡、節歌、童謡、さらには例狂言・笑し狂言19篇を収録し、強制移住と人頭税の歴史、玩具・民芸品等にもおよぶ。

『南島貝文化の研究』木下尚子(法政大学出版局)

南島貝文化の研究

初版1996・最終版1996年◆B5判◆586頁◆税込21,000円(本体20,000円)
ISBN978-4-588-92065-3

第6回雄山閣考古学賞受賞 南島で開花した多彩な貝製品の文化を復元するとともに弥生時代以来南島と九州・本州との間に行われてきた貝交易のルートを究明する。

『バーク政治経済論集』E.バーク/中野好之編訳(法政大学出版局)

バーク政治経済論集

初版2000・最終版2000年◆A5判◆1192頁◆税込31,500円(本体30,000円)
ISBN978-4-588-92073-8

議会政治と保守主義の思想家として知られながら、〈政治的叡知の不朽の手引〉たる思想の精髄が未だによく理解されていないバークの演説・書簡・論考を集成。

『フランス語版 資本論(上)』K.マルクス/江夏美千穂、上杉聰彦訳(法政大学出版局)

フランス語版 資本論(上)

初版1979・最終版1987年◆A5判◆422頁◆税込8,400円(本体8,000円)
ISBN978-4-588-92066-0

著者自ら訳稿を全面的に校閲し、独語版と並立する独自の科学的価値を謳ったラシャトル版。上巻は第1篇「商品と貨幣」から第4篇「総体的剰余価値の生産」まで。

『フランス語版 資本論(下)』K.マルクス/江夏美千穂、上杉聰彦訳(法政大学出版局)

フランス語版 資本論(下)

初版1980・最終版1990年◆A5判◆496頁◆税込8,400円(本体8,000円)
ISBN978-4-588-92067-7

下巻は第4篇「総体的剰余価値の生産」(続)から第8篇「本源的蓄積」までを収録する。独語現行版の邦訳よりも読みやすくわかりやすい「最後の資本論」完結篇。

『北一輝著作集1 国体論及び純正社会主義』北一輝/神島二郎ほか解説(みすず書房局)

初版1959・最終版2004年◆A5判◆458頁◆税込12,600円(本体12,000円)
ISBN978-4-622-06243-1

明治政府を震駭させ発禁となった「国体論及び純正社会主義」、革命と戦争への予言の書「支那革命外史」「日本改造法案大綱」ほか、全貌を示す著作集。

『北一輝著作集2 支那革命外史、日本改造法案大綱』北一輝/神島二郎ほか解説(みすず書房局)

初版1959・最終版2004年◆A5判◆460頁◆税込12,600円(本体12,000円)
ISBN978-4-622-06244-8

明治政府を震駭させ発禁となった「国体論及び純正社会主義」、革命と戦争への予言の書「支那革命外史」「日本改造法案大綱」ほか、全貌を示す著作集。

『北一輝著作集3 論文・詩歌・書簡 関係資料雑纂』北一輝/神島二郎ほか解説(みすず書房局)

初版1972・最終版2004年◆A5判◆762頁◆税込18,900円(本体18,000円)
ISBN978-4-622-06245-5

明治政府を震駭させ発禁となった「国体論及び純正社会主義」、革命と戦争への予言の書「支那革命外史」「日本改造法案大綱」ほか、全貌を示す著作集。

『海女の島[新装版]』マライーニ/牧野文子訳(未來社)

初版1989・最終版2004年◆四六判◆170頁◆税込2,730円(本体2,600円)
ISBN978-4-624-99033-6

戦前北大でアイヌを研究し、戦後記録映画撮影のために再び来日した人類学者の紀行文。日本民族への深い関心に貫かれて島と人とを詩情豊かに描く。

『ダッハウ収容所のゲーテ』ロスト/林功三訳(未來社)

初版1991・最終版1991年◆四六判◆438頁◆税込6,825円(本体6,500円)
ISBN978-4-624-99034-3

ドイツの収容所の一つであるダッハウで襲い来る恐怖と戦いながら、文豪ゲーテなど文学を糧に生き抜いてきたオランダ人ジャーナリストの日誌。

『ヨーロッパ~栄光と凋落』A.J.P.テイラー/川端末人、岡俊孝訳(未來社)

初版1994・最終版1994年◆A5判◆488頁◆税込7,875円(本体7,500円)
ISBN978-4-624-99035-0

1943-55年に書かれた歴史論を収録。ナポレオンからフランス革命やヒトラー、ドイツなどヨーロッパの歴史と精神を吟味する論文集。

『朝鮮から見た古代日本』全浩天(未來社)

初版1989・最終版1997年◆A5判◆230頁◆税込3,990円(本体3,800円)
ISBN978-4-624-99036-7

日本の古代文化の源流をどこに求めるべきか。朝鮮からの視点で朝鮮と古代日本との関係を実地踏査によって探り、豊富な写真・図版で実証的に示す。

『琉球諸島の民具』上江洲均、神崎宣武、工藤員功(未來社)

初版1983・最終版1983年◆四六判◆406頁◆税込6,300円(本体6,000円)
ISBN978-4-624-99038-1

故宮本常一博士の民具学の方法論を下敷にし、琉球地方の生活用具を採集・分類した民具百科。豊富な写真資料と分類表、採訪記からなる民具民俗誌。

『自分のことばをつくる』山本安英の会編(未來社)

初版1984・最終版1995年◆A5判◆242頁◆税込3,990円(本体3,800円)
ISBN978-4-624-99037-4

自分のことばをつくるとは何か。内田義彦、中野好夫、森有正、荒畑寒村、谷川俊太郎ら多彩な顔ぶれが、ことばにまつわる根深い問題に鋭く切りこむ。

『若きゲーテ』グンドルフ/小口優訳(未來社) 初版1956・最終版1978年◆A5判◆356頁◆税込6,090円(本体5,800円)
ISBN978-4-624-99039-8

ゲーテの誕生から青年期にいたる人格形成期を扱う第1部「存在と生成」の全訳。古典の旺盛な摂取、恋愛体験などが芸術運動に昇華してゆく過程を解明。

書物復権2012

〔2012復刊書目〕 哲学・思想・言語・宗教
『林達夫とその時代』渡邊一民(岩波書店)

初版1988・最終版1989年◆四六判◆372頁◆税込3465円(本体3300円)
ISBN4-00-001861-2

林達夫とはなにか。日本の知的風土の中でひときわ異彩を放ち、ときに激越なまでの振幅を見せる林達夫の深く入り組んだ精神の軌跡を描いた力作。

『仏教-言葉の思想史』末木文美士(岩波書店)

初版1996・最終版1996年◆A5判◆316頁◆税込6825円(本体6500円)
ISBN4-00-002863-4

日本仏教で重視される用語・概念をインド・中国の原典にさかのぼって精細に検証し、仏教思想の受容と変遷の様態を明らかにする。

『〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと』坂口ふみ(岩波書店)

〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと

初版1996・最終版2007年◆A5判◆320頁◆税込7875円(本体7500円)
ISBN4-00-002897-9

古代から中世へ、一大転換期を舞台にした思想のドラマ――ローマ帝国末期、ビザンツ初期のキリスト教教義論争史を読む。

『時間と空間の哲学』イアン・ヒンクフス/村上陽一郎、熊倉功二訳(紀伊國屋書店)

時間と空間の哲学

初版1979・最終版2002年◆四六判◆288頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-314-00916-4

物質は空間に存在し、時間を通じて持続する。それでは空間とは何で、時間とどう違うのか――この問いに答えた、分析哲学的なアプローチとして格好の解説書。

『大衆運動』エリック・ホッファー/高根正昭訳(紀伊國屋書店)

大衆運動

初版1961・最終版2006年◆四六判◆208頁◆税込2520円(本体2400円)
ISBN978-4-314-00935-5

宗教運動、ナチズム、共産主義、ナショナリズム……大衆運動に共通の性質をあぶりだし、そのダイナミズムを描ききる、「沖仲仕の哲学者」の処女作にして主著。

『理由と人格』D.パーフィット/森村進訳(勁草書房)

理由と人格

初版1998・最終版2004年◆A5判◆800頁◆税込10500円(本体10000円)
ISBN978-4-326-10120-7

人格の同一性、道徳性、合理性などにまつわる私たちの奥深い信念を揺るがす、現代倫理学からの挑戦。20世紀後半の最も重要な哲学書。

『真理という謎』M.ダメット/藤田晋吾訳(勁草書房)

真理という謎

初版1986・最終版2004年◆四六判◆442頁◆税込5250円(本体5000円)
ISBN978-4-326-15181-3

直観主義をモデルにした反実在論のプログラムをかかげ、現代哲学の最前線を領導するダメット。「実在論̶反実在論」の論理的定式化に関わる作品を中心に12 篇を収録。

『カントからヘーゲルへ(UP選書174)』岩崎武雄(東京大学出版会)

初版1977・最終版1998年◆四六判◆270頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-13-013027-1

カントの批判哲学から、フィヒテ、シェリングをへてヘーゲルの哲学体系までドイツ観念論を平明に解説した、スタンダードな入門書。

『医神アスクレピオス 生と死をめぐる神話の旅』カール・ケレーニイ/岡田素之訳(白水社)

初版1997・最終版1997年◆四六判◆176頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-560-08226-3

医術とは自らの傷に苦しむことで得た治療知識に他ならない――ヒポクラテスの始祖神、アスクレピオスの根源像を神話学の巨人が解明する。

『イェーナ体系構想 精神哲学草稿 (I 1803-04)精神哲学草稿 I(I 1805-06)』ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル/加藤尚武監訳・座小田豊他訳(法政大学出版局)

イェーナ体系構想 精神哲学草稿 (I 1803-04)精神哲学草稿 I(I 1805-06)

初版1999・最終版1999年◆A5判◆290頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-588-15032-6

イェーナ大学講義のうち「精神哲学」講義草稿初の完訳。
ヘーゲルが自ら抹消した草稿部分を復元しつつ、ヘーゲルの思索の苦闘のドラマを蘇らせる。

『言葉と世界 ヴィルヘルム・フォン・フンボルト研究』亀山健吉(法政大学出版局)

言葉と世界 ヴィルヘルム・フォン・フンボルト研究

初版2000・最終版2000年◆A5判◆258頁◆税込4935円(本体4700円)
ISBN978-4-588-15035-7

生涯と活動、ヤーコプ等との学的交流、日本語研究等フンボルト言語論の核心に迫るテーマを未刊の書簡や草稿を発掘・駆使して解明する研究の集大成。

『実体概念と関数概念』エルンスト・カッシーラー/山本義隆訳(みすず書房)

実体概念と関数概念

初版1979・最終版2004年◆A5判◆488頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-622-02462-0

〈実体〉から〈関数〉へ。数学・自然科学的思惟構造の形成を概念の発展として把握。『シンボル形式の哲学』へと結実する独自の立場を確立した書。

『実践感覚 1/実践感覚 2』ピエール・ブルデュ/今村仁司・港道隆・福井憲彦・塚原史訳(みすず書房)

実践感覚 1

実践感覚 1:初版1988・最終版2004年◆四六判◆288頁◆税込3465円(本体3300円)
ISBN978-4-622-04995-1

実践感覚 2

実践感覚 2:初版1990・最終版2005年◆四六判◆280頁◆税込3465円(本体3300円)
ISBN978-4-622-04996-8
〈実践=日常的行動〉の意味を究明し社会諸科学の基礎を構築。一方では現象学を、他方では構造主義を包摂しうる、ポスト構造主義の記念碑的業績。

『心の概念』ギルバート・ライル/坂本百大・井上治子・服部裕幸訳(みすず書房)

心の概念

初版1987・最終版2005年◆A5判◆512頁◆税込5985円(本体5700円)
ISBN978-4-622-01770-7

心脳問題にも通じる議論を展開した、日常言語学派の基礎文献。デカルト以来の哲学的伝統を根底的に批判し、心に関する新しい概念地図を提示する。

『経験としての詩』フィリップ・ラクー=ラバルト/谷口博史訳(未來社)

初版1997・最終版1997年◆四六判◆290頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-624-93236-7

アウシュヴィッツ以後詩作することは可能か――戦後ヨーロッパの代表的詩人ツェランの後期詩篇から複数の声を聴きとる哲学的エッセイ。

『スピノザの政治思想』柴田寿子(未來社)

初版2000・最終版2005年◆A5判◆326頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-624-30097-5

思想史に異彩を放つスピノザ思想の政治的側面。1960年代以降のスピノザ研究を批判的に吸収しつつ、民主政のオルタナティブを提示する試み。

『歴史家と母たち』上村忠男(未來社)

初版1994・最終版1994年◆四六判◆250頁◆税込3360円(本体3200円)
ISBN978-4-624-93222-0

現代イタリア歴史学の鬼才ギンズブルグの独得の論理と方法をめぐって、イタリア思想史研究の第一人者による包括的かつ批評性豊かな画期的研究成果。

〔2012復刊書目〕 社会
『『キング』の時代 国民大衆雑誌の公共性』佐藤卓己(岩波書店)

『キング』の時代 国民大衆雑誌の公共性

初版2002・最終版2005年◆四六判◆484頁◆税込4410円(本体4200円)
ISBN4-00-022517-0

日本初の100 万部を達成した伝説的「国民大衆雑誌」――その意味を近代日本史に位置づけ直す、参加=動員のメディア史。

『セクシュアリティの歴史社会学』赤川学(勁草書房)

セクシュアリティの歴史社会学

初版1999・最終版2004年◆A5判◆512頁◆税込5775円(本体5500円)
ISBN978-4-326-60126-4

近代日本のセクシュアリティ言説形成過程を、オナニーに関する言説に焦点をあてて素描する。理論的検討を尽くした方法論の確立を目指す。

『憲法論』カール・シュミット/阿部照哉・村上義弘訳(みすず書房)

憲法論

初版1974・最終版2004年◆A5判◆496頁◆税込6825円(本体6500円)
ISBN978-4-622-01736-3

ナチスの政治体制を理論的に支えた法学者が、近代の「市民的・法治国的」憲法の発展を思想史的・社会学的に考察し、その基本構造を鋭く分析する。

『国民国家と経済政策』マックス・ウェーバー/田中真晴訳(未來社)

国民国家と経済政策

初版2000・最終版2000年◆四六判◆122頁◆税込2100円(本体2000円)
ISBN978-4-624-93424-8

若きウェーバーの有名なフライブルグ大学教授就任講演。たんに政治論にかぎられず、没価値性理論の出発点であり、方法論的論稿の礎石をなす。

〔2012復刊書目〕 歴史・民俗
『千年王国と未開社会 メラネシアのカーゴ・カルト運動』ピーター・ワースレイ/吉田正紀訳(紀伊國屋書店)

初版1981・最終版1989年◆四六判◆424頁◆税込4830円(本体4600円)
ISBN978-4-314-00345-2

近代ヨーロッパ文化との接触を機に起こった、メラネシア全域での宗教運動を考察。未開社会は変容する自分たちの世界をいかに合理的に捉えようとしたのか。

『おとぎの国のモード』坂井妙子(勁草書房)

おとぎの国のモード

初版2002・最終版2002年◆四六判◆240頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-326-65265-5

絵本に登場する動物たちは、なぜ服を着ているのか?服飾社会学の視点から、動物たちのファッションが映し出す時代の貌を読み解く。

『近代日本綿業と中国(歴史学選書6)』高村直助(東京大学出版会)

初版1982・最終版1982年◆四六判◆346頁◆税込3360円(本体3200円)
ISBN978-4-13-025006-1

綿業を軸に考察される日・中関係百年史。19 世紀世界市場への展開、20 世紀に入っての在華紡の形成・発展から崩壊までを分析。

『近代日本研究入門』中村隆英・伊藤隆 編(東京大学出版会)

初版1977・最終版1985年◆B6判◆424頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-13-020301-2

時代別主要テーマ6論文、問題別主要テーマ6論文を配し、研究の手引きとして史料の所在や活用の仕方などを紹介。現在においても重要な問題発見の手がかりとなる定評ある論文を多数収録。

『文化の翻訳(UP選書183)』青木保(東京大学出版会)

初版1978・最終版1993年◆四六判◆204頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-13-003353-4

「異文化」「異民族」「他者」の理解はいかにして可能かを問い、人類学ひいては科学-学問のトータルな内省に立ち向かう。

『昭和十年代史断章(歴史学選書4)』伊藤隆(東京大学出版会)

初版1981・最終版1981年◆四六判◆322頁◆税込3360円(本体3200円)
ISBN978-4-13-025004-7

昭和研究会、大政翼賛会、海軍政治懇談会の運動などに光をあて、「東亜共同体」論など、昭和十年代史を再構成する不可欠の論点に迫る。

『職業別 パリ風俗』鹿島茂(白水社)

初版1999・最終版2003年◆A5判◆264頁◆税込3570円(本体3400円)
ISBN978-4-560-08225-6

お針子、門番女、公証人、仕立屋、乳母……バルザックやフロベールの小説に登場する様々な職業の実態を明らかにする19 世紀「風俗ファイル」。図版多数。

『中世のアウトサイダー』F.イルジーグラーほか/藤代幸一訳(白水社)

初版1992・最終版2005年◆四六判◆381頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-560-08224-9

「都市の不名誉な人」として排斥と追放の論理が適用された、乞食、大道芸人、娼婦、死刑執行人ら下層階級の実態をライン河畔の都市ケルンにおいて探る。

〔2012復刊書目〕 文学・芸術
『焔の文学 完本』モーリス・ブランショ/重信常喜、橋口守人訳(紀伊國屋書店)

焔の文学 完本

初版1958・最終版1997年◆四六判◆466頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-314-00796-2

無と有、沈黙と言葉、死と生……。揺れ動く作家の魂を文学の〈焔〉のなかにこそ見出そうとする、フランス批評の孤峰ブランショ、珠玉の評論集。

『告白と呪詛』シオラン/出口裕弘訳(紀伊國屋書店)

告白と呪詛

初版1994・最終版1994年◆四六判◆256頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-314-00694-1

「生にはなんの意味もないという事実は、生きる理由の一つになる。唯一の理由にだってなる」―― 80 歳を前に自ら最後の著作と決めた、シオランの到達点。

『写真の哲学のために』V.フルッサー/深川雅文訳(勁草書房)

写真の哲学のために

初版1999・最終版2004年◆四六判◆200頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-326-15340-4

脱産業社会/情報社会における「装置」と「人間」が作り出す新しい自由とは何か。ベンヤミン、マクルーハンを超えるメディア=文明論。

『ワルター・ベンヤミン』T.イーグルトン/今村仁司ほか訳(勁草書房)

初版1988・最終版1989年◆四六判◆360頁◆税込4200円(本体4000円)
ISBN978-4-326-15213-1

現代イギリスの文芸評論家、マルクス主義者である著者によるベンヤミンの読解。型通りのものではなく、随所に卓見がきらめいている。

『バーナード・ショー名作集』鳴海四郎ほか訳(白水社)

初版1966・最終版1988年◆四六判◆644頁◆税込6930円(本体6600円)
ISBN978-4-560-08222-5

「カンディダ」「悪魔の弟子」「人と超人」「ピグマリオン」「聖女ジョウン」「デモクラシー万歳!」を収録。《世紀の皮肉屋》ショーの喜劇集。

『シューベルトの歌曲をたどって』ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ/原田茂生訳(白水社)

初版1976・最終版1998年◆四六判◆552頁◆税込7875円(本体7500円)
ISBN978-4-560-08223-2

ドイツ歌曲の第一人者が、シューベルトの生涯、交友、恋愛、歌曲の成立、解説、後世作曲家への影響などを年代を追って綴る、卓抜なシューベルト読本。

『考える/分類する 日常生活の社会学』ジョルジュ・ペレック/阪上脩訳(法政大学出版局)

考える/分類する 日常生活の社会学

初版2000・最終版2000年◆四六判◆150頁◆税込2100円(本体2000円)
ISBN978-4-588-02202-9

収集―分類―整理という人間の社会- 心理的素描を試みる考現学的考察を通じて、現代社会と人間の恐るべき変貌を描き出す。

『クナッパーツブッシュ 音楽と政治』奧波一秀(みすず書房)

クナッパーツブッシュ 音楽と政治

初版2001・最終版2001年◆四六判◆236頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-622-04265-5

ドイツ各地で徹底収集した厖大な史料に、緻密な検証を加える。分析の先に見えてくる大指揮者の真の姿とは。暗い時代との関わりを鋭く抉る意欲作。

『ロシア・アヴァンギャルドと20世紀の美的革命』ヴィーリ・ミリマノフ/桑野隆訳(未來社)

初版2001・最終版2001年◆A5判◆182頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-624-71082-8

ナロード(民衆)による革命と美的革命の相克をめざした、20 世紀ロシア・アヴァンギャルドを、 世界の美術史のなかに位置づける基本書。

〔2012復刊書目〕 法律・経済・政治
『「表現の自由」を求めて アメリカにおける権利獲得の軌跡』奥平康弘(岩波書店)

初版1999・最終版2000年◆A5判◆380頁◆税込4095円(本体3900円)
ISBN4-00-001921-X

迫害と闘い、「自由」を求めて葛藤と苦闘を続けてきた人々の数百年の歴史を、注目すべき事件、裁判と共に描き出した渾身の作。

〔2012復刊書目〕 自然科学・医学
『出産と生殖観の歴史』新村拓(法政大学出版局)

初版1996・最終版1997年◆四六判◆334頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-588-31206-9

性愛・受胎・出産をめぐる古来の諸見解から、性と生殖の分離をもたらす現代の生殖技術の発展までを展望し、子を産むことの意味を考える。

『在宅死の時代 近代日本のターミナルケア』新村拓(法政大学出版局)

在宅死の時代 近代日本のターミナルケア

初版2001・最終版2007年◆四六判◆240頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-588-31208-3

高度経済成長末期以降急速に失われた看取りの文化を、地主や開業医の日記等を通して明らかにしつつよりよく生きるためにその復権を提唱する。

『将軍権力の創出』朝尾直弘(岩波書店)

初版1994・最終版1995年◆A5判◆384頁◆税込9450円(本体9000円)
ISBN978-4-00-730015-8

幕藩制国家権力の中核をなす「将軍権力」はいかに形成されたか。「幕藩制と天皇」「将軍政治の権力構造」「鎖国制の成立」など主要論文の一大集成。

『日本の経済システム』寺西重郎(岩波書店)

初版2003・最終版2004年◆四六判◆430頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-00-730016-5

日本が経験した2つの経済システム「明治大正経済システム」と「高度成長期経済システム」を比較・検討し、システム改革と日本経済の将来像を示す。

『人間的な合理性の哲学』伊藤邦武(勁草書房)

初版1997・最終版1997年◆四六判◆384頁◆税込5670円(本体5400円)
ISBN978-4-326-98065-9

現代の合理的意思決定理論の基礎にある哲学的洞察や論理的工夫とはどんなものだろうか。パスカル以来の歴史的展開と現在の論争点という二つの視点から整理する。

『コクトー名作集』澁澤龍彥ほか訳(白水社)

初版1979・最終版1983年◆四六判◆411頁◆税込7350円(本体7000円)
ISBN978-4-560-03306-7

「オイディプース王」「オルフェ」「声」「円卓の騎士」「エッフェル塔の花婿花嫁」「怖るべき親たち」「バッカス」収録。《芸術的軽業師》の詩的幻想。

『イプセン名作集』山室 静ほか訳(白水社)

初版1956・最終版1981年◆四六判◆510頁◆税込7875円(本体7500円)
ISBN978-4-560-03303-6

「野鴨」「人形の家」「建築師ソルネス」「幽霊」「小さいエヨルフ」「ヘッダ・ガブラー」収録。近代演劇運動の起点となったイプセンの真価を知る好個の一巻。

『十八世紀社会主義』アンドレ・リシュタンベルジェ/野沢協訳・解説(法政大学出版局)

初版1981・最終版1981年◆A5判◆774頁◆税込21000円(本体20000円)
ISBN978-4-588-92058-5

フランス大革命前の作品群から発掘蒐集し考察した〈十八世紀思想史〉の辞書的基本文献。社会主義の思想的源流と原初的パトスを浮彫りにする。

『沖縄の言語史』外間守善(法政大学出版局)

初版1971・最終版1982年◆四六判◆309頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-588-92060-8

日本祖語を基層に持ちつつ琉球方言はいかに変化してきたか。古代から現在に至るその変遷を辿りつつ、沖縄の社会的変動をもあとづける。

『国立公園成立史の研究 開発と自然保護の確執を中心に』村串仁三郎(法政大学出版局)

初版2005・最終版2005年◆A5判◆428頁◆税込8925円(本体8500円)
ISBN978-4-588-92062-2

国立公園の思想、設置構想をめぐる論争を経て、昭和6年、国立公園法が成立。主要国立公園の設立経緯や問題を環境経済学的視点から考察する。

『外から見た〈日本文化〉』星野勉 編(法政大学出版局)

初版2008・最終版2008年◆A5判◆190頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-588-92059-2

幕末・明治以来の「外からの眼差し」とアニメ・ゲーム等に見られる国家枠組みの越境現象を通して〈日本文化〉を相対化する「国際日本学」の試み。

『山之口貘』仲程昌徳(法政大学出版局)

初版1975・最終版1983年◆四六判◆328頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-588-92061-5

未発表の初期詩篇から遺著『鮪に鰯』にいたる作品の軌跡を生活の軌跡と照らし合わせつつ、〈物への愛〉にみちた貘の詩的表現等の源泉をさぐる。

『マックス・ウェーバー基礎研究序説』折原浩(未來社)

初版1988・最終版1988年◆A5判◆340頁◆税込5460円(本体5200円)
ISBN978-4-624-99031-2

マリアンネ・ウェーバーとウィンケルマンの遺稿編集における問題性を指摘し、ウェーバー比較宗教社会学体系の本来の姿を明らかにする。

『沖縄池間島民俗誌』野口武徳(未來社)

初版1972・最終版1984年◆A5判◆398頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-624-99030-5

本書は沖縄宮古島の西北端に位置する池間島の自然、社会、島民の生活を描きつくす貴重な民俗誌。収録写真80枚、口絵写真16頁。

『きじや』杉本寿(未來社)

初版1984・最終版1984年◆A5判◆250頁◆税込4725円(本体4500円)
ISBN978-4-624-99029-9

日本の脊稜山脈に居を定め移動を事とした轆轤師が数世紀にわたって構成した聚落は一万に及ぶという。山村の創造に光をあてた古典的基本文献。

『一つの日本文化論 柳田國男に関連して』有賀喜左衛門(未來社)

初版1981・最終版1981年◆四六判◆254頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-624-99032-9

わが国の実証社会学に不滅の業績を残し、同族理論を展開した著者が、民具論、仏教論、親族呼称などの、晩年に書き残したいくつかの文化論を集める。

書物復権2011

〔2011復刊書目〕 哲学・思想・言語・宗教
『ヘーゲル精神現象学の生成と構造(上)(下)』イポリット/市倉宏祐訳(岩波書店)

ヘーゲル精神現象学の生成と構造(上)

上巻:初版1972・最終版1995年◆A5判◆498頁◆税込4515円(本体4300円)
ISBN4-00-002024-2

ヘーゲル精神現象学の生成と構造(下)

下巻:初版1973・最終版1995年◆A5判◆500頁◆税込4515円(本体4300円)
ISBN4-00-002025-0

「精神現象学」は哲学史上最も難解な書物の一つとされている。ヘーゲル哲学の土台をなすこの著作をその体系の中にどう位置づけるべきか。

『言語・知覚・世界』大森荘蔵(岩波書店)

言語・知覚・世界

初版1971・最終版2002年◆A5判◆336頁◆税込4620円(本体4400円)
ISBN4-00-000489-1

哲学の中心的テーマである「存在と意識の関係」をめぐって探究し、科学の基礎にある二元論的世界像の構成の解明を企図した労作である。

『ベルグソン』淡野安太郎(勁草書房)

ベルグソン

初版1958・最終版1996年◆四六判◆272頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-326-19816-0

「エラン・ヴィタール」というベルグソン哲学の主要な観念の一つは、20世紀前半の主要思潮であった。科学・哲学・宗教に通底するものを探る。

『カント』岩崎武雄(勁草書房)

カント

初版1958・最終版2004年◆四六判◆312頁◆税込3465円(本体3300円)
ISBN978-4-326-19819-1

カント哲学はなぜ偉大な哲学であるのか。主著『純粋理性批判』を中心に、その思想を現代的意義においてとらえる。

『プラトン』山本光雄(勁草書房)

プラトン

初版1959・最終版1996年◆四六判◆312頁◆税込3465円(本体3300円)
ISBN978-4-326-19822-1

ソクラテスとの対話形式で、魂が高度の教育によって徳となり善のイデアを認識する理想政治を求めた哲人の生涯と思想を『饗宴』『国家』『法律』などの著作を通じて描く。

『アウグスティヌス』服部英次郎(勁草書房)

アウグスティヌス

初版1980・最終版1997年◆四六判◆232頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-326-19832-0

ローマ帝国の末期、世界史の大きな転換期に生きたキリスト教史上最大の思想家の生涯と学説を、アウグスティヌス研究の第一人者が平明に書き下す。

『ユートピアの精神』エルンスト・ブロッホ/好村冨士彦訳(白水社)

ユートピアの精神

初版1997・最終版1998年◆A5判◆430頁◆税込5880円(本体5600円)
ISBN978-4-560-08136-5

〈まだ意識されないもの〉の存在論と芸術論により、既成の殻を破砕して新しき生を切りひらく。若きベンヤミン、アドルノに多大な影響を与えた名著。

『アルトー 思考と身体』宇野邦一(白水社)

アルトー

初版1997・最終版1999年◆四六判◆350頁◆税込4725円(本体4500円)
ISBN978-4-560-08137-2

加速された身体をめぐる思考をアルトーの全生涯・全作品にたどり、20世紀思想の火山脈にふれる実験を解明する、著者渾身の力作評論。復刊にあたり増補!

『人間本性論 第1巻(新装版)』D.ヒューム/木曾好能訳(法政大学出版局)

人間本性論〈第1巻〉

初版1995・最終版1995年◆A5判◆666頁◆税込16800円(本体16000円)
ISBN978-4-588-12080-0

経験と観察に基づく〈人間の学〉を目指し、観念・記憶・想像・感覚・印象・信念・習慣・人格の同一性等々広範な精神領域を考察する。イギリス経験論哲学の最高峰。

『近代日本語の思想(新装版)』柳父 章(法政大学出版局)

近代 日本語の思想

初版2004・最終版2004年◆四六判◆252頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-588-43610-9

日本語の文体は近代以後、翻訳によってつくられた──大日本帝国憲法に象徴される翻訳悪文の系譜を分析して日本語文の欠陥を摘発し、日本の思想の問題点を抉る。

『過去と未来の間 政治思想への8試論』ハンナ・アーレント/引田隆也・齋藤純一訳(みすず書房)

過去と未来の間

初版1994・最終版2005年◆四六判◆448頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-622-03648-7

いかに思考するか? 20世紀の時代と哲学と政治を交差した亡命ユダヤ人女性の思索のエッセンス。

『知識人と権力 歴史的‐地政学的考察』アントニオ・グラムシ/上村忠男訳(みすず書房)

知識人と権力

初版1999・最終版2003年◆四六判◆224頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-622-05047-6

知識人とは、サバルタンとは、地政学的考察とは。「南部問題についての覚え書」他、蘇る5章。

『自由の経験』ジャン=リュック・ナンシー/澤田 直訳(未來社)

自由の経験

初版2000・最終版2000年◆四六判◆314頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-624-93243-5

自由は理念や権利ではありえない。自由は存在の特異性を分有する実存の事実だ。カント、ヘーゲル、ハイデガーらの思索をふまえ、実存を解放し伝承する自由の経験を思考する。

『ヘーゲルの弁証法』ハンス=ゲオルク・ガーダマー/山口誠一、高山 守訳(未來社)

ヘ-ゲルの弁証法

初版1990・最終版1995年◆四六判◆274頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-624-02029-3

解釈学的研究の方法的立場に立つガダマーがドイツ観念論の最高峰にいどんだヘーゲル研究の古典。ガダマー自身の思想的彷徨を同時に示す興味深い所産。

〔2011復刊書目〕 社会
『健康という幻想 医学の生物学的変化』ルネ・デュボス/田多井吉之介訳(紀伊國屋書店)

健康という幻想 医学の生物学的変化

初版1977・最終版1990年◆四六判◆222頁◆税込2415円(本体2300円)
ISBN978-4-314-00173-1

生命をもつものの宿命として、病気から完全に解放されると夢みるのは幻想だ──人類が病気と闘ってきた歴史をたどりつつ、真の健康とは何かを問う、一級の書。

『オルグ学入門』村田宏雄(勁草書房)

オルグ学入門

初版1982・最終版1986年◆四六判◆248頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-326-65363-8

非力なものを組織化によって強力なパワーを発揮させるためにはいかにすべきか。組織者オルグを養成するための実践的指導書。

『新版 河童駒引考』石田英一郎(東京大学出版会)

新版 河童駒引考

初版1966・最終版1966年◆A5判◆310頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-13-050091-3

「河童駒引」という、わが国民間伝承上の興味深いモチーフをとりあげ、ユーラシア大陸東西にわたる資料と比較して人類文化史にまで発展させた名著。

『ケアとサポートの社会学』三井さよ/鈴木智之/森川美絵ほか編(法政大学出版局)

ケアとサポートの社会学

初版2007・最終版2007年◆四六判◆320頁◆税込3465円(本体3300円)
ISBN978-4-588-67206-4

要介護高齢者、病者・障害者、生活保護受給者までを対象に、それを支える家族、職業的サービス提供者、ボランティアたちに共通する問題群を社会学的見地から探る。

『歴史は科学か』E・マイヤー、M・ウェーバー/森岡弘通訳(みすず書房)

歴史は科学か

初版1965・最終版1988年◆B6判◆272頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-622-00514-8

実証主義への埋没、発展史観への硬直を回避する、歴史学の科学としての認識をさぐった2論文。

〔2011復刊書目〕 歴史・民俗
『日本古代官僚制の研究』早川庄八(岩波書店)

日本古代官僚制の研究

初版1986・最終版1991年◆A5判◆486頁◆税込7455円(本体7100円)
ISBN4-00-001657-1

古代の公文書を駆使した緻密な実証的研究によって古代官僚制の実相に迫る。古代の国家と天皇を論じる際に不可欠の書。

『日本人の葬儀』新谷尚紀(紀伊國屋書店)

日本人の葬儀

初版1992・最終版1993年◆四六判◆372頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-314-00579-1

各地に古来より伝わる葬送儀礼・墓制の歴史的変遷と、その意味するところを詳述。そこから浮かび上がる、日本人の死生観、他界観、民俗的心性とは。

『日本近代史講義』鳥海 靖(東京大学出版会)

日本近代史講義

初版1988・最終版1995年◆A5判◆368頁◆税込3885円(本体3700円)
ISBN978-4-13-022008-8

幕末における立憲政治論から国会開設運動を経て、さまざまな憲法構想をとり込んでいった明治立憲制の成立過程とその構造的特質を解明する。

『ロベスピエールとドリヴィエ』遅塚忠躬(東京大学出版会)

ロベスピエールとドリヴィエ

初版1986・最終版1992年◆A5判◆400頁◆税込7140円(本体6800円)
ISBN978-4-13-021048-5

激動期に生きた2人の生涯の軌跡と、彼らの理論と理想を追究することを通して、民衆運動と革命的独裁がもたらしたフランス革命の意味を再検討する。

『エリーザベト・ニーチェ ニーチェをナチに売り渡した女』ベン・マッキンタイアー/藤川芳朗訳(白水社)

エリーザベト・ニーチェ ニーチェをナチに売り渡した女

初版1994・最終版1995年◆四六判◆338頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-560-08138-9

南米のジャングルに純粋アーリア人の国を建設し、兄ニーチェの著作を改竄してナチのバックボーンを打ち立てた女性の驚くべき生涯に迫る伝記。

『ドイツ民俗紀行(新装版)』坂井洲二(法政大学出版局)

ドイツ民俗紀行(新装版)

初版1982・最終版1991年◆四六判◆436頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-588-27635-4

西ドイツ山村での実地の調査・生活体験にもとづき、農村そして一般庶民の暮らしと文化をいきいきと伝える。

『郵便と切手の社会史』星名定雄(法政大学出版局)

郵便と切手の社会史

初版1990・最終版1990年◆四六判◆320頁◆税込3045円(本体2900円)
ISBN978-4-588-36404-4

イギリスの郵便前史を多彩なエピソードをまじえて概観し、郵便と切手の歩みを技術と人間のドラマとして描く。世界初の切手発行をめぐるコミュニケーション小史。

『歴史を逆なでに読む』カルロ・ギンズブルグ/上村忠男訳(みすず書房)

歴史を逆なでに読む

初版2003・最終版2003年◆四六判◆312頁◆税込3780円(本体3600円)
ISBN978-4-622-07064-1

歴史とフィクション、証拠、他者認識をめぐり、新たな歴史研究の可能性を
指し示す、最新論集。

『地中海世界』フェルナン・ブローデル編/神沢栄三訳(みすず書房)

地中海世界

初版2000・最終版2003年◆四六判◆388頁◆税込4410円(本体4200円)
ISBN978-4-622-03384-4

三つの文明が交差し展開する数千年を、現在と過去の自在な往還によって語る新史学テーマ別論集。

『菅江真澄の旅と日記』内田武志(未來社)

菅江真澄の旅と日記

初版1970・最終版1996年◆B6判◆292頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-624-11024-6

天明三年生地三河を発ち、秋田の地に没するまでの46年間に厖大な日記・随筆・記録・スケッチを残した謎の大旅行家・菅江真澄の足跡をさぐり、菅江真澄の全貌を明かした待望の書。

〔2011復刊書目〕 文学・芸術
『ビート・ジェネレーション』諏訪 優(紀伊國屋書店)

ビート・ジェネレーション

初版1965・最終版1994年◆四六判◆212頁◆税込1995円(本体1900円)
ISBN978-4-314-01081-8

1950年代半ばのアメリカに「詩をたずさえて登場した」ムーブメントを、同時代的に日本に紹介、ギンズバーグ『吠える』の訳でも知られた著者によるビート観。

『信貴山縁起絵巻(日本美術史叢書)』藤田経世(東京大学出版会)

信貴山縁起絵巻(日本美術史叢書)

初版1972・最終版1972年◆四六判◆280頁◆税込3570円(本体3400円)
ISBN978-4-13-084013-2

武士の登場とともに芸術はどのように展開したか。「信貴山縁起絵巻」全巻を図版として掲載し、この絵巻の持つ中世的意義を説き明かす。

『ストリンドベリ名作集』毛利三彌ほか訳(白水社)

ストリンドベリ名作集

初版1975・最終版1985年◆四六判◆398頁◆税込4725円(本体4500円)
ISBN978-4-560-08140-2

「父」「令嬢ジュリー」「ダマスカスへ第I部」「罪また罪」「死の舞踏第I・II部」「幽霊ソナタ」収録。絶えず変貌する魂の遍歴を刻みつけた6編。

『魔笛 秘教オペラ』ジャック・シャイエ/高橋英郎、藤井康生訳(白水社)

魔笛 秘教オペラ

初版1976・最終版1997年◆四六判◆382頁◆税込6510円(本体6200円)
ISBN978-4-560-08139-6

美しい音楽と荒唐無稽な筋立てが同居する傑作オペラの、音楽と台本全体にわたるフリーメイスン秘密結社の伝承を浮彫にしながら、その真の全貌を提示する。

『翻訳とはなにか(新装版)』柳父 章(法政大学出版局)

翻訳とはなにか(新装版)

初版2003・最終版2003年◆四六判◆226頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-588-43609-3

福沢諭吉ら近代初期の思想家による西欧語受容過程を検討し、「意味以前のことば」として流通する翻訳語の特異性を理論化しつつ日本人にとって翻訳とは何かを問う。

『グラン=ギニョル』リヴィエール&ヴィトコップ/梁木靖弘訳(未來社)

グラン=ギニョル

初版1989・最終版1989年◆四六判◆225頁◆税込2625円(本体2500円)
ISBN978-4-624-70065-2

19世紀パリっ子で賑わう一角に出現した恐怖劇のメッカ、グラン=ギニョル座は、世紀末の頽廃や大衆文化の源流と20世紀初頭の前衛劇の清新な形式が先取られていた。

〔2011復刊書目〕 法律・経済・政治
『古典派経済学と近代経済学』根岸 隆(岩波書店)

古典派経済学と近代経済学

初版1981・最終版1981年◆A5判◆200頁◆税込4095円(本体3900円)
ISBN4-00-000775-0

近代経済学の理論的な枠組みを誕生にさかのぼって再検討、新古典派理論の自己批判を通してケインズ経済学の発展をめざした意欲的な経済学説史。

『近代政治哲学と宗教』加藤 節(東京大学出版会)

近代政治哲学と宗教

初版1979・最終版1979年◆A5判◆414頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-13-036030-2

17世紀社会契約説の3人の代表者ホッブス、スピノザ、ロックの宗教論を、それぞれの政治哲学との内的関連のもとに解明した著者の第一作。

『ドラッカー』三戸 公(未來社)

ドラッカー

初版1971・最終版1993年◆四六判◆264頁◆税込2940円(本体2800円)
ISBN978-4-624-32047-8

ドラッカーを徹底的に読み込み、組織と人間の問題を飽くなく追及した著者の現代批判と人間探求を規範・現状分析・政策のなかで展開した野心作。

〔2011復刊書目〕 自然科学・医学
『誤差論』カール・F.ガウス/飛田武幸、石川耕春訳(紀伊國屋書店)

誤差論

初版1981・最終版1981年◆A5判◆192頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-314-01082-5

確率論、天文学、測地学などの分野で先導的役割を果たしてきた、ガウス誤差論を初集成。ガウスは自然現象からいかに豊かな数学的法則を導きえたのか。

『メイトリックス博士の驚異の数秘術』マーティン・ガードナー/一松 信訳(紀伊國屋書店)

メイトリックス博士の驚異の数秘術

初版1978・最終版1979年◆四六判◆184頁◆税込2310円(本体2200円)
ISBN978-4-314-01079-5

本書の主人公は数秘術の世界的権威、円周率の百万桁目をコンピュータ以前に予測した謎の人物である。不可思議な数の世界の魅力に満ちた一冊。

『SFパズル』マーティン・ガードナー/上島建吉訳(紀伊國屋書店)

SFパズル

初版1982・最終版1982年◆A5判◆208頁◆税込2310円(本体2200円)
ISBN978-4-314-01080-1

「惑星カプラの怪」「タイタンの大胆な紋様」……SF仕立ての設問による、数学パズル集。語句遊び、論理学から幾何学、トポロジー、対数まで、全36問。

『増補版 科学入門』武谷三男(勁草書房)

増補版 科学入門

初版1996・最終版1996年◆四六判◆272頁◆税込3150円(本体3000円)
ISBN978-4-326-75031-3

科学者が自然についてのある現象を、どんな動機から、どのような思索の経路によって展開し、結論を導びくか。ケプラー、パストゥール、アインシュタインを例に明快に説く。

『道教思想史研究』福永光司(岩波書店)

道教思想史研究

初版1987・最終版2002年◆A5判◆512頁◆税込9660円(本体9200円)
ISBN978-4-00-730001-1

日本の宗教思想文化との比較研究を行うため、道教を四重構造をもつ複合の宗教として、中国宗教思想史の全体的な展開の中に組み込みながら究明する。

『近衛新体制と大政翼賛会』赤木須留喜(岩波書店)

近衛新体制と大政翼賛会

初版1984・最終版1991年◆A5判◆608頁◆税込9975円(本体9500円)
ISBN978-4-00-730002-8

翼賛会の「国民再組織」の動態を、厖大な未公開資料から分析。天皇制下の官僚制の到達点が、同時に機能不全による組織的解体となった逆説を解明。

『経済学と歴史認識』平田清明(岩波書店)

経済学と歴史認識

初版1971・最終版1985年◆A5判◆598頁◆税込9765円(本体9300円)
ISBN978-4-00-730003-5

マルクスが19世紀産業資本主義をどのように把握し、世界史像を形成していたか。「経済学批判要綱」「資本論」などの研究を通じて考察する。

『仏教における存在と知識』梶山雄一(紀伊國屋書店)

仏教における存在と知識

初版1983・最終版1983年◆A5判◆240頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-314-70137-2

「インド仏教哲学史概要」ほか3編の論文を収録。インド仏教の認識論・論理学を仔細に分析・解説した、この分野の基本的文献ともいえる一冊。

『ゴースト・ダンス アメリカ・インディアンの宗教運動と叛乱』ジェイムズ・ムーニー/荒井芳廣訳(紀伊國屋書店)

ゴースト・ダンス アメリカ・インディアンの宗教運動と叛乱

初版1989・最終版1989年◆四六判◆304頁◆税込6405円(本体6100円)
ISBN978-4-314-70138-9

19世紀末、白人の支配下におかれたインディアン諸部族のあいだで生まれた宗教運動の実地調査報告。アメリカがいかに成立したかを知る貴重な証言。

『ベイコン』花田圭介(勁草書房)

ベイコン

初版1982・最終版1982年◆四六判◆260頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-326-98062-8

デカルトと共に近代哲学の祖と呼ばれ、多才で華やかにみえるベイコンではあるが、実生活は不遇であった。ベイコンの伝記を丹念に辿り、ベイコンの実像に迫る。

『フォイエルバッハ』城塚 登(勁草書房)

フォイエルバッハ

初版1958・最終版1982年◆四六判◆274頁◆税込3675円(本体3500円)
ISBN978-4-326-98063-5

「人間の自己疎外」現象を初めて指摘し、現実的人間学を築いてマルクス思想の源泉となった、その生涯と思想の包括的究明。

『シェリング』藤田健治(勁草書房)

シェリング

初版1962・最終版1985年◆四六判◆360頁◆税込4410円(本体4200円)
ISBN978-4-326-98064-2

ドイツ観念論の巨峰にはさまれ不当な評価の運命にあったが、実存哲学の登場とともに新しい照明があてられた後期シェリングに重点をおき論述。

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』下村寅太郎(勁草書房)

レオナルド・ダ・ヴィンチ

初版1961・最終版1985年◆四六判◆304頁◆税込3990円(本体3800円)
ISBN978-4-326-98060-4

ルネッサンスを代表する芸術家、科学者レオナルドはまた偉大な哲学者であった。未完成と称され世界終末へのヴィジョンをもったダ・ヴィンチの内面的交錯を解明。

『マーシャル』馬場啓之助(勁草書房)

マーシャル

初版1961・最終版1993年◆四六判◆360頁◆税込3990円(本体3800円)
ISBN978-4-326-98061-1

近代経済学の始祖といわれるマーシャル経済学の中心課題を述べ、さらに経済学者マーシャルの人となりとその時代的背景を説得的な筆致をもって描く。

『室町幕府守護制度の研究(上)(下)』佐藤進一(東京大学出版会)

室町幕府守護制度の研究(上)

上巻:初版1967・最終版1999年◆A5判◆292頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-13-009022-3

室町幕府守護制度の研究(下)

下巻:初版1988・最終版1988年◆A5判◆368頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-13-009023-0

南北朝期における室町幕府の守護の沿革を厖大な史料検討をふまえて国別に考証。一国守護の異動を中央・他国との関連において綿密に検討する。

『増訂 鎌倉幕府守護制度の研究』佐藤進一(東京大学出版会)

増訂 鎌倉幕府守護制度の研究

初版1971・最終版1998年◆A5判◆322頁◆税込5880円(本体5600円)
ISBN978-4-13-009021-6

厖大な史料をふまえ諸国守護の沿革を解明。鎌倉幕府の制度史や政治史の研究、広く中世封建社会を解明しようとする人びとに不可欠の書。

『近代中国の国際的契機』浜下武志(東京大学出版会)

近代中国の国際的契機

初版1990・最終版1998年◆A5判◆336頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-13-009024-7

ヨーロッパの参入と改編、中国の対アジア関係の変化を軸に、現代における歴史意識を問う力作。アジア・太平洋賞受賞。

『自殺学』稲村 博(東京大学出版会)

自殺学

初版1977・最終版1988年◆A5判◆406頁◆税込6090円(本体5800円)
ISBN978-4-13-009025-4

精神医学の立場から、治療と予防のための正しい自殺学の確立をめざした力作。世界古今の資料・文献などの集大成。

『脚気の歴史』山下政三(東京大学出版会)

脚気の歴史

初版1983・最終版1983年◆A5判◆406頁◆税込7560円(本体7200円)
ISBN978-4-13-009026-1

ビタミン発見の端緒となった脚気の歴史を、臨床医学の目で追った決定版。さらに、日本の食物の歴史を、ビタミン学の立場から検討したユニークな著作。

『古代都市』フュステル・ド・クーランジュ/田辺貞之助訳(白水社)

古代都市

初版1959・最終版1997年◆A5判◆574頁◆税込9975円(本体9500円)
ISBN978-4-560-02886-5

希代の名文で古代ギリシア・ローマの社会形態を克明に叙述し、『母権制』『種の起源』と並び称される不朽の名著。

『言語と精神』W.フンボルト/亀山健吉訳(法政大学出版局)

言語と精神

初版1984・最終版1993年◆A5判◆706頁◆税込21000円(本体20000円)
ISBN978-4-588-92047-9

第21回日本翻訳出版文化賞受賞 「西洋における言語研究の最高峰であり、すべての言語論や言語哲学を陰に陽に規定している古典的労作」とハイデガーをして絶賛させた大著。本邦初訳。

『歴史哲学』ヴォルテール/安斎和雄訳(法政大学出版局)

歴史哲学

初版1989・最終版1990年◆A5判◆466頁◆税込12600円(本体12000円)
ISBN978-4-588-92048-6

第26回日本翻訳出版文化賞受賞 ピエール・ベールの精神を承け、カトリックの道徳的・歴史的・学問的立場を論駁、18世紀フランス思想に絶大なる影響を与えた大著。

『日本海島文化の研究』北見俊夫(法政大学出版局)

日本海島文化の研究

初版1989・最終版1989年◆A5判◆546頁◆税込15750円(本体15000円)
ISBN978-4-588-92049-3

民俗学と周辺諸科学の知見を総合し、海と島をめぐる〈常民〉の自然観と民俗資料を駆使して、海島民のコスモロジーを探り、日本文化の風土的特性を浮彫りにする。

『日本木工技術史の研究』成田寿一郎(法政大学出版局)

日本木工技術史の研究

初版1990・最終版1990年◆A5判◆540頁◆税込15750円(本体15000円)
ISBN978-4-588-92050-9

縄文時代から明治期までのわが国の木製品と木工具を対象として、製作技法の観点から観察・測定・復元実験を行いつつそれらの技術的系統を実証的に解明する。

『日本蜑人伝統の研究』田辺 悟(法政大学出版局)

日本蜑人伝統の研究

初版1990・最終版1900年◆A5判◆756頁◆税込21000円(本体20000円)
ISBN978-4-588-92051-6

第29回柳田賞受賞 沖繩から下北半島にいたる漁村の実地調査をもとに、蜑人(海士・海女)の漁撈・社会組織・風習・信仰などを詳細に記録し、裸潜水漁の伝統を総合的にあとづける。

『祭礼文化史の研究』福原敏男(法政大学出版局)

祭礼文化史の研究

初版1995・最終版1995年◆A5判◆762頁◆税込21000円(本体20000円)
ISBN978-4-588-92052-3

祭礼史・祭礼民俗に関する個別研究の成果を多角的・実証的に展開し、日本の祭りを祭礼文化史という総合的視野に位置づける。

『水の法と社会』森 實(法政大学出版局)

水の法と社会

初版1990・最終版1992年◆A5判◆434頁◆税込10500円(本体10000円)
ISBN978-4-588-92056-1

平成2年度日本農業法学会賞受賞 水利政策の展開に伴う法秩序の形成過程を跡づけ、環境問題を背景に「治水・利水」から、「保水・親水」への転換の経緯を展望。

『変身の思想』今尾哲也(法政大学出版局)

変身の思想

初版1970・最終版1982年◆四六判◆330頁◆税込6300円(本体6000円)
ISBN978-4-588-92053-0

近代市民劇における第四の壁=トータリティの崩壊に抗し、演技の自律性・思想性の回復を志向。前近代演劇への反省をもこめて歌舞伎における〈変身の思想〉を追求。

『幕末・維新期の文学』前田 愛(法政大学出版局)

幕末・維新期の文学

初版1972・最終版1977年◆四六判◆382頁◆税込6825円(本体6500円)
ISBN978-4-588-92054-7

小説史を主軸とする過去の文学史観を批判する立場から、山陽、中斎、松陰らを俎上に載せ、政治と文学、有用と無用の苛烈なドラマに文学的表現の未発の契機を探る。

『江戸歌舞伎論』服部幸雄(法政大学出版局)

江戸歌舞伎論

初版1980・最終版1980年◆四六判◆440頁◆税込7350円(本体7000円)
ISBN978-4-588-92055-4

江戸歌舞伎の成立背景を、舞踊、浮世絵、文学、俳諧、信仰、社会生活にわたる江戸文化への多角的考察を通して浮彫にし、都市生活の推移に歌舞伎創造の秘密を探る。

『近代文化史 1~3』エーゴン・フリーデル/宮下啓三訳(みすず書房)

近代文化史 1

1:初版1987・最終版1993年◆A5判◆336頁◆税込8925円(本体8500円)
ISBN978-4-622-06227-1

近代文化史 2

2:初版1987・最終版1993年◆A5判◆432頁◆税込9450円(本体9000円)
ISBN978-4-622-06228-8

近代文化史 3

3:初版1988・最終版1989年◆A5判◆488頁◆税込9975円(本体9500円)
ISBN978-4-622-06229-5

中世の食卓から天国の有様まで、逸話とスキャンダル満載で語る。自在な精神による文化史の傑作。

『大戦間期の日本陸軍』黒沢文貴(みすず書房)

大戦間期の日本陸軍

初版2000・最終版2000年◆四六判◆456頁◆税込9975円(本体9500円)
ISBN978-4-622-06234-9

大正デモクラシー思潮の高揚に、陸軍が示した意外に柔軟な姿勢を明らかにする政治外交史研究。

『昭和憲兵史』大谷敬二郎(みすず書房)

昭和憲兵史

初版1966・最終版1987年◆A5判◆816頁◆税込13650円(本体13000円)
ISBN978-4-622-06233-2

軍や国民一般に対する警察権を持つ憲兵の歴史を、憲兵隊の中枢にいた著者が叙述。資料を付す。

『サミュエル・ジョンソン伝 1~3』J・ボズウェル/中野好之訳(みすず書房)

サミュエル・ジョンソン伝 1

1:初版1981・最終版2001年◆A5判◆610頁◆税込12600円(本体12000円)
ISBN978-4-622-06230-1

サミュエル・ジョンソン伝 2

2:初版1982・最終版1993年◆A5判◆586頁◆税込10500円(本体10000円)
ISBN978-4-622-06231-8

サミュエル・ジョンソン伝 3

3:初版1983・最終版1991年◆A5判◆544頁◆税込10500円(本体10000円)
ISBN978-4-622-06232-5

最初の英語辞典を編纂した18世紀英国の文人の生活と意見。鋭い人間観察と機知ある会話の記録。

『危機における人間と学問』折原 浩(未來社)

危機における人間と学問

初版1969・最終版1985年◆四六判◆452頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-624-01021-8

マージナル・マン概念の彫琢と、その視点からのウェーバー読解。時代の境界領域で追究される学問の意義、知識人の役割とは。

『官僚制』三戸 公(未來社)

官僚制

初版1973・最終版1985年◆四六判◆340頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-624-40003-3

経営学専攻の著者が、現代の抑圧の具・無責任の体系としての官僚制にとりくみ、マルクス、ウェーバー、サイモンらの官僚制思想を検討した野心作。

『日本文化の古層』スラヴィク/住谷一彦、 ヨーゼフ・クライナー訳(未來社)

日本文化の古層

初版1984・最終版1984年◆四六判◆256頁◆税込3990円(本体3800円)
ISBN978-4-624-20045-9

「日本とゲルマンの祭祀秘密結社」「まれびと考」「日本語の成立における蝦夷語の役割」など6つの章と、著者スラヴィク教授の日本研究自伝を含む、新しい日本文化のルーツ論。

『上総掘りの民俗』大島暁雄(未來社)

上総掘りの民俗

初版1986・最終版1986年◆四六判◆320頁◆税込3570円(本体3400円)
ISBN978-4-624-99004-6

千葉県上総地方に伝わり現在も世界的な注目を集めている井戸掘り技術を民俗技術論という新しい視点から解明。またその技術伝播を辿るユニークな民俗報告書。

『樹木風土記』姫田忠義(未來社)

樹木風土記

初版1980・最終版1983年◆四六判◆350頁◆税込5040円(本体4800円)
ISBN978-4-624-22003-7

乱開発で無残に後退してゆく山林をうれえる著者が全国の山をめぐり、林業にたずさわる人々の声と生きがいのありさまを報告。宮本常一氏ほかのインタヴュー付き。

『[新装版]野口雨情』野口存彌(未來社)

[新装版]野口雨情

初版1996・最終版1996年◆四六判◆296頁◆税込3990円(本体3800円)
ISBN978-4-624-60094-5

野口雨情とその同時代人との交渉・影響関係を中心に、明治から昭和初期の日本近代文学史の書かれざる一面を、緻密に分析し精確に検証する、格好の雨情入門書。

『コメディア・デラルテ』ミック/梁木靖弘訳(未來社)

コメディア・デラルテ

初版1987・最終版1987年◆四六判◆302頁◆税込3990円(本体3800円)
ISBN978-4-624-70060-7

イタリアに淵源するコメディア・デラルテは道化の身ぶりと仮面使用を特徴とした即興劇である。本書は豊かな民衆演劇の本格的な最初の論集であり、最重要基本文献の一つである。

書物復権2010

No 書名 著者名 初版・版型・頁 価格 出版社
内 容
哲学・思想・言語・宗教
1 古代文字の解読 高津春繁、関根正雄 初版1964・最終版1988年
◆B6判◆330頁 税込3,360円
(本体3,200円) 岩波書店
19世紀以来の、エジプト聖刻文字やスメル楔形文字などを、いかに発見・解読したか、その道を平易かつ正確に物語る興味深い読みもの。
3 近代日本の宗教言説とその系譜 宗教・国家・神道 磯前順一 初版2003・最終版2003年◆A5判◆342頁 税込6,930円
(本体6,600円) 岩波書店
「宗教」概念が導入された幕末、「政教分離」の成立した明治20年代、そして「宗教学」が構築された明治30年代に焦点をあて、言説空間をたどる。
4 人生と愛 エーリッヒ・フロム/佐野哲郎、佐野五郎訳 初版1986・最終版1998年
◆四六判◆264頁 税込2,310円
(本体2,200円) 紀伊國屋書店
1971年から79年までのラジオ放送での講演と対談を収録。フロム思想を自らが生き生きと、そして系統だてて平易に語った、現代の世にも広く読まれたい好著。
5 反抗と自由 エーリッヒ・フロム/佐野哲郎訳 初版1983・最終版1987年
◆四六判◆192頁 税込2,100円
(本体2,000円) 紀伊國屋書店
1980年の死の直前まで、フロム自らの手によって集められた論文集。真に人間的な社会の創造を生涯追求したフロムによる最後のメッセージ。
6 希望の革命 改訂版 エーリッヒ・フロム/作田啓一、佐野哲郎訳 初版1970・最終版1993年
◆四六判◆240頁 税込2,310円
(本体2,200円) 紀伊國屋書店
機械化され、大量生産と消費に覆いつくされた現代社会では、人間の感情は枯渇していく。社会の病理を分析した、人間が主体性を取り戻すための行動提起の書。
7 おだやかな死 シモーヌ・ド・ボーヴォワール/杉捷夫訳 初版1995・最終版1995年
◆B6判◆176頁 税込1,630円
(本体1,553円) 紀伊國屋書店
突然倒れた母親の病名は癌だった──自身の母親の入院からその死に至る、4週間の出来事を書き綴った身辺記。看取りの苦悩と、娘としての愛情が美しい結晶となった一冊。
9 カント「純粋理性批判」の研究 新装版 岩崎武雄 初版1965・最終版1971年
◆A5判◆532頁 税込7,140円
(本体6,800円) 勁草書房
カントの自然科学的認識の方法をとり入れ、人間の立場における形而上学を樹立しようとしたその意図を、原典から自らのものとして追究を試みる。
12 初期中世の哲学 J・マレンボン/中村治訳 初版1992・最終版1992年
◆A5判◆260頁 税込4,200円
(本体4,000円) 勁草書房
西欧文明の起源をたずね、プラトン、アリストテレスの受容を契機とする中世初期。ボエティウス、スコトゥス、アベラルドゥスの論理学/自然学/文法学/神学を探る。
13 後期中世の哲学 J・マレンボン/加藤雅人訳 初版1989・最終版1989年
◆A5判◆256頁 税込4,200円
(本体4,000円) 勁草書房
中世大学の制度、学問の方法、テキストの分析から入り、トマス、スコトゥス、オッカムの知識認識に迫る。
20 ジャン=ジャック・ルソー論 吉岡知哉 初版1988・最終版1995年
◆A5判◆276頁 税込5,880円
(本体5,600円) 東京大学出版会
ルソーの社会批判、教育論、宗教論などを、絶えず自己を更新していく「思想運動」として捉える。渋沢・クローデル賞受賞。
22 パスカルとその時代 中村雄二郎 初版1965・最終版1995年
◆A5判◆420頁 税込6,825円
(本体6,500円) 東京大学出版会
パスカルに対する共感と反発、この矛盾はどこから来るのか。パスカルとその時代が露呈している矛盾そのものに迫る。
26 アルザスの言語戦争 ウージェーヌ・フィリップス/宇京賴三訳 初版1994・最終版1999年
◆四六判◆338頁 税込4,410円
(本体4,200円) 白水社
文明の十字路アルザスにおけるドイツ語とフランス語の戦い、アルザス人の苦闘の歴史を語る。言葉と国家、少数民族の普遍的問題に関する基礎文献。
27 新版 柳田国男の思想 中村哲 初版1974・最終版1985年
◆四六判◆326頁 税込2,940円
(本体2,800円) 法政大学出版局
柳田学の根底に、科学的・実証的な精神、開明官僚の感覚、保守主義的な心情を見出し、その思想の特異な体質と論理構造を考察する。新稿「沖縄と海上の道」他を増補。
29 意味と世界 野本和幸 初版1997・最終版1999年
◆A5判◆412頁 税込7,140円
(本体6,800円) 法政大学出版局
フレーゲやラッセル以降の理論的展開を検討しつつ、〈ことば〉が〈意味〉をもつとはどういうことかなどの基礎的問題から、〈私〉の同一性の意味論までを論考する。
32 アウグスティヌスとトマス・アクィナス E・ジルソン、Ph・ベーナー/服部英次郎、藤本雄三訳 初版1981・最終版1998年
◆四六判◆328頁 税込3,360円
(本体3,200円) みすず書房
アウグスティヌスと、トマス・アクィナス―ヨーロッパ精神史にそびえるこの二人の思想家が目ざしたものは何であったのか。
36 崇高と美の観念の起原 E・バーク/中野好之訳 初版1999・最終版2004年
◆四六判◆226頁 税込2,940円
(本体2,800円) みすず書房
人間は何を原因として崇高と美を感じるのだろうか。現代へとつながる新しい美学のカテゴリーの提示。
39 〔新訂版〕ミロク信仰の研究 宮田登 初版1975・最終版1993年
◆A5判◆418頁 税込6,090円
(本体5,800円) 未來社
旧版(1970年刊、日本宗教学会賞受賞)で日本民衆の救済観を描いた本書は、その後の研究調査の成果を吸収し、琉球韓国のメシア思想とも比較した優れた成果。
42 懐疑主義と哲学との関係 G・W・F・ヘーゲル/加藤尚武、門倉正美、栗原隆、奥谷浩一訳 初版1991・最終版1991年
◆四六判◆240頁◆ 税込2,940円
(本体2,800円) 未來社
「懐疑主義論文」として有名な標題論文をはじめ、ポレミカルな批評的論文三篇を訳出・収録。完璧な訳注を付し、難解なヘーゲル哲学論文を蘇生させる。
43 哲学・芸術・言語 ハンス-ゲオルク・ガダマー/斎藤博、近藤重明、玉井治訳 初版1977・最終版2001年
◆A5判◆484頁◆ 税込7,875円
(本体7,500円) 未來社
ドイツ哲学の巨峰をなす著者は、本書で過去を媒介し、現代と連続させ文化の翻訳を可能にする世界経験の拡大という哲学的解釈学の立場を遺憾なく示す。
社会
47 イギリス社会政策史 大沢真理 初版1986・最終版1998年
◆A5判◆312頁 税込7,140円
(本体6,800円) 東京大学出版会
従来、過酷なシステムと見られてきた19世紀イギリスの救貧法について、当時の判例、議会報告、行政資料を駆使してその相貌を写しだす。
56 わたしの非暴力1 M・ガンディー/森本達雄訳 初版1997・最終版2003年
◆四六判◆256頁 税込2,940円
(本体2,800円) みすず書房
ヒンドゥーやイスラームほか多くの宗教を束ね、イギリスから独立を志向した真摯な発言集成。
57 わたしの非暴力2 M・ガンディー/森本達雄訳 初版1997・最終版2003年
◆四六判◆344頁 税込3,360円
(本体3,200円) みすず書房
死の前日までのガンディーの言葉は、全世界に及び、人々を勇気づける。
歴史・民俗
61 東洋史と西洋史とのあいだ 飯塚浩二 初版1963・最終版1991年
◆B6判◆316頁 税込3,675円
(本体3,500円) 岩波書店
西欧中心の見方に立つ従来の西洋史の根本的書換えを主張し、社会経済史と人文地理の立場から試みた新しい世界史の素描。
64 ウエディングドレスはなぜ白いのか 坂井妙子 初版1997・最終版1997年
◆四六判◆250頁 税込2,940円
(本体2,800円) 勁草書房
純白のウエディングドレスやハネムーン等、現代の結婚式にともなう習慣の原型はヴィクトリア朝イギリスで確立した。その過程を当時の雑誌、絵画等から記述。
68 織豊系城郭の形成 千田嘉博 初版2000・最終版2001年
◆A5判◆328頁 税込7,140円
(本体6,800円) 東京大学出版会
中世から近世にかけた城郭構造の変化、さらに同時代における地域的な城郭のあり方の差異を把握し、社会構造や権力構造の特質を明らかにする。
71 航海の世界史 ヘルマン・シュライバー/杉浦健之訳 初版1977・最終版1978年
◆A5変◆396頁 税込6,300円
(本体6,000円) 白水社
エジプト人、フェニキア人の舟から原子力船に至る航海の歴史を、船の構造の変化や、民族・大陸間の関係をおりまぜ、詳細な資料を背景に概観する。
72 童子考 郡司正勝 初版1984・最終版1985年
◆四六判◆189頁 税込3,780円
(本体3,600円) 白水社
雛人形、侏儒、一寸法師といった「小さきもの」への憧憬とおそれを神話、伝説、風習のなかから探り、日本文化の特質を語る、絢爛たる郡司民俗学。
76 フン族 謎の古代帝国の興亡史 E・A・トンプソン/木村伸義訳 初版1999・最終版1999年
◆A5判◆352頁 税込5,460円
(本体5,200円) 法政大学出版局
フン族の歴史を東西ローマ帝国や周辺諸民族との争闘やアッティラ王の治世を中心に復元し、『ローマ帝国衰亡史』と表裏をなす古代ヨーロッパ史の闇に光を当てる。
77 情報と通信の文化史 星名定雄 初版2006・最終版2006年
◆A5判◆550頁 税込6,615円
(本体6,300円) 法政大学出版局
狼煙にはじまり、古代ペルシアの駅制、江戸時代の飛脚、イギリスの郵便馬車、フランスの電信・電話、そして現代インターネット社会までの情報通信の足跡をえがく。
78 アルコール中毒の歴史 J・-C・スールニア/本多文彦監訳/星野徹、江島隆訳 初版1996・最終版1996年◆四六判◆444頁 税込4,410円
(本体4,200円) 法政大学出版局
先史時代から現代まで、さまざまな国と地域、あらゆる階層にわたって、快適な毒物=アルコールへの耽溺の歴史を語り、それに対する人間と社会の認識の変遷を追う。
85 エスキモー社会 マルセル・モース/宮本卓也訳 初版1981・最終版1989年
◆四六判◆218頁 税込2,520円
(本体2,400円) 未來社
エスキモーに関する記録・諸論文を整理・参照しつつエスキモーの社会形態に関する理論的デッサンを提出した名著。解説=安永壽延
文学・芸術
95 ロラン・バルト 世界の解読 篠田浩一郎 初版1989・最終版1991年
◆A5判◆496頁 税込6,510円
(本体6,200円) 岩波書店
批評家、記号学者、テクスト理論家、作家と、四回の転生をみせた20世紀フランスの巨星。その軌跡を追って全体像をとらえた、バルト研究の決定版。
103 パリの女 アンドレ・モーロア/ニコ・ジェス写真/朝吹登水子訳 初版1959・最終版1959年
◆A5判◆160頁 税込2,940円
(本体2,800円) 紀伊國屋書店
女学生、市場のご婦人、お針子さん、バレリーナ、女優・・・。1950年代に生きたパリの女たちの躍動をそのままに切りとった、フォトエッセイ。写真多数。
105 美学入門 ジャン・パウル/古見日嘉訳 初版1965・最終版1985年
◆A5判◆674頁 税込8,400円
(本体8,000円) 白水社
ボードレール、ドストエフスキーに継承され、フォークナーらによって再発見されたドイツ文壇の巨匠ジャン・パウルによる卓抜な文学論。
108 音楽における偉大さ アルフレート・アインシュタイン/浅井真男訳 初版1966・最終版1978年◆四六判◆306頁 税込4,725円
(本体4,500円) 白水社
モーツァルトなどの評伝で卓越した洞察力を示した著者が、バッハからシェーンベルクに至る近代音楽の流れを考察し、現代音楽の行方にも言及する。
119 映画女優 若尾文子 四方田犬彦、斉藤綾子編著 初版2003・最終版2003年
◆四六判◆352頁 税込3,990円
(本体3,800円) みすず書房
再上映などであらためて脚光を浴びているこの神話的大女優を、二人の映画研究家が真っ向から論じる画期的な女優論。
122 バルトーク晩年の悲劇 A・ファセット/野水瑞穂訳 初版1978・最終版2000年
◆四六判◆386頁 税込3,465円
(本体3,300円) みすず書房
アメリカ亡命から死までの五年間を記す。経済的困窮や病気の中で営まれた、作曲家の創作過程。
123 [新装版]牧歌・農耕詩 ウェルギリウス/河津千代訳 初版1981・最終版1994年◆四六判◆416頁 税込3,990円
(本体3,800円) 未來社
古代ローマにおける国民詩人として名高いウェルギリウスの初期詩篇『牧歌』と中期詩篇『農耕詩』の優美華麗な詩精神をあますことなく訳出した名訳。
法律・経済・政治
127 モダン・エコノミックス(13) 所得と富 石川経夫 初版1991・最終版1993年
◆A5判◆482頁 税込4,515円
(本体4,300円) 岩波書店
豊かさの感覚を規定する要因は何か――、新古典派と制度派、近代経済学とマルクス経済学を共通の分析枠組で位置づけた、実証分析に裏づけられた書。
130 イスラムの法 A・W・ハツラーフ/中村廣治郎訳 初版1984・最終版1984年
◆A5判◆344頁◆ 税込5,670円
(本体5,400円) 東京大学出版会
コーランの教えを第一法源とするイスラム法理論に関する最も基本的な著書のアラビア語からの翻訳。
自然科学・医学
137 弁証法の諸問題 新装版 武谷三男 初版1968・最終版1994年
◆四六判◆480頁◆ 税込4,725円
(本体4,500円) 勁草書房
世界的物理学者である著者が、戦前のファシズムの嵐ふく暗黒の時代に、精神の自由と学問の自由を守るために記した論文を収録。

書物復権2009

哲学・思想・言語・宗教
▼ ご注文書籍を〔チェック〕し、冊数をご記入後、下段へお進み下さい。 リセット
方忌みと方違え
平安時代の方角禁忌に関する研究 ベルナール・フランク
斎藤広信訳 ISBN 4-00-000325-9
初版1989年/A5判/282頁 税込 7,770円
(本体 7,400円) 岩波書店

陰陽道に秘められた「方忌み」と「方違え」。王朝文学にもしばしば現れるこの習俗は、本書によって、そのシステムの全容がはじめて明らかにされた。
社会思想史概論 高島善哉、
水田 洋、
平田清明 ISBN 4-00-000920-6
初版1962年/A5判/456頁 税込 5,250円
(本体 5,000円) 岩波書店

ルネサンスから現代まで500年間、社会とその社会が生み出した社会思想を跡づけ、人間の社会的解放という普遍的課題に迫る。
文化を書く ジェイムズ・クリフォード、
ジョージ・マーカス編
春日直樹、足羽与志子
ほか訳 ISBN 978-4-314-00586-9
初版1996年/四六判/566頁 税込 6,090円
(本体 5,800円) 紀伊國屋書店

フィールドの体験を記述する「民俗誌」をめぐる問題を、哲学、文化理論、歴史学などを交錯させながら論じた、文化人類学に対する根底的な批判の書。
マルクス主義の理路
改装版 廣松 渉 ISBN 978-4-326-15403-6
初版1980年/四六判/304頁 税込 3,465円
(本体 3,300円) 勁草書房

既成マルクス主義の近代主義への退行を批判し、弁証法、疎外論、国家論、歴史法則論等について詳論する。
倫理と行為
新装版 P.ウィンチ
奥 雅博、松本洋之訳 ISBN 978-4-326-15402-9
初版1987年/四六判/352頁 税込 3,990円
(本体 3,800円) 勁草書房

他者を理解するとはどういうことか。道徳の〈普遍性〉とそれを可能にする社会的な条件との対抗と補完の諸相。
心と身体の哲学 S.プリースト
河野哲也ほか訳 ISBN 978-4-326-15341-1
初版1999年/四六判/400頁 税込 3,990円
(本体 3,800円) 勁草書房

心身問題という哲学の難問を、西洋哲学はどのように解決してきたか。英米系だけでなく、大陸系の論議にも目配りした、包括的な入門書。
ベルクソンの哲学 檜垣立哉 ISBN 978-4-326-15346-6
初版2000年/四六判/304頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 勁草書房

実在を隈なく辿ろうとするベルクソン哲学は、いたるところで常識を立ち往生させる。『物質と記憶』に焦点をあて、読解を精力的に試みる。
スピノザの哲学 桂 壽一 ISBN 978-4-13-010003-8
初版1956年/A5判/404頁 税込 6,090円
(本体 5,800円) 東京大学
出版会

著者の抱く近世哲学史観からスピノザの思想を位置づけ、あわせて「哲学すること」を見出す。日本学士院賞受賞。
人間知性研究
付・人間本性論摘要 D.ヒューム
斎藤繁雄、一之瀬正樹訳 ISBN 978-4-588-15036-4
初版2004年/A5判/304頁 税込 5,040円
(本体 4,800円) 法政大学
出版局

主著『人間本性論』第一巻をよりよく書き直したという本書で、ヒュームは、因果論を深め、自由と必然、奇跡や摂理などを新たに論じた。『人間本性論摘要』を付す。
美徳なき時代 アラスデア・マッキンタイア
篠﨑 榮訳 ISBN 978-4-622-03792-7
初版1993年/A5判/400頁 税込 5,775円
(本体 5,500円) みすず
書房

「西欧近代」を相対化しつつ、今を生きるとはどういうことか? 今日の道徳的危機の系譜をホメロス時代より読み直し、新たな「共生」の場を求める。
バリの親族体系 C・ギアツ、H・ギアツ
吉田禎吾、鏡味治也訳 ISBN 978-4-622-03781-1
初版1989年/A5判/280頁 税込 4,935円
(本体 4,700円) みすず
書房

『ヌガラ』の著者による調査の成果。社会制度である「ダディア」をいとぐちに、無数の寺院が錯綜した網目をなして、人びとの関係を規制する諸相を描く。
フィンランド駅へ
革命の世紀の群像(上) エドマンド・ウィルソン
岡本正明訳 ISBN 978-4-622-04678-3
初版1999年/四六判/384頁 税込 4,725円
(本体 4,500円) みすず
書房

1917年、レーニンはペトログラードのフィンランド駅に立つ。この瞬間に向かって構築された百年にわたる「社会変革の思想」とは? 驚異の歴史文学。
フィンランド駅へ
革命の世紀の群像(下) エドマンド・ウィルソン
岡本正明訳 ISBN 978-4-622-04679-0
初版1999年/四六判/368頁 税込 4,725円
(本体 4,500円) みすず
書房

1917年、レーニンはペトログラードのフィンランド駅に立つ。この瞬間に向かって構築された百年にわたる「社会変革の思想」とは? 驚異の歴史文学。
ニュー・クリティシズム
以後の批評理論(上) フランク・レントリッキア
村山淳彦、福士久夫訳 ISBN 978-4-624-93216-9
初版1993年/四六判/428頁 税込 5,040円
(本体 4,800円) 未來社

構造主義以後、とくにポスト構造主義の洗礼を浴びたアメリカ文学批評の思考の動きを鋭敏に読みとり、総括的な整理と展望を示す古典的名著。

歴史・民俗
▼ ご注文書籍を〔チェック〕し、冊数をご記入後、下段へお進み下さい。 リセット
古代の天皇制 大津 透 ISBN 4-00-022806-4
初版1999年/四六判/304頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 岩波書店

古代日本の大王はどのようにして天皇になったか──日中律令比較等を通じて、天皇制成立の経緯とその特質にせまる、最新最高の成果。
室町幕府解体過程の研究 今谷 明 ISBN 4-00-002217-2
初版1985年/A5判/520頁 税込 7,560円
(本体 7,200円) 岩波書店

応仁の乱以後、幕府は崩壊の一途を辿ったとされる。史料上の制約を克服し、百年に及ぶその解体の全体像に挑んだ本格的研究。
朝鮮人学徒出陣
もう一つのわだつみのこえ 姜 徳相 ISBN 4-00-001381-5
初版1997年/四六判/416頁 税込 3,990円
(本体 3,800円) 岩波書店

皇民化政策の嵐が吹き荒れる中、地域・学校・マスコミ等に追いつめられて「志願兵」となった朝鮮人学徒の驚くべき実態。
神々の変貌 桜井好朗 ISBN 978-4-13-023017-9
初版1976年/四六判/248頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 東京大学
出版会

古代から中世へ、神が現われ、変じ、消え、再現し、そしてまた消えていく変貌・変質の過程を、社寺縁起の世界を舞台に解明する。
歴史学選書1
マグナ・カルタの世紀 城戸 毅 ISBN 978-4-13-025001-6
初版1980年/四六判/292頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 東京大学
出版会

議会史の古典的英雄時代として知られる13世紀イギリスのイメージを問い直し、シモン・ド・モンフォールらが活躍した激動の13世紀史を再現。
歴史学選書7
日本古代の王権と祭祀 井上光貞 ISBN 978-4-13-025007-8
初版1984年/四六判/256頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 東京大学
出版会

古代王権の宗教的・呪術的諸相を、律令国家形成の胎動の中に位置づけ、即位儀礼の考察や古代中国・朝鮮祭祀との比較考証などから解明する。
ナイルの略奪
墓盗人とエジプト考古学 B.M.フェイガン
兼井 連訳 ISBN 978-4-588-37303-9
初版1988年/A5判/344頁 税込 2,940円
(本体 2,800円) 法政大学
出版局

古代テーベの墓泥棒から現代の考古学者まで、エジプト文明に貪欲と好奇心をかきたてられてきた人々 ─ 聖者にして犯罪者たちがくりひろげる壮大なナイル発掘史。
中世社会の構造 C.ブルック
松田隆美訳 ISBN 978-4-588-02126-8
初版1990年/四六判/188頁 税込 2,100円
(本体 2,000円) 法政大学
出版局

聖俗ふたつの階梯を軸とする中世社会の階層構造を説きつつ、そこからの逸脱・例外・不合理を明らかにして、パラドックスにみちた中世キリスト教世界の本質を探る。
数奇なる奴隷の半生
フレデリック・ダグラス自伝 F.ダグラス
岡田誠一訳 ISBN 978-4-588-02149-7
初版1993年/四六判/208頁 税込 2,100円
(本体 2,000円) 法政大学
出版局

奴隷の子として生まれ、何度も転売されながら、独学で文字を覚え、幼児から逃亡までの過酷な半生を綴った自伝。奴隷制の本質を暴く赤裸々な証言。
老いと看取りの社会史 新村 拓 ISBN 978-4-588-31204-5
初版1991年/四六判/264頁 税込 2,940円
(本体 2,800円) 法政大学
出版局

古来、人々は〈老い〉をどう生きたか。その生活・意識・病などの実態を明らかにし、時代相として老人の遇し方、扶養と介護の精神、期待される老人像を探る。
女性の権利の擁護 メアリ・ウルストンクラーフト
白井堯子訳 ISBN 978-4-624-50027-6
初版1980年/四六判/418頁 税込 5,040円
(本体 4,800円) 未來社

18世紀に女性の経済的・精神的地位の自立を主張し、女性解放思想の出発点として不滅の地位を占める名著の完訳。
野田泉光院 宮本常一 ISBN 978-4-624-11052-9
初版1980年/四六判/288頁 税込 2,940円
(本体 2,800円) 未來社

曾良の「奥の細道随行日記」と日向砂土原の山伏、野田泉光院の六年におよぶ廻国の記録「日本九峰修行日記」を通して江戸時代の旅の有様を読む。

社 会
▼ ご注文書籍を〔チェック〕し、冊数をご記入後、下段へお進み下さい。 リセット
原子爆弾の誕生・上
(普及版) リチャード・ローズ
神沼二真、
渋谷泰一訳 ISBN 978-4-314-00710-8
初版1995年/A5判/752頁 税込 6,825円
(本体 6,500円) 紀伊國屋
書店

原子爆弾はいかにしてつくられたのか。なぜ長崎と広島に投下されたのか。政治家や科学者たちの熱狂と苦悩を克明に描く、ピュリッツァー賞受賞作。
原子爆弾の誕生・下
(普及版) リチャード・ローズ
神沼二真、
渋谷泰一訳 ISBN 978-4-314-00711-5
初版1995年/A5判/752頁 税込 6,825円
(本体 6,500円) 紀伊國屋
書店

心理・教育
▼ ご注文書籍を〔チェック〕し、冊数をご記入後、下段へお進み下さい。 リセット
ユダヤ神秘主義とフロイド デイヴィド・バカン
岸田 秀、久米 博、
富田達彦訳 ISBN 978-4-314-01056-6
初版1976年/四六判/360頁 税込 3,990円
(本体 3,800円) 紀伊國屋
書店

人間の両性性の概念、夢診断の技法、象徴の解釈……フロイド理論の多くの側面がユダヤの神秘主義思想と深くつながっていることを明らかにする。
希望の心理学
そのパラドキシカルアプローチ P.ワツラウィック
長谷川啓三訳 ISBN 978-4-588-02117-6
初版1987年/四六判/160頁 税込 2,100円
(本体 2,000円) 法政大学
出版局

比喩、ジョーク、風刺を駆使して自ら意図的に不幸になる秘訣を徹底的に教える。独特なパラドクスに盛られた不安な現代人に贈る実践的処方。

文学・芸術
▼ ご注文書籍を〔チェック〕し、冊数をご記入後、下段へお進み下さい。 リセット
生誕の災厄 E.M.シオラン
出口裕弘訳 ISBN 978-4-314-00147-2
初版1976年/四六判/288頁 税込 3,150円
(本体 3,000円) 紀伊國屋
書店

アフォリズムとは暖のとれない火だと自らを皮肉るシオランによる、内的哄笑を誘うユーモアと痛烈なシニシズム。痛覚で書かれた、痛覚で読むべき本。
バルトークの音楽と生涯 ハルセー・スティーヴンス
志田勝次郎、宇山直亮、飯田正紀訳 ISBN 978-4-314-01057-3
初版1961年/A5判/448頁 税込 4,830円
(本体 4,600円) 紀伊國屋
書店

20世紀最大の音楽家として世界的な評価を受けるバルトークの生涯と芸術を、多くの文献と未刊資料を駆使して
解明した、バルトーク研究の決定版。
映画にとって音とはなにか ミシェル・シオン
川竹英克、
J.ピノン訳 ISBN 978-4-326-85126-3
初版1993年/四六判/336頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 勁草書房

さまざまな傑作映画の魅力を、音に対する認識論と、音響技術に関する方法論から解き明かした正に画期的な
試みの書。
ドストエフスキーの世界観 ベルジャーエフ
斎藤栄治訳 ISBN 978-4-560-08007-8
初版1978年/四六判/293頁 税込 3,675円
(本体 3,500円) 白水社

ドストエフスキーの世界の中心は自由の理念である。自由のなかにおかれた人間の運命を追究した、
炎の如きデュオニソス的世界の秘密を解明した書。
フランス音楽史 ノルベール・デュフルク
遠山一行、平島正郎、
戸口幸策訳 ISBN 978-4-560-08008-5
初版1972年/A5判/618頁 税込 9,975円
(本体 9,500円) 白水社

近隣諸国のさまざまな要素を吸収しながら独自の流れを形成したフランス音楽の全貌を紹介した大著。
中世から現代にいたるその多層的構造を究明する。
バッハ(上) アルベルト・シュヴァイツァー
浅井真男、内垣啓一、
杉山 好訳 ISBN 978-4-560-08004-7
初版1983、95年/四六判
/427頁 税込 5,250円
(本体 5,000円) 白水社

シュヴァイツァーの演奏家としてのしなやかで精緻な、独創的なバッハ解釈と卓越した芸術観が語られる、
バッハ評伝史上の古典的名著。
バッハ(中) アルベルト・シュヴァイツァー
浅井真男、内垣啓一、
杉山 好訳 ISBN 978-4-560-08005-4
初版1983、95年/四六判
/418頁 税込 5,250円
(本体 5,000円) 白水社

バッハ(下) アルベルト・シュヴァイツァー
浅井真男、内垣啓一、
杉山 好訳 ISBN 978-4-560-08006-1
初版1983、95年/四六判
/400頁 税込 5,250円
(本体 5,000円) 白水社

ヒューマニズムの芸術 ケネス・クラーク
岡田温司訳 ISBN 978-4-560-08009-2
初版1987年/B5変型/198頁 税込 5,985円
(本体 5,700円) 白水社

示唆に富む初期ルネサンス芸術論。五人の巨匠の輝かしい独創性、ルネサンス文化全体へ及ぼした貢献、
現代の芸術運動に与えた影響を明快に描き出す。
宮沢賢治の世界 谷川徹三 ISBN 978-4-588-46011-1
初版1963年/四六判/280頁 税込 2,940円
(本体 2,800円) 法政大学
出版局

芸術と実践、信仰と科学を精神と生活の中に宿し、相互の否定と統合をくりかえす中から生み出された賢治文学を、終始一貫して哲学的に追求したユニークな賢治論。
モダン・デザインの展開
モリスからグロピウスまで ニコラス・ペヴスナー
白石博三訳 ISBN 978-4-622-01503-1
初版1957年/A5判/258頁 税込 4,515円
(本体 4,300円) みすず
書房

1850年代のウィリアム・モリスから、20世紀前半のグロピウス等のバウハウスへといたる過程を、絵画や建築の
動向を交えて描く。近代デザイン史の古典。
〔新装増補版〕
日本浪曼派批判序説 橋川文三 ISBN 978-4-624-60093-8
初版1960年/四六判/384頁 税込 3,360円
(本体 3,200円) 未來社

日本浪曼派のエートスと思想を内在的に批判・検討しつつ、独自の思想的世界を構築したエッセイに新たに13の
論文を増補した決定版。
ブリューゲルの「子どもの遊戯」 森 洋子 ISBN 978-4-624-71052-1
初版1989年/A5判/478頁 税込 7,875円
(本体 7,500円) 未來社

ブリューゲルの一枚の絵から社会的・民俗学的・宗教的意味を析出し、あわせて西欧子ども観の通説を破った
労作。1989年度サントリー学芸賞受賞。

書物復権2008

No 書名 著者名 初版・版型・頁 定価 出版社
BW
BWP
内 容
哲学・思想・言語・宗教
1 異端カタリ派の研究 中世南フランスの歴史と信仰 渡邊昌美 初版1989年
A5判◆484頁 税込10,185円
(本体9,700円) 岩波書店

その信仰の運命を、膨大な異端審問録に残したカタリ派。象徴的な世界観、儀礼の細目などを一次史料から解読。中世の心性に光をあてた労作。
2 近代日本の精神構造 神島二郎 初版1961年
A5判◆396頁 税込5,250円
(本体5,000円) 岩波書店

外来文明と在来文化、武士的モラルと農民的エトス、都市的センスと農民的伝統などが互いに影響し合う中で推し進められた日本近代化の経緯を究明。
3 千年王国の追求 ノーマン・コーン
江河徹訳 初版1978年
A5判◆480頁 税込5,040円
(本体4,800円) 紀伊國屋書店

千年王国信仰が民衆のエネルギーや想像力とどのように結びついたかをドラマティックに再現し、中世史の影の部分に光をあてた画期的名著。
6 他者とは誰のことか 大庭健 初版1989年
四六判◆370頁 税込3,465円
(本体3,300円) 勁草書房

己れ一個の実存を手離さず、社会システムとの連動を可能にする理論を模索し、更にそのことが民衆の生き死にと直接かかわってくるような学問の試み。
13 ヒルティ伝 アルフレート・シュトゥッキ
国松孝二、伊藤利男訳 初版1959、1980年
四六判◆250頁 税込4,515円
(本体4,300円) 白水社

『幸福論』『眠られぬ夜のために』の著者として知られるヒルティの生涯をたどると同時に、彼の思想をコンデンスした格好の入門書でもある。
18 シモーヌ・ヴェーユ伝 ジャック・カボー
山崎庸一郎、中条忍訳 初版1974年
四六判◆600頁 税込5,040円
(本体4,800円) みすず書房

フランスの思想家ヴェーユの最良の伝記。アランに師事、哲学教師や未熟練女工としての経歴、対独レジスタンス運動への参加… 34年の生涯を描く。
20 ハーバマスと公共圏 クレイグ・キャルホーン
山本啓、新田滋訳 初版1999年
四六判◆350頁 税込3,990円
(本体3,800円) 未來社

『公共性の構造転換』英語版出版を機に、民主政治、批判理論、フェミニズム、文化研究などの論客が、今日的な公共圏の理念と限界をめぐって議論を交わした。論考と討議を収録。
21 トリーアの社会史 カール・マルクスとその背景 的場昭弘 初版1986年
四六判◆444頁 税込6,090円
(本体5,800円) 未來社

ドイツとフランスの国境に近いトリーアには独自な文化がある。マルクスの生地トリーアのこの文化を社会史的に追いながらマルクスをあぶり出す。
22 第三帝国の神話 ナチズムの精神史 J.F.ノイロール
山崎章甫、村田宇兵衛訳 初版1963年
A5判◆330頁 税込4,410円
(本体4,200円) 未來社

ドイツ思想の系譜を克明にたどることによって、ナチズムという奇怪な頽廃の思想の発生を位置づけた本書は、ドイツ思想史研究に不可欠の名著とされている。
社会
23 社会学講義 習俗と法の物理学 エミール・デュルケム
宮島喬、川喜多喬訳 初版1974年
A5判◆304頁 税込5,460円
(本体5,200円) みすず書房

『自殺論』を著したデュルケムによる社会学講義。近代社会=産業社会がどのようにして規範を確立するのか、道徳、所有権、契約法について論じる。
歴史・民俗
26 フランスの近代とボナパルティズム 西川長夫 初版1984年
A5判◆442頁 税込5,880円
(本体5,600円) 岩波書店

「近代とはいかなる時代か」との問いに促され、ボナパルティズムへの新たな視座の設定を試み、現代社会の危機の深淵を照らす方法概念にも論及する。
28 近代日本の形成と西洋経験 松沢弘陽 初版1993年
A5判◆432頁 税込7,350円
(本体7,000円) 岩波書店

幕末・維新期に海外渡航した日本人の見聞、中国を介した西洋経験や思想書の翻訳紹介を通して、異質文明との出会いが日本近代に及ぼした影響を解明。
29 国家神道形成過程の研究 阪本是丸 初版1994年
A5判◆472頁 税込8,505円
(本体8,100円) 岩波書店

国家神道とは何だったのか。通説の歴史的実態検証が不十分と論じる著者ならではの、法令・政策の緻密な分析を通じた、国家神道の形成と展開の解明。
32 木戸幸一関係文書 木戸日記研究会編 初版1966年
A5判◆664頁 税込7,560円
(本体7,200円) 東京大学出版会

日中戦争~第2次大戦期研究の基本史料。「戦争回避への努力」・「戦争終結への努力」等の手記、意見書等の文書類、書翰等を収録。
33 プラートの商人 中世イタリアの日常生活 イリス・オリーゴ
篠田綾子訳 徳橋曜監修 初版1997年
四六判◆512頁 税込5,880円
(本体5,600円) 白水社

1870年、15万通に及ぶ中世イタリア商人の書簡が発見された。この名高いダティーニ文書をもとに、中世商人とその家族・郎党の日常生活を描き出す。
34 書物の本 西欧の書物と文化の歴史/書物の美学 H.プレッサー
轡田収訳 初版1973年
四六判◆448頁 税込4,725円
(本体4,500円) 法政大学出版局

過去3千年にわたって、文字、紙、印刷術を発明し、書物を生み出してきた人間精神の営為を探ね、人類に知識と思想、夢と力をあたえてきた書物の歴史をあとづける。
35 魔女と魔女裁判 集団妄想の歴史 K.バッシュビッツ
坂井洲二、川端豊彦訳 初版1970年
四六判◆530頁 税込4,725円
(本体4,500円) 法政大学出版局

17世紀を頂点として荒れ狂った「魔女裁判」を歴史的に辿り、この狂気の歴史的・社会的意味を群集心理学見地から考察、現代における「魔女裁判」をも示唆する。
36 琉球民俗誌 金関丈夫
(解説・中村哲) 初版1978年
四六判◆298頁 税込3,150円
(本体3,000円) 法政大学出版局

南島の人類学的位相を浮彫にして戦後沖縄学の原拠となった「八重山群島の古代文化」をはじめ、調査・紀行・交遊記を収め、南島文化の埋もれた可能性を掘り起こす。
37 孤燈の夢 エッセイ集 金関丈夫
(解説・中村幸彦) 初版1979年
四六判◆330頁 税込3,360円
(本体3,200円) 法政大学出版局

和漢洋の学芸に通じ、文学、美術、映画、演劇、民芸等、文化のあらゆる領域にあくなき探求を試みる著者の<知的探検家>としての本領を示す好随筆140篇を収む。
38 お月さまいくつ 金関丈夫
(解説・井本英一) 初版1980年
四六判◆430頁 税込4,200円
(本体4,000円) 法政大学出版局

人類学的・民族誌的博覧強記と闊達自在な比較考証によって東西諸民族に伝わる風俗・伝承の隠された意味を探り、考証随筆に独自の境地をひらく30編余を収める。
41 トルコ近現代史 イスラム国家から国民国家へ 新井政美 初版2001年
四六判◆368頁 税込4,410円
(本体4,200円) みすず書房

トルコはヨーロッパなのか、アジアなのか。18世紀から21世紀まで、「イスラム国家」オスマン帝国から「国民国家」トルコ共和国への転身をたどる。
42 古川古松軒/イサベラ・バード 旅人たちの歴史3 宮本常一 初版1984年
四六判◆258頁 税込3,360円
(本体3,200円) 未來社

1788年、幕府巡見使に随行した古松軒の『東遊雑記』と、1878年来日、東京から北海道まで歩いて旅したイギリス人女性、バードの『日本奥地紀行』を読む。
45 日本の海洋民 宮本常一、川添登編 初版1974年
四六判◆238頁 税込2,940円
(本体2,800円) 未來社

本書は日本人と海とのかかわりを総合的にとらえようとする最初の本である。日本民族の由来、国家の形成をはじめ、海とかかわる生業・信仰・交通等々を各専門家の執筆で描く。
心理・教育
49 総力戦体制と教育 皇国民「錬成」の理念と実践 寺崎昌男編 初版1987年
A5判◆488頁 税込7,350円
(本体7,000円) 東京大学出版会

「皇国民錬成」概念を軸に、第二次世界大戦下の教育実践の具体相に分け入って考察した画期的研究。
精神分析の方法・1〈セブン・サーヴァンツ〉 W.R.ビオン
福本 修訳 初版1999年
四六判◆326頁 税込3,990円
(本体3,800円) 法政大学出版局

心的世界の成立基盤とその病理を臨床および独自の理論構成によって解明し、精神分析とメタ心理学研究に明確な指針と展望を提示する。
文学・芸術
53 イコノロジー W.J.T.ミッチェル
鈴木聡ほか訳 初版1992年
A5判◆320頁 税込4,410円
(本体4,200円) 勁草書房

絵画、彫刻、美術作品などのイメージが、心的な言語的/文学的イメージと、又イメージをつくり出す人間とどう関わるのか。ゴンブリッチ等歴史的に重要なテクストから考察。
54 芸術論の歴史 クルターマン
神林恒道、太田喬夫訳 初版1993年
A5判◆400頁 税込4,935円
(本体4,700円) 勁草書房

プラトンからサイードまで3000年に亘る哲学者、芸術家、芸術評論家、美術史家による芸術についての言説を紹介整理。時間、空間、学問の境界を超えて関連づけた芸術の世界史。
55 美術史の終焉? ベルティング
元木幸一訳 初版1991年
四六判◆200頁 税込2,520円
(本体2,400円) 勁草書房

ヴァザーリに始まる美術史学の状況を現在までフォロー、分析する中で従来の発展的美術史観やイコノロジーの方法の有効性を問い、美術の歴史を語る新しいモデル構築を説く。
56 フランス詩法(上・下) 鈴木信太郎 初版1950、1954年
A5判◆307頁、499頁 税込(上)6,090円
(本体5,800円)
(下)7,980円(本体7,600円) 白水社

精緻かつ要を得たフランス詩法研究。上巻=詩(形式と内容など12編)、律動、諧調、脚韻/下巻=詩節、定型詩、詩的許容、結語─自由詩と詩法の限界
59 映画と精神分析 想像的シニフィアン クリスチャン・メッツ
鹿島茂訳 初版1981年
四六判◆285頁 税込5,670円
(本体5,400円) 白水社

「映画を見る」とはいかなる行為なのか。自己同一化、視姦的な欲望、フェティシスムの対象として映画を捉え、その隠された意味を明らかにしてゆく。
62 カリガリからヒトラーへ ドイツ映画1918-1933における集団心理の構造分析 S.クラカウアー
丸尾定訳 初版1970年
四六判◆384頁 税込4,410円
(本体4,200円) みすず書房

『カリガリ博士』が秘めていたナチへの不吉な前兆。フリッツ・ラング、カール・マイヤーなど、大戦間期ドイツ映画への文化史的アプローチの傑作。
法律・経済・政治
64 政治における合理主義 M.オークショット
森村進ほか訳 初版1988年
A5判◆416頁 税込4,410円
(本体4,200円) 勁草書房

営み、使用、慣習の中にのみ現れる<実践知>の意義を強調し、保守主義の要諦を説く。イギリス現代思想のバックボーンをなす古典の初めての翻訳。
65 税制改革と官僚制 加藤淳子 初版1997年
A5判◆336頁 税込6,300円
(本体6,000円) 東京大学出版会

1970年代末から90年代に至る税制改革を対象として官僚の行動原理を分析し、その影響力行使の態様を政党との関連で捉え直す。
67 日本統治下の台湾 許 世楷 初版1971年
A5判◆460頁 税込7,140円
(本体6,800円) 東京大学出版会

日清戦争後から第2次大戦による解放までの、台湾人の抵抗とそれに対する弾圧を、警察・司法史料などを駆使して、なまなましく描き出す。
68 ラートブルフ 実定法と自然法 ラートブルフ
尾高朝雄ほか訳 初版1961年
A5判◆288頁 税込4,200円
(本体4,000円) 東京大学出版会

晩年のラートブルフは価値相対主義を放棄したのか? 「法哲学における相対主義」1936、「法哲学入門」1947などを収録。
69 ラートブルフ 心の旅路 ラートブルフ
山田晟訳 初版1962年
A5判◆240頁 税込4,200円
(本体4,000円) 東京大学出版会

ラートブルフの死後公刊された自叙伝。かれの環境、心の成長や心境の変化が記され、その作品への影響を研究する上で不可欠の資料。
70 法社会史 上山安敏 初版1966年
A5判◆448頁 税込6,090円
(本体5,800円) みすず書房

近代の法社会は、法律家集団によってどのように担われたのか。15世紀から19世紀にかけて、ドイツにおける民衆、権力、学問、革命と法の関係を考察。
自然科学・医学
72 心の可塑性と実在論 ポール・M.チャーチランド
村上陽一郎、信原幸弘、小林傳司訳 初版1986年
四六判◆256頁 税込2,730円
(本体2,600円) 紀伊國屋書店

我々の日常的・経験的知識と科学的知識の間には本質的な違いはないとする「科学的実在論」の立場から、心の科学に新たな哲学的枠組みを与える。
73 科学的世界像 B.C.ファン・フラーセン
丹治信春訳 初版1986年
四六判◆436頁 税込4,410円
(本体4,200円) 紀伊國屋書店

科学理論のえがく世界像はどこまで真なのか? 「科学とは何か」という根本的な問いに精緻な論理で正面からいどんだ本格的科学論。
74 量子力学の哲学(上・下) マックス・ヤンマー
井上健訳 初版1983年、1984年
A5判◆300頁、344頁 税込(上)3,990円
(本体3,800円)
(下)4,200円
(本体4,000円) 紀伊國屋書店

量子力学をめぐる哲学的問題を、物理学および科学哲学の世界的権威である著者が、歴史的展望の上に立って総括的にまとめた力作。
75 科学的発見の現象学 オーガスティン・ブラニガン
村上陽一郎、大谷隆昶訳 初版1984年
四六判◆448頁 税込4,410円
(本体4,200円) 紀伊國屋書店

科学の歴史は発見の歴史だが、そもそも発見とは何か。科学史上の著名な事例を題材に、ある出来事が「発見」という身分をおびる社会的プロセスを探究。
79 皇帝の新しい心 コンピュータ・心・物理法則 ロジャー・ペンローズ
林一訳 初版1994年
A5判◆560頁 税込7,770円
(本体7,400円) みすず書房

コンピューターは心をもちうるか? ビッグバンの解明に必要となる正しい量子重力論が、心の謎を解く鍵となると予測。宇宙論の鬼才の破天荒な試み。

書物復権2007

No 書名 著者名 初版・版型・頁 定価 出版社

哲学・思想・言語・宗教
1 〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人 坂口ふみ 初版1996年

古代から中世へ、一大転換期を舞台にした思想劇--キリスト教の基礎を据え、正統と異端を産み落とした教義論争史にわけいる。

2 神の生物学 アリスター・ハーディ 長野敬、中村美子訳 初版1979年

超越的なるもの、聖なるものに対する人間体験、そして「神を信じる行為」を、著名な生物学者が精神分析、文化人類学の知見も援用しつつ論じる。

3 ラッセル 碧海純一 初版1961年

イギリスを代表する思想家の生涯と思想の発展過程を代表的作品を紹介しながら叙述する。

4 ヴェブレン 小原敬士 初版1965年
四六判◆264頁 税込3150円
(本体3000円) 勁草書房

的確にアメリカ資本主義批判をしたヴェブレンの人と思想を時代とともに描写する。
5 トマス・アクィナス 稲垣良典 初版1979年
四六判◆256頁 税込2940円
(本体2800円) 勁草書房

信仰と理性の関わり、哲学の自律性の問題、経験という言葉の新しい意味など、トマス哲学の現代的意義を説く。
6 兵士デカルト 小泉義之 初版1995年
四六判◆288頁 税込2940円
(本体2800円) 勁草書房

デカルトが兵士になったのはなぜか。『方法序説』から『省察』『情念論』まで、自ら仕掛けた孤高の戦争を読み解く。
9 ギリシア人の人間観
 生命の起源から文化の萌芽へ W.K.C.ガスリー
岩田靖夫訳 初版1978年
四六判◆298頁 税込4620円
(本体4400円) 白水社

ギリシア神話とギリシア哲学の思考パターンを解明し、古代ギリシアの精神風土、自然観・人間観を鮮やかに描き出す。
11 ニーチェ 1・2・3 マルティン・ハイデガー
薗田宗人訳 初版1976、1986年
四六判◆501、480、300頁 税込(1)5250円
(本体5000円)
(2)5250円
(本体5000円)
(3)4410円
(本体4200円) 白水社

ニーチェという巨大な現象をヨーロッパ思想全体の中に位置づけると同時に、ハイデガーが自己の思想を最も明解に表明した思索のドキュメント。
13 カニバリスムの秩序
 生とは何か/死とは何か ジャック・アタリ
金塚貞文訳 初版1984年
四六判◆432頁 税込4515円
(本体4300円) みすず書房

『ノイズ』の著者による現代医学をめぐる文明論。病いと死を祓う治療儀式であったカニバリスム=人喰いの風習が、臓器移植、遺伝子組み換えに甦る。
14 過程と実在1 コスモロジーへの試論 A.N.ホワイトヘッド
平林康之訳 初版1981年
A5判◆360頁 税込6300円
(本体6000円) みすず書房

イギリス人の数学者・哲学者による、自然科学と哲学とを架橋する書。「過程はそれ自体で現実態である」と主張し、近代哲学の基礎構造の超克を試みる。
14 過程と実在2 コスモロジーへの試論 A.N.ホワイトヘッド
平林康之訳 初版1983年
A5判◆264頁 税込5670円
(本体5400円) みすず書房

「有機体の哲学」と名づける新しい世界観を展開する。時間的なものと永遠なもの、人間の諸経験と宇宙論的観念とを結びつける試み=コスモロジー試論。
15 味と雰囲気 H.テレンバッハ
宮本忠雄、上田宣子訳 初版1980年
四六判◆232頁 税込2940円
(本体2800円) みすず書房

味わうこと、においを嗅ぐこと、という雰囲気をめぐる病理を人間学的に考察する。『メランコリー』の著者による、新たな視点が提示された精神医学。
16 イデオロギーとユートピア カール・マンハイム
鈴木二郎訳 初版1968年
A5判◆412頁 税込5040円
(本体4800円) 未來社

「イデオロギーとユートピア」「政治学は科学として成り立ち得るか」「ユートピア的な意識」の三論文をおさめ、イデオロギーの機能と実践の問題を論じた知識社会学不朽の名著。
社会
18 社会科学の理念 P.ウィンチ
森川眞規雄訳 初版1977年
四六判◆184頁 税込2100円
(本体2000円) 新曜社

ヴィトゲンシュタインの思想に基づき、「実証・経験的名科学としての社会科学」という通念を根底から問い直した問題提起の書。
歴史・民俗
22 近代日本の国家構想 1871~1936 坂野潤治 初版1996年
A5判◆288頁
税込4935円
(本体4700円)

岩波書店

現代の政治状況を見すえ、廃藩置県から戦時統制国家成立に至るまでの政治史を、様々な政治体制構想の相剋の過程として描く。吉野作造賞受賞作。
24 南洋日本町の研究 岩生成一 初版1966年
A5判◆442頁 税込4830円
(本体4600円) 岩波書店

近世初期、日本民族海外発展の中心的な基地であった南洋日本人町。その移民活動の全貌を、関係資料を駆使して精査究明、学士院賞を受けた名著。
25 江戸時代の教育 R.P.ドーア
松居弘道訳 初版1970年
B6判◆342頁 税込3465円
(本体3300円) 岩波書店

藩校における教育の実態、寺子屋・郷学等での教化訓練のありさまを通して、江戸時代の教育が近代社会成立の基盤を準備していく過程を綿密に追求。
27 日本中世の国家と宗教 黒田俊雄 初版1975年
A5判◆576頁 税込5985円
(本体5700円) 岩波書店

中世における国家と宗教の多様かつ緊密な結び付きを解明すべく、多年の研究成果と、模索の道程で生れた構図を提示、新しい展望を切り拓いた名著。
28 近世日本の国家権力と宗教 高埜利彦 初版1989年
A5判◆344頁 税込6300円
(本体6000円) 東京大学出版会

仏教だけでなく、修験道・陰陽道・神道の実態を解明。宗教界の近世的秩序化と天皇のかかわりから、近世国家権力論を再検討。
30 木戸幸一日記 東京裁判期 木戸日記研究会編 初版1980年
A5判◆514頁 税込7350円
(本体7000円) 東京大学出版会

敗戦後A級戦犯に指名された木戸の、昭和20年暮れから23年に至る東京裁判期の日記、及び裁判関係記録を収録。東京裁判を論じる上で不可欠の史料。
31 アメリカ婦人宣教師
 来日の背景とその影響 小檜山ルイ 初版1992年
A5判◆368頁 税込5040円
(本体4800円) 東京大学出版会

19世紀のアメリカ社会史・女性史の文脈の中に婦人宣教師来日の背景を探るとともに、等身大の彼女たちの姿を浮き彫りにする。
33 鉄道旅行の歴史 十九世紀における空間と時間の工業化 W.シヴェルブシュ
加藤二郎訳 初版1982年
A5判◆284頁 税込3360円
(本体3200円) 法政大学出版局

鉄道旅行を産業革命の市民的体験としてとらえた交通文化史・旅の思想史。欧米の草創期の鉄道が同時代人に与えた影響を時間・空間概念から考察。
34 楽園・味覚・知性 嗜好品の歴史 W.シヴェルブシュ
福本義憲訳 初版1988年
A5判◆258頁 税込3150円
(本体3000円) 法政大学出版局

コーヒーの市民的理性とチョコレートのエロチシズム、喫煙のシンボリズムや酒の飲み方の人類学等々を描き出す薫り高い味覚のイデオロギーの歴史。
35 時間の文化史 時間と空間の文化:1890-1918年/上 S.カーン
浅野敏夫訳 初版1993年
四六判◆240頁 税込2625円
(本体2500円) 法政大学出版局

1880~1918年における科学技術の発展と新たな文化の展開は、人々の時間意識・経験といかに直接・間接的に関わったか。変貌する時間の姿を描く。
36 空間の文化史 時間と空間の文化:1890-1918年/下 S.カーン
浅野敏夫、久郷丈夫訳 初版1993年
四六判◆306頁 税込3675円
(本体3500円) 法政大学出版局

非ユークリッド幾何学の展開から生物学、社会学、美術等における空間認識の変貌、遠近法主義の哲学までを論じ伝統的空間への攻撃の歴史を跡づける。
38 初期アルファベットの歴史 J.ナヴェー
津村俊夫、竹内茂夫、
稲垣緋紗子訳 初版2000年
四六判◆274頁 税込3780円
本体3600円) 法政大学出版局

アルファベット文字の起源を紀元前1700年頃にまで遡り、近代文字として発達する道のりを豊富な図版から明らかにした西洋文明源流への誘い。
41 書物から読書へ ロジェ・シャルチエ
水林章、泉利明、
露崎俊和訳 初版1992年
四六判◆384頁 税込4515円
(本体4300円) みすず書房

歴史的にひとはどのように読書を営んできたのか。アナール派新世代の編者と、ブルデュー、ダーントンらとの集いから生れた刺激に満ちた文化史研究。
42 戦後ドイツ史 1945-1955
 二重の建国 クリストフ・クレスマン
石田勇治、木戸衛一訳 初版1995年
四六判◆448頁 税込5040円
(本体4800円) 未來社

第二次大戦後十年間の占領下ドイツの政治・社会・経済・文化の動きをヴィヴィッドかつ精緻にとらえた定評ある通史。1990年の再統一を踏まえた最新版からの訳出。
43 イングランド人民の歴史 A.L.モートン
鈴木享、荒川邦彦、
浜林正夫訳 初版1972年
A5判◆482頁 税込7140円
(本体6800円) 未來社

著者モートンの代表作であり、先史時代以来第一次大戦までのイギリス史を、マルクス主義歴史学の方法に立脚して生き生きと描いた唯一の通史として定評ある名著。
心理・教育
45 フロイトの生涯 アーネスト・ジョーンズ
竹友安彦、藤井治彦訳 初版1964年
A5判◆628頁 税込6825円
(本体6500円) 紀伊國屋書店

40年にわたるフロイトとの交流と膨大な文献を駆使してまとめあげた、精神分析の父たる彼の苦闘の生涯を描ききった、世界的に定評あるフロイト伝。
46 二歳半という年齢 久保田正人 初版1993年
四六判◆224頁 税込2310円
(本体2200円) 新曜社

幼児によりそったていねいな観察と解釈によって、人間の精神発達にとって二歳半という年齢がもつ重要性を詳細に明らかにした研究。
49 日常生活の認知行動 J.レイヴ
無藤隆ほか訳 初版1995年
四六判◆360頁 税込3780円
(本体3600円) 新曜社

日常的な実践行動には文化と歴史が深く埋め込まれており、状況から遊離した合理的な思考とは無縁であることを精緻に解明した問題作。
文学・芸術
51 大衆文学 尾崎秀樹 初版1964年
四六判◆204頁 税込1890円
(本体1800円) 紀伊國屋書店

大衆文学に理屈はいらない? これまで理論は不要とみなされてきた大衆文学の領域に初めて分析のメスを入れ、その面白さを抉り出した金字塔的作品。
52 短詩型文学論 岡井隆、金子兜太 初版1963年
四六判◆218頁 税込1890円
(本体1800円) 紀伊國屋書店

短歌と俳句の入門書にまったく欠如していた理論を、その実作者が情熱をこめて贈る文学論。短歌には韻律論を導入、俳句には写生・描写の意味を問う。
60 アラン 人間論 アラン
原亨吉訳 初版1978、1989年
四六判◆351頁 税込3150円
(本体3000円) 白水社

「獣と神の中間者」という二重性をもつ人間を、つねに具体的な、観念論とは無縁の態度で考察する。頭蓋と手、睡眠、習慣と衣服、おとぎ話、占い等。
61 パリのダダ ミッシェル・サヌイエ
安堂信也ほか訳 初版1979年
A5判◆490頁 税込6825円
(本体6500円) 白水社

1915~25年にヨーロッパで猛威をふるったダダをパリという都市で捉え、シュルレアリスムをダダのフランス的形態と規定した、ダダ・シュルの基本図書。
67 眼は聴く ポール・クローデル
山崎庸一郎訳 初版1995年
A5変型◆352頁 税込5250円
(本体5000円) みすず書房

劇詩人による芸術論。フェルメール、レンブラント論を始めとして、中国や日本への思い、姉への称賛と哀しみを綴った「カミーユ・クローデル」まで。
69 エイゼンシュテイン映画演出法講義 ニージニー述
中本信幸訳 初版1981年
四六判◆288頁 税込2940円
(本体2800円) 未來社

30年代はじめ、国立映画大学の学生たちとの映画における場の演出・画面の演出・カット割り等を具体的作品の具体的シーンに即しての討論風景を弟子ニージニーが記録する。
72 闘いなき戦い ドイツにおける二つの独裁下での早すぎる自伝 ハイナー・ミュラー
谷川道子、石田雄一ほか訳 初版1993年
四六判◆390頁 税込3990円
(本体3800円) 未來社

旧東独に生まれナチと社会主義の二つの独裁下に生きた劇作家が自作に即しながら歴史や芸術を語る発言集。
73 残像のなかの建築
モダニズムの〈終わり〉に 田中純 初版1995年
A5判◆242頁 税込3990円
(本体3800円) 未來社

A・ロースからD・リベスキンドまで、〈われわれ〉の欲望の対象であり20世紀の時代精神として直立した建築群を鋭利に読みとく。著者の第一批評集。
法律・経済・政治
75 東アジアの王権と思想 渡辺浩 初版1997年
四六判◆296頁 税込3570円
(本体3400円) 東京大学出版会

儒学が体制教学であった中国・朝鮮との近似と相違を探りながら、近世から近代へと転回する政治体制の思想を剔抉する。
77 ラートブルフ 法哲学綱要 ラートブルフ
山田晟訳 初版1963年
A5判◆240頁 税込3990円
(本体3800円) 東京大学出版会

第一次世界大戦が勃発した1914年、ラートブルフ36歳の著作。独創的な法哲学をきずきあげるまでの、生々しい思索の跡をたどることができる。
自然科学・医学
81 数学=創造された宇宙 上 シャーマン・K.スタイン
三村護、三辺ユリ子訳 初版1977年
A5判◆288頁 税込2625円
(本体2500円) 紀伊國屋書店

日常から数学の精神へ。米国で定評のある文系学生のための数学入門。重さを量る問題/素数/算術の基本定理/タイルばり/セールスマンの道順et.
81 数学=創造された宇宙 下 シャーマン・K.スタイン
三村護、三辺ユリ子訳 初版1977年
A5判◆240頁 税込2625円
(本体2500円) 紀伊國屋書店

人間の創った宇宙=数学の花園へ。確率/15のパズル/地図の色わけ/さまざまな数/定規とコンパスによる作図/無限集合とカントールの定理et.
82 数学スナップ・ショット H.ステインハウス
遠山啓訳 初版1976年
A5判◆272頁 税込2625円
(本体2500円) 紀伊國屋書店

豊富な写真や絵を使って数学を視覚化した「眼で見る数学」。ポーランドが生んだ世界的数学者ならではの華麗な解法や発想のきらめきが光る楽しい数学。
86 物理理論の目的と構造 P.デュエム
小林道夫、熊谷陽一、
安孫子信訳 初版1991年
A5判◆560頁 税込6825円
(本体6500円) 勁草書房

19~20世紀にかけて活躍し、哲学者クワインが自分の考え方の先駆者として取りあげてから一層有名になったデュエムの名著。

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