中学入試への国語4「類義語と対義語は説明文を救う。」

中学入試を中心に国語の苦手な人に
国語力をつけるヒントが盛りだくさん(になる見込み)の
「中学入試への国語」シリーズ。

マガジンにまとめています!

https://note.com/batakeys/m/m99a84d4a3244


今まで、語彙力の大切さ、漢字学習の大切さをお伝えしてきましたが、
その中でも特に丁寧に学習してほしい語彙は・・・

類義語と対義語

です。


似た(同じ)意味の言葉と逆の意味の言葉
・・・語彙問題の鉄板ですね。

まず、類義語と対義語の問題は、
ダイレクトに入試に出ることも多いです。

類義語を書きましょう、選びましょう。
対義語を書きましょう、選びましょう。
こういった問題は、知ってるだけで点を取れますから、セットで覚えておくことが大事。

出題される言葉はある程度決まっているので、ふだん使っている問題集で出題されているものをしっかり学習しておきましょう。

もっと大事なことを。

実は類義語と対義語の知識は、
特に説明文の読解問題で、
力を発揮するのです。

説明文・評論文の読解で大事なのは、
「筆者の主張をつかむこと」と
「対比をつかむこと」です。
前者では類義語、後者では対義語の知識が武器になります。

「筆者の主張をつかむことにおける類義語の重要性。」

文章の中では、主張は繰り返されますよね。
同じ主張が書いてある文章を線で結んで要旨をつかむ。
説明文読解で大事な作業ですが、このとき、類義語の知識があると、線で結びやすくなります。つまり、要旨がつかめます。

「便利=重宝」という類義語の知識があれば、
「この道具は非常に便利なものなのである」
「昔から重宝されてきたものにハサミがある」
道具=ハサミであることがわかりますよね。

また、定番の「説明問題」にも類義語の知識は威力を発揮します。
「敬服せざるをえないのである」
を説明しなさい・・・と言われたら、「敬服=関心」という類義語の知識を使って「感心すること」と書けばよし。

難関校ほど出題される「説明しなさい」は、
「よりわかりやすい言葉に言い換えなさい」という問題なので、
よりわかりやすい似た意味の言葉に置き換えられれば、一丁答えができあがりでございます。そのときに類義語の知識が必要なことはおわかりですよね。

「対比をつかむことにおける対義語の重要性」

説明文や評論文では、2つのものを対比しながら
論を展開します。

Aは同質だが、Bは異質だ。
Cは一般的だが、Dは特殊だ。
Eは架空の存在だが、Fは実在している。

そして、その「違い=対比」が問題として狙われやすいんですよね。
たとえば「違いを明らかにしながら説明しなさい」という記述問題です。

こういうときは、
逆接「だが」の前後に対義語を配置すれば、
一丁答えができあがりでございます。
中には、片方だけ言葉が示されていて、
対義語を考えて書かせる問題もありますので、
やはり対義語の知識は必要ですね。

以上、説明文読解における類義語と対義語の重要性について、
詳しく述べてきました。

漢字ドリルで、このページは重点的にやるべきですし、
ここをマスターできると、まちがいなく読解の得点は上がります。
あ、やるときは意味を考えながらやりましょうね。
ただ、覚えるのではなくて、意味をセットに・・・
これは前回までの記事を確認してください。

と言っても、生徒の皆さんは類義語と対義語がとっても苦手です。

説明文で出てくるような抽象的な言葉が多いから当たり前ですよね。授業では例文を使いながら、少しでも身近な例でイメージして覚えてもらっています。

類義語と対義語と仲良くすることで、説明文とトモダチになりましょう!


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