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青色のノスタルジア号外

[ユニファー]
老人は真剣な顔をして黒服の男に話す。

「30年前、わしがまだ地球にいた頃の話だ。
当時20歳でかの有名なアルフレット神学専門学校に2浪して入学した。アルフレットに入るには世界トップクラスの大学を凌ぐペーパーテストと体力検査が行われる。毎年倍率は10000倍は下らない創立1000年を超える神学の名門じゃ
神学を学びたいと志したのは高校生の時じゃった。父の墓の維持費が払えなくなり撤去することになった。この時事件が起きた。撤去作業を終えた6人の業者は亡くなった。その内の3人は行方不明、2人は雷に打たれて死んでいた事がニュースになっていた。そのニュースを読んだその晩に私は夢を見た。だが夢よりも遥かに鮮明で現実のようだった。気づくと緑豊かな原っぱに自分はいた。目の前に白く長い髪の男が立っていた。」
父かと聞くと父でないと返答されその男はこう続けた。
「血は繋がっているが君の父親ではない」
「君の父は若くして死んでしまったな、50歳で死ぬとは我が一族は廃れたもんだ」
白髪の男は父を馬鹿にするような言い方をした。
当然私は良い気分ではない遠回しに私のことも侮辱している事にも腹が立った。しかし、怒りを抑えた。だが、これだけは言っておきたかった。
「父さんと母さんが死んだのは弱いからじゃない!」
「貴方は誰?」
「私達を知りたくばアルフレットに入る事だな、そして、地球全体を見通す事だ」
視界が段々と不鮮明になっていく。しかし、もう一つ何か手掛かりが欲しかった。
「あともう一つは無い?」
背を向けて帰っていく白髪の男に叫んだ。
「墓に行け」
日差しが眩しかった。ベットから起き上がりメモ帳を開いて夢の出来事をメモに残した。

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