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物語創作についての雑感

告知

 最近はキャラをいろいろつくっております。

 なかでも最大の活動であるゲーム制作、『ふりかけ☆スペイシー』の第一段ビジュアルが出ました。

 もうトレーラー動画もできているので、数日中に公開しようと思っています。歴史に残るバカゲーを目指しております。どうかご期待ください。


 あとまじめなコミティア漫画とかも考えていて、物語を考えない日はないですね。それで強くなれるってことはないでしょうが、それなりに「物語創作についての考え」じたいもたまってきたのでここらで放出させていただきます。


創作とは虚構というより誇張なのではないか?

 創作というのはでけえ嘘、虚構だとよく言われますが、本質的には虚構というよりも誇張なのではないかと思ったのです。捉え方の違いでしかないですけどね。

 「創作は模倣にはじまる」的な話とも近いのですがちょっと違う。というか模倣と創作に境など無いと思う。

 抽象的な例をあげます。夢というのは物語とか神話とかに最も近い現象ではないかと思いますが、基本的に夢自体は創作物としての体をなしていないですよね。不定形に展開される映像はあくまでも自分の主観でしかとらえられないので、そのまま共有しえるものではないわけです。だからどんな面白い夢もまっとうに作品たりうるのは「夢を面白おかしく語る」ということをしてからなわけです。『ねじ式』なみに変な夢は誰でも見るけど、『ねじ式』なみに面白いマンガをそうそう描けないってことかな。

 つまり創作の本質も技術も、「面白い夢を見る力」ではなく「夢を面白く語る」ことにあるわけです。あたりまえですが。

 ということからいくと、話を構成して、編集することこそ物語創作なのではないかと言えるんじゃないでしょうか。


桃太郎も誇張から生まれたのかもしれない

 もう一つ例を出します。みんな知ってる『桃太郎』は、江戸時代に草子として出版されたことで広まったそうです(江戸以前から本がある可能性もあり)。

で、その当時の本ではもっぱら「川から流れてきた神聖な桃を食べて若返った夫婦から生まれた子供が桃太郎」というおはなしだったそうです。それが江戸後期から桃からダイレクト出産する形に変化したというわけです。
(出版されていないだけで桃から生まれるパターンの方が古いという説もあるそうですが、とりあえず前述のような流れだと仮定しましょう。)

 この「若返り」パターンとその後の冒険譚を仏教の功徳を説いた説話物語からの流れと考えることもできそうなのですが、その前に「栄養豊富な食品で子づくりに成功」って話ですからね、今もオーガニック商品の説明文あたりにゴロゴロあるような話です。実際にそういうことがあってもおかしくないよね、って感じがする。当時は40代でも老人扱いということを加味すれば、マジでなんか若返った老夫婦がハッスルして高齢出産するなんて話は十分ありえる。

 つまり、その辺にあったか、ありそうといえる程度の若返り話が、ありがちな説話物語的な語り口に発展し、若返った夫婦が子供を産むまでの冗長なパートを端折った結果、最終的に桃から子供が爆誕する話になった、という風に桃太郎の出だしの成立をとらえることが可能です。

 まあ実際の歴史としてはそう単純ではないだろうとも思います。口承民話というのは大量のバリエーションをもったものが集合と分離を起こしまくるものなので、もっと複雑な経緯があるだろうと思いますが、それは今回の本題ではない。

 重要なことは、「ありがちな話を盛りまくれば日本一の昔話ができる」ってことです。うまい物語を作って楽しく暮らそうと思う以上、一から創造するなんてことは考えず、どこにでもある話を盛りまくっていくことが重要なのではないかってことです。このスタンスで一年やっていくので、それでうまくいくかどうか見てて…。

 ちなみに私がいちばん好きな昔話は力太郎(垢太郎)です。ケガレから英雄が生まれるというのがめちゃくちゃかっこいいと思う。 


あとは大喜利

 そしてもう一つ面白くするには(特に大衆に受けるには)大喜利的なセンスが重要なのではないかと思います。大喜利と言っても直接ギャグを言うってことではなく、「お題」に対して「ひねった解答」を用意することで物語をつくることです。

 「めちゃくちゃな危機」→「思いもよらない解決法」という流れって、バトル漫画でもミステリーでもギャグマンガでも、王道と言える面白い展開ですよね。それって作品の中で作り手がひとりで大喜利しているようなもんじゃあないですか。

 逆に悲劇的展開というのも「平穏だけど不穏な影がちらつく」→「どうしようもなく悲しい状態」という風に流れていくのが基本だと思うので同じではないか。

 つまり「面白い展開をつくる」ということは、そのシチュエーションとして「めちゃくちゃそそるお題を出す」「めちゃくちゃ面白い回答を出す」という二つの行為だと考えられます。『機動戦士ガンダム』や『ONE PIECE』といったバカ売れした作品はその「お題」と「回答」がだいぶわかりやすいので、そこに対するアンテナがあるといい気がする(ワンピースは回答はだいぶガバガバだと思うが明快なので成立させている)。『鬼滅』は読んでないんだけどきっとそうなんじゃないかと思う。

 panpanyaの『動物たち』という単行本に乗っている『貒(まみ)』という作品(たしか初出は同人誌)は、短編ながら『お題→回答』の面白さがたっぷり詰まっているので大好きな漫画です。短編でいちばん好きな漫画の一つです。

まとめると「嘘をつこうとすると大変なので、『実際にあった話を膨らませる』みたいなノリで物語を作る」、「ひとり大喜利しまくって面白い展開をいれまくる」ってことですね。私の計算によればこれだけで理論上絶対に勝てる(PCカタカタ)。


日記

 大久保の鴨料理屋(小魏鴨脖店)に行った。安いしおいしいんだけど、辛かった~。店員客ともに中国人しかいない感じで旅行行ったみたいなアウェイ感があって面白かった。麻辣湯という麺が店内飲食における看板メニューのようでしたが、めちゃくちゃ辛いしシビれるので慣れている方以外オススメしません。持ち帰って、家で白飯といっしょにたべるのが良さそう(たぶん店内メニューに白飯はない)。

 メルカリでいろいろ古本を買った。ゴスロリ文化をもっと勉強したいと思って、ゴスロリファッション誌とか買った。そもそもファッション誌を読むこと自体はじめてだったんですが、あまりにも内容がうすくてびっくりした。いや、読み物として読んでいるからなんだけど、自分の身なりに興味のない人間としてはびっくりですわ。本の8割が宣伝みたいなもんじゃん。トイザらスのパンフレットはたしかにテンションあがるけど(今は無いらしいですね)、それに千円も払えないよ!

 花見に行った。桜は完全に散って青々と葉が茂っていた。レジャーシート敷いてやるタイプのいわゆる花見らしい花見ははじめてだったんですが、楽しいですね。本来ホームレスしか許されていない京楽をやれる感じ。

 『トップをねらえ2!』を見返した。4話の庵野秀明絵コンテ回はやっぱりすごい。自分の作品のオマージュ演出をやらせてこんなにカッコよくやれるクリエイターはほかにいないのではないか。新作つくれないならせめて『シン・トップをねらえ!』にしてくれ。で、その流れで酒井法子の曲をめっちゃ聞いてる。なんで。

 『魔入りました入間くん』の二期がはじまった。また入間くんの女装回が来たらどうしようともうワタワタしてる。

 集英社がゲーム制作者囲い込みのためのサイト、『ゲームクリエイターズCAMP』というものをはじめたそうなので登録してみた。

 

にょ