ASEAN理髪店
今日久しぶりに理髪店に行った。
理髪店。。。何となく懐かしい響きだ。
仕事の関係で地元を離れたばかり。引っ越してから、まだ慣れてない近所の道を車で走っていると、1件の大型の理髪店を見つけた。
看板を見ると1600円と安く、それに異常に広い駐車場だったので、
何となく気になってしまい入ってみることにした。
なんと駐車スペースが60台!
車を止め建屋に近づいてみると、窓越しに10人以上のスタッフが
髪を切っているのが見える。
理髪店ということで、お客さんの年齢層は高め。
髪を切っているスタッフはおじさんばかりで、
あとは若い女の子、おばさん、おじさんを含め15人以上はいる。
一見単なる大型の理髪店のように思えるが、何か違和感がある。
何だろう・・・これは・・・
何だこの雰囲気は・・・
(ざわ…ざわざわ...)
勇気を持って入ってみることにした。
カランコロン♪
イッラッシャィマセ~~!!!
いや、明らかに何人か発音がおかしいやん!
パンチパーマの効いたおばちゃんが近づいてきたので、今更止めますとも言えず、とりあえずカットと髭剃りをお願いすると、15席ある中から1番右端の1番の席に案内される。
席に座り、周りを見渡してみると、
2つ横の席でフィリピーナであろうおばさんが顔剃りをしていた。
一通り終わった後にわかったことだが、
ここは分担制の理髪店であり、何となく話し方や顔つきから判断すると、
顔剃りは女性(中国人?アジア系?)、髪切りはおじさん(日本人?)、
シャンプーもおじさん(中国人?タイ人?)、ドライヤーは女性(日本人?韓国人?)。
全員日本語が分かるので、特に問題は無かったが、時折何語か分からない会話が飛び交う光景にニヤついてしまっている自分がいた。自分の髪型がどうなるのかよりも、従業員が気になって仕方がなかった。
この人らはどうしてここで働く事になったのだろう。勝手に妄想が始まる。
その妄想がアジアを旅していた頃の気持ちを蘇らせた。この状況、なぜか楽しい。凄くワクワクする。もっとカオスを頂戴。
やっぱり自分はアジアから抜けれないと思った。潜在意識として中毒性になっている事を認識させられた。
一見、何の変哲もない店舗なのだが、私にとってその雰囲気は、過去の記憶により勝手に毒と変換され、その毒が全身を駆け巡り好奇心を刺激し、見慣れた日本理髪店の光景が魅惑なテーマパークへと変貌した時間だった。
家に帰って気付いたのだが、左右の髪の毛の長さが違った。
二ヤついて許してしまうのも、アジアのユートピアなのだ。
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