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NL2-7SDの実践戦略

愛すべき神ゲー

2023年10月9日(月)AM6:20
トーナメントは遂にヘッズアップ。カバーしているSBのオールインに対してBBが長考してコール。
パットしたBBに対して、SBはまさかの2枚チェンジ
BB:Qロー
SB:248xx
1枚目は9、2枚目を一気にひっくり返すと・・・3
6時間以上に及ぶ激闘の結果、NL2-7SDの初代チャンピオンが決定した。
どうも、最後に2チェンで勝つというインチキじみた勝ち方をしたばとーです。
次回のJOPTにも採用されるかは不明ですが、初回から想定以上の84人もの参加者を記録してプライズアップもしたので、次回もあると踏んで、実践での戦略を今のうちに書き留めておこうというのが今回の記事です。

参加するハンドレンジについて

参加するハンドとしては、下記の師匠のnoteがあるので、こちらを参照して下さい。

本人はただ調べられる数字を調べただけと謙遜してましたが、はっきり言って有料級の記事です。私が優勝できたのはこの記事のおかげと言って全然過言じゃありません。
※追記:現在有料記事になっています。そりゃそうだよね、有料級の情報だもん。

有料の木原さんの記事もありますが、途中までは無料で読むことができます。

無料部分の内容としては似ていますが、師匠の記事の方が分かりやすく、読みやすいです。(有料の部分は読んでないので知りません。)

実践における参加ハンドレンジ

参加するハンドレンジについては基本的に
Tロー以下の1枚チェンジのドローハンド

Jロー以下のパットハンド
と、師匠のnoteに書かれていて、実際に自分もおおよそこのレンジで参加していました。

ドローハンドは師匠の記事にある通り、Tローの1枚ドローをオープンレンジの下限として問題ないと思います。ただ、次回があったとしても、おそらく深夜枠のそこそこターボのトーナメントと思われるので、このようなハンドを一生待っていたらブラインドですぐに瀕死になります。引けるとも限らないですし。

なので、実践では「Tローの1枚ドロー」で、できればT以下のカードがペアっている方が・・・なんて欲深いことは言ってられません。ミドルポジションぐらいからはスチールお願いの「強い2チェンや、強いJローのドロー」もオープンが必要になってきます。ブラインドから3bet来ないことを祈りなら待ちましょう。

パットハンドの方も師匠のnoteに従ってオープンレンジはJローを下限として良いと思います。ただ、Jロー完成の中でも優劣があって、例えば「JT983」みたいなオープンしてパットしてチェックしてブラインドのドロー滑りを願う小銭稼ぎのようなハンド(かつ、3betが来たら速やかに降りるハンド)もあれば、「J8632」みたいに3betが来てもコールしてポジションによって1枚チェンジかパットか選べるハンドもあるので、この辺りは相手のこれまでのアクションとアグレッションに合わせてアジャストが必要なところです。

Tロー以下のパットハンド」は基本全部3bet以上、20BB以下の3betオールインにもコールで問題ないと思います。ただ、Tローで3betして固そうなビックスタックの相手から4betが返ってきたら泣く泣く降りることになりそうです。強さ的にはNLHで言うところのJJなので5betオールインでもいいのですが、相手の4betに強いドローやブロッカーを利用したライト4betを実践では見なかったので、9ロー以下のパットハンドが出てくると思った方がいいでしょう。あとは同じTローのキッカー勝負になりそうです。その相手のこれまでのアグレッションと双方のスタック見ながらその場の判断になりそうですね。

9ロー以下のパットハンド」はもうSSSRぐらいのプレミアなので、プリドローでは全部入れられるなら入れちゃって、チェンジラウンドに進んだ場合も積極的にポットやポットオーバーのベットで攻めていきたいところです。

プリドローのハンドレンジがほぼすべて

師匠のnoteに加えてなぜここまで参加ハンドレンジについて更に言及したかというと、「プリドローでどのハンドで参加するかの構築がほぼこのゲームのすべて」といっても過言ではないからです。

「引けば勝つる!」みたいな感じで中途半端なハンドで参加率を上げていると、よっぽどの引き強でもない限り簡単にバーストします。強めのドローハンドでさえ、半分はショーダウンバリューのないドローミスになるゲームなので、それらをうまくブラフに変えていく覚悟と技量に自信がない場合は参加はやめておいた方が無難です。

実際にハンドが配られてみるとわかりますが、このゲームNLHよりさらにプリドローで降りることが多いです。J以上のカードを2枚見た時点で他が234とか237とかでない限りスナップでフォールドです。1ゲームがすごく短いので、相手の観察でもしながら次のハンドを待ちましょう。

ドロー後のベッティングラウンドについて

これに関しては正直よくわからんというのが本音です。ただ、考え方としてはAKQゲームと同じ考え方で良いのではないかと思ってます。

※AKQゲームのGTOについては自分で調べてね。

オープンレイズに対してBBがディフェンス。
チェンジラウンドでBBが1枚なり2枚なりチェンジ、
オープン側がパットか1枚チェンジ。
BBがチェックもしくはドンク、
オープン側がレイズ、コール、フォールドする。

というのがSRPでのオーソドックスな展開です。

このゲームではボードが存在しないので、自分のハンドしかアクションの基準になるものがありません。しかし、難しいのが自身のハンドがAなのかKなのかQなのかが正確にはわからないところです。私の感覚では以下のような感じです。
7ロー:ハイパーウルトラ超強いA(脳死でベット、ベット、レイズ!)
8ロー:
超強いA(ほぼ脳死でベット、固そうな奴からチェックレイズ来てもコールやさらにレイズ検討)
9ロー:
そこそこ強いA(ベットできることはできるが、チェックレイズが来た場合は9以下のキッカーや相手のアグレッション次第)
Tロー:
Aに近いK(シンバリューベットできるランクではあるが、チェックレイズが来たら吐きそうになるので、チェックするのが無難かも)
Jロー:
純粋なK(脳死でチェックしても問題ない)
Qロー:
限りなくQに近いK(ドンクが来たらキャッチに行くかどうか、SDVに賭けた方が無難)
Kロー、Aロー、その他ペア:
Q以下(ドロー滑りとしてブラフ検討候補だが、Kロー、Aローはお祈りSDVでも可)

実際にTローでシンバリューベットしたら、師匠からチェックレイズ返ってきて、吐きそうになりながらコールしたら9ロー出てきて負けたので、Tローと9ロー辺りがAとKの境目になりそうです。

ベット額について

これもよくわからんというのが本音です。どうやら木原さんの有料部分にその辺のことが書かれているらしいので、気になる方がいれば買って読んでみてください。

一つだけ指標となる計算をするのであれば、BBのディフェンスレンジをTロードローと仮定して、確実にキャッチされるであろうTローを実際に引く確率を考えてみます。
例えばT985xから1枚ドローでTローを引ける確率は残りの47枚から、被ってない23467の5種類それぞれに4枚ずつなので、20枚。つまり
20/47=42.6%
ただ相手のアウツの中でオープンした自分が23467をある程度所持している仮定なので、いくらか確率が下がることを考えると、相手が1枚チェンジ後にそもそもキャッチできるハンドを持っている確率は40%を切る計算になります。
SDVの無いハンドでチェックレイズが返ってこないのであれば、60%以上も降りてくれることになるので、あまり大きな額をベットせずとも自分のSDVが無いと感じたら毎回ベットしても利益的のような気もします。

※この辺りはすごく単純化した個人的な計算なので、この話を鵜吞みにせずもっと研究している先人の戦略を勉強した方が良いと思います。チェックレイズブラフが返ってきても責任は取りません。

実践でやってはいけないと感じたこと3選

基本的な戦略の話はここまでで、実際にプレーしていて個人的にこれをやるとマイナスと感じたことを3つ挙げておきます。自分はしてませんでしたが他のプレイヤーがやっているもしくは、相手にする場合は助かったという感覚でした。

1、アウポジでのパットハンドのコール止め

SBやBB、ポジションがある人からの3betにコールして、JローやTローでパットする行為です。ドローハンドのオープンや3bet側からすれば、タダでチェンジできますし、ハンドがJローや強くてもTロー辺りと予測ができてしまうので、強い人相手だと積極的にポラライズされる対象にされますし、ドロー側が引けなければ諦められるだけです。
アウポジでコールしてパットするぐらいなら、降りてしまうか、3betや4betしてフォールドエクイティを取りつつコールされたらパット、チェックした方がまだ利益的だと思います。

2、2BBオープン

NL2-7SDではBBアンティが1.5BBぐらいに設定されているので、スチールが非常に利益的な行為です。だからと言ってスチールしたいとNLHの感覚で2BBオープンしていると、BBに、1BBで6BB(オープンの2BB+SBの0.5BB+アンティの1.5BB+BBの1BB+これから出す1BB)のポットを争うという6回に1回勝てばいい、という超有利なオッズを与えることになってしまいます。BBはプリドローのヘッズアップでコールしてしまえば、1回しかないチェンジラウンドに確実に進めるので、自身のハンドのエクイティを100%実現させることができます。BBはポジションが無いとはいえ、NLHのようにポストでエクイティを実現できないということがなく、相手のドローがミスするだけで、たとえ3チェンだろうが、少なくとも6回に1回ぐらいは簡単に捲れます。BBに有利なポットオッズを与えないために、最低でも2.5BBオープンや、ブラインドが浅いうちは4BBオープンぐらいをすることをお勧めします。

3、降りてから他の人のプレーを見ない

まあこれはそこまででもないですが、このゲームは1ゲームのうちに
プリドローラウンド
チェンジラウンド
チェンジラウンド後のベッティングラウンド
と1ゲームあたりのアクションが3回と他のゲームに比べて判断基準が極端に少ないゲームです。なのでその3回のアクションだけで、自身のアクションの判断するには材料が少なすぎて「全然わからん。チェック。」みたいなことになってしまいがちです。
なので、卓にいる他のプレイヤーが
どんなハンドで参加しているのか、
ブラフの頻度はどれくらいなのか、
バリューを打つ下限をどの辺の強さに設定しているのか、

など自分が参加していないときもある程度他のプレイヤーを観察して、それらも判断材料に加えることが重要になってきます。

最後に

1回優勝したぐらいで何をプロみたいに語っとんねん!というツッコミが飛んできそうなのことも重々承知ですが、もしこのNL2-7SDという愛すべき神ゲーをやるうえで、参考になれば幸いです。次回のJOPTでこのゲームがあればもちろん参加しますし、私のnoteを読んだという人が一人でも声をかけてくれれば幸いです。

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