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【CD・レコードコレクションの勧め】自分の好みを大切に

ひと昔前は、レコード録音をする演奏家と言えば、コンサートを通して、一定の評判を獲得した、所謂一流の演奏家に隕られていたものでした。

数にしても、それほど多くはなかったから、レコード・フアンの方々にしても、まあ覚えやすく、その実力や評価も、比較的、容易に知ることができたそうです。

しかし、現在のレコード・CD業界は、がらりと違う世界へと変貌しています。

誰でもとは言わないまでも、実績に拘らず、製作者側がいいと思えば大抵の演奏家が録音CDを出す結果に。

その結果、市場には、置ききれぬくらいのCDが氾濫し、聴き手、購入者としては、何がどうなっているかもわからぬままに、レコード選びをしなければならないという、甚だ厄介な状況が生み出されてしまうようになっています。

もちろん、それでは困るからと、各種の情報誌が、手を変え品を変え案内をしてくれてはいるけれど、しかし、それとて、つまりは、他人による評価であり、案内です。

何が正しいかの正解がなく、個々人の感性によって聴かれる演奏であることを考えると、大変ではありますが、やはり、CD選びは、自分自身の耳で確かめ、気に入ったものを選ぶという方針を、貫いた方が良いと思います。

情報誌のそれは、あくまでも参考にとどめておいた方がいいようです。

こんなことをいうのは、実は、前回のお話で、「長期的な方向」は固めているものの、個々のCD選びについては、「誰の演奏した盤を購入したらいいのですか」という人が、非常に多いからです。

いずれにせよ、趣味の世界のことなんですよね。

他人が褒めようが、貶そうが、自分が気に入ればそれでいいわけです。

本当に好きだったら、関心をもつべきは、自分にとって、どういう演奏がいい演奏なのか。

そのことを、コレクションを通して、多少の月謝を払ってでも、見つけることだろうと、私は思います。

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