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薩摩会議【家×Transormation】

薩摩会議から早くも1週間。そして終ってからとにかく緊急な仕事や対応が目白押しで、SNSでつぶやく余裕すらなく・・・。さすがに、忘れる前に振り返ってみたいと思います。

薩摩会議

さて、薩摩会議。「150年後の世界に、私たちは何を遺すのか」という壮大なテーマのなか、本当に多くの関係者、登壇者、参加者がentanglement(もつれあい)、様々な分野と人に影響を与えたこいごいとした3日間でございました。久々にたくさんの方々とお会いでき(それにしてもマスク姿だと誰だとわかるのに苦戦しますねw)、「何かが生まれている」そういう雰囲気と熱量がどのセッションにも間違いなくあり、鹿児島にとってTransormationな日になったに違いありません。脳みそがパンクしかけた人が続出してましたねw 各セッションについてまで細かく書くとキリがないので今回は触れないでおきますが・・・。

【家×Transormation】に登壇

私は薩摩会議3日目【家×Transormation】のセッションに登壇させて頂きました。※私達はTransormationを不可逆的な変容と定義しています。

南房総リパブリックの馬場未織さんからは東京と南房総の2拠点生活を通じて、築100年以上の古民家と広大な敷地での日々、里山での出会いや暮らし、そしてDIY断熱ワークショップの話。ひとつひとつのお話がとても丁寧な言葉で楽しそうに、すーっと心地よく聞くことができました。
印象に残ったキーワードとして「本物志向」「その家の歴史と地域との関係性も引き継ぐ」「自分が関わるとクレームは無くなる」「本質的な豊かさが存在すると負動産が冨動産になる」

北九市役所の梅木亮さん。高気密高断熱住宅の普及に行政が関わる必要性を自分の取り組みを通じてお話ししてもらいました。最初スライドもらったときに、いやこれ1時間かかる量やんwと少し心配しましたが、こんな難しい話をこんなにも面白く話すとは天才ですか(笑)
印象に残ったキーワードとして「建物の省エネは、様々な都市経営課題を同時に解決する」「健康で快適+省エネな住まいという視点」「年間30万円/人も外部へのエネルギー支出がある」「HEAT20 G2.5を目指したい」

そして、私自身は自分の活動について紹介した後、鹿児島における住宅の現状を主に話しさせて頂き、トークセッションへ。

トークセッションの中で、寒い家で暮らす両親に向けて母の日や父の日プレゼントで断熱ワークショップを送る仕組みがあると良いかもという話が出たのですが、これ本気でやりたいですね!

セッション途中、会場にいた大崎町の三代目 J Soul Brothers(笑)に無理矢理コメントを求めたり、打ち合わせにないようなことを登壇者の皆さんにコメント求めたりと、雑なモデレーターで申し訳なかったですが、結果的にはとても良いセッションになったんじゃないかなぁ。お二人の力量のおかげ!

その後ナイトセッションでは参加者とも様々な意見交換。空家問題の話、税金での施策誘導の話、森と住宅の話、あと、大崎町で断熱DIYワークショップをやりましょうということにもなりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
何より、無茶なお願いを快く引き受けて頂いた馬場未織さんと梅木亮さん、今回のトークセッションを構築するにあたりご相談にのって頂いたエネルギーまちづくり社の竹内昌義さん、カーボンニュートラル分科会(特におりなす設計の田渕さん、住まいずの有村さん)の皆さん、心から感謝いたします。

この短い準備期間で薩摩会議をここまでの濃度で仕上げた運営の皆さん、本当にお疲れ様でした。自分自身はあまり戦力になっておりませんでしたが、SELFの皆さんの突破力というのは驚異的だし、勉強させていただくことばかり。最高で素敵な尊敬する仲間達です。

トークセッションを振り返って改めて思うこと

今回のセッションが参加者の皆さんにどのように届いたのか気になりますが、知り合いにはとても面白かったとか、早速家づくりに取り入れたいとか、嬉しいコメントを頂きました。今回のセッションで少しでも家に関するTransormationが起こっていくことを願いたいし、自分自身も動いていくつもりです。

結局のところ、いまつくる住宅の未来や、そこでの暮らしや周辺の環境まで考えているかどうかが重要であって、ただ売るために住宅をつくることはこれからの時代淘汰されていくべきだと改めて思います。

また、150年というスパンで考えると今ある家のほとんどは存在してないわけで、結局は地域づくりの視点で住まいを考えないといけないなと改めて考えることができました。急激な人口減少が間違いなか、ライフラインを全ての地域を遺すことは不可能という視点でのまちづくり。もしくは、オフグリッドで暮らす地域づくりというのが未来志向なのかもしれません。

自分の役目を再考する

そもそも、自分がプラスディー設計室を立ち上げた一番の目的は「もっと考えた住まいや建築をつくる」ということでした。大変失礼な話、住宅にしろ、一般建築にしろ、公共建築にしろ、地域に建つ建築を見てとても考え抜かれたものとは思えないものばかりと感じ、せめて自分はしっかりと考え抜かれた建築を少しでも拡げていこうと思い設計事務所をやってきました。デザインマーケットを開催したのもそういう想いの延長上です。

そして、全然自分のせいではありませんが、最近では工務店も本当に良い住宅をつくっていると感じており、なんかそういう視点での使命感はもう必要ないかなと考えています。若手の建築家がなかなか出て来ないのは残念なんですけど。。。

SELFと出会い、薩摩会議を通じて、改めて自分がやらなければならないと思うのは「持続可能な建築や暮らしの在り方を探ることとその実現」かなと。空き家率が3割を超える予測のなか、建築費が高騰するなか、今だからこその建築や暮らしの在り方を求めつつ、自分だからできることを大切に、活動や発信をしていきたいと考えております。今、やれることを。

※4月からプラスディー設計室の家づくりの設計方針を変更しました


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