「ベイトマンニュース」スコットランド生活㊼祝一周年。振り返り、また進む。

今年の本部道場の鏡開きで、夫が長年続けている合気道で五段を頂く、という嬉しい出来事がありました。この度夫を推薦して頂いた日本の師範や今まで一緒に稽古をしてくれた仲間たちには感謝の気持ちでいっぱいです。と同時に、30年以上も情熱をもって合気道の稽古を続けてきた夫の努力は、なかなか真似のできないことやなぁ、と心から感心しています。
この度の昇段をきっかけに、夫は今までの合気道人生を振り返り、改めて自分にとっての合気道が何か、ということを考えたと思います。そして「今までよう頑張ってきたな。」と自分を褒め、認め、これからもその誇りを胸に、合気道の稽古を続けていくと思います。

こんな風に昇段であれ、誕生日や結婚記念日、あるいは卒業や引っ越しなど、自分の人生において「今まで」を振り返る「区切り」の時があります。
毎日の暮らしの中や修行の最中は、とにかく目の前にあることに必死で、ただただ前だけを見て、ひたすら進んでいくのみやけど、こういう「区切り」の時に自分が通り抜けてきた時間を振り返るのは大切なことやな、と改めて思います。
そこでもし過去にしがみついてしまったとしたら、またそこから前に進んでいくのは大変になるけれど、一旦振り返り、認め、また進む、というプロセスはやっぱり必要なことやと思うんです。そういう過程を経てこそ、納得したり、反省したり、自信を持ったり、誇りを胸にしながら、更に前へと進んでいける。

さて早いもので、私たちがスコットランドに引っ越して、今日でちょうど一年が経ちました。一年って、びっくりですよね。ほんまにあっという間。感覚的にはめちゃめちゃ早かったです。
それでも振り返ってみれば、この一年の間にいろんな新しいことを経験し、ものすごく感情を揺さぶられた日々を過ごしてきました。
どこに行くにも不安で、どこを訪れても「お邪魔しまーす。」感が拭えず、この地に根を下ろすという感覚とは程遠かったのに、いつの間にかここ、スコットランドが私たちの住処になっています。
それでもまだまだ「落ち着く」には程遠い、模索の日々が続いていますが、それでも今年は今までよりももう少し、日々を楽しんでいける予感がします。

2年目の今年やりたいこととしては、今暮らしている家をもっと「私たちの家」にすること、庭づくりに取り組むこと、仕事を頑張ること、スコットランドのあちこちを見て回ること。それからもっとゴルフをすること、でしょうか。
自分が感じたことをそのまま、どんどん文章に書き続けていきたい、というのも大きな目標の一つです。

子供が巣立ち、また夫婦2人の暮らしになり、新しい土地で、新しい仕事を始め、新しい人間関係を構築中である私の人生は、まだまだ大変な修行の真っ只中です。
私はほんまは「安定」が好きで、冒険や挑戦はできれば避けたい、と常に思っている臆病な性格なんですよ。
でもこれまでの自分の人生を振り返った時に、一番楽しかったな、充実してたな、頑張ってたな、と感じるのは、やはり挑戦や冒険の真っ只中にいた時だというのも真実。
だから人生後半戦に入った今、こうして夫婦で挑戦を続けていけることはありがたいことだ、と自分に言い聞かせて(笑)、これからもぼちぼちと頑張っていきたいと思っております。

さて2年目の私たちのスコットランド生活は、いったいどんなふうになるんでしょうね。また来年、振り返ってみるのを楽しみに、日々を丁寧に過ごしていきたいと思っています。