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ペルソナ5タクティカ レビュー記事


2023/11/17発売となりました、株式会社ATLUSのペルソナ5シリーズ最新作、
「ペルソナ5タクティカ」クリアしましたのでレビュー記事になります。
公式サイトはこちら

なお、公式ガイドラインに則り、以下全ての画像は第二キングダムまでの
ものとさせていただきます。
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総評 ペルソナシリーズ新機軸の原石

ゲーム性としてはパズルゲームに近いです。ペルソナシリーズの特徴である
1moreと総攻撃による一蹴の爽快感を新しいフォーマットに落とし込んで
おり、ある程度ラフにプレイしても充分楽しめると思います。
一方、ファイアーエムブレムに代表されるような、いわゆるストラテジー
ゲームをプレイしたい方には物足りないかもしれません。

カジュアルで爽快、とっつきやすい一方、ゲームとしての奥行きがもう
少し欲しかった、磨けば光る原石といった印象。

ボリューム

難易度ノーマルでストーリーとDLC、およびサブクエスト含めて30時間前後で一通り遊べます。
フルプライスにしてはボリュームが少ないように思われると思いますが、
個人的には物足りなさはありませんでした。
というのも、シナリオのテキスト量で言うとおそらく同系列の作品
「ペルソナQ」「ペルソナQ2」と同じくらいだと思います。
ゲームの性質上プレイパートがサクサク進められるため、総合のプレイ時間が短くなっているのだろうという感じ。

ストーリー

詳細はネタバレになるため記しませんが、根底にあるのはペルソナ5
シリーズ共通の「世の不条理を受け入れるか、抗うか」というテーマ。
今回はそこにちょっと捻られた状況設定も加えられており、
中々面白かったです。

あと、伏線というか、プレイしていて「ここ気になるな…」と思うところが
中盤のクライマックスシーンで怒涛に回収されていきます。
演出も相まってこの部分だけでもプレイする価値があったなと思いました。

この辺り、もっと細かく語りたい部分があるのでいつか(ネタバレ解禁されたら)別記事を書きたいと思います。

ゲーム性

ざっくり説明

上にも描きましたが、パズルゲームに近いゲーム性です。
バトル前に参戦メンバーを三名決め、バトルスタート。
敵は物陰に隠れていると「GUARD」状態となり、ダメージが軽減されます。

「GUARD」状態の敵

スキルを使うと敵に位置を移動させたり、敵の「GUARD」の解除が可能。
そして、「GUARD」が解かれた相手に攻撃すると相手がダウン、「1more」
となります。

エルのスキルで「GUARD」を解いた状態。ここで攻撃すると・・・
敵がDOWN、1MOREを獲得。

ダウンした相手を味方三人で囲うと、三角形の範囲内の全ての敵に総攻撃が
入ります。

燃える線の間にいる敵が、総攻撃の対象。

面白いのは、行動していないキャラクターは好き勝手動き回れるので、
この三角形の形を自由に変化させられること。
より多く1moreを得る事でより遠くまで移動し、三角形の面積をより
大きく、総攻撃の対象をより多くすることが基本戦術になります。

左下の巨躯の敵をDOWNさせ、パンサーが1moreでより遠くへ

良い点

・ペルソナシリーズの爽快感を損なわないプレイ性
上の説明の通り、ペルソナシリーズの個性である1more、総攻撃の要素が
新規フォーマットに取り込まれ、爽快感を損なわないプレイ性を維持して
いるのは見事。

・気軽にメンバーを入れ変えられる
プレイしていて最初に気になったのは、バトル参加者が三名というところ。
折角のペルソナ5シリーズ作品なのだから、怪盗団メンバーを全員使いたい
と思う人が多いでしょう。
この点については制作側も承知しており、メンバーを全員使ってもらおうという配慮が感じられる仕様が多くあります。

いわゆる「レベル」の数値が怪盗団共通
 これにより、バトルに出さなかったメンバー、出したメンバー間に
 レベルギャップが発生せず、いつでも全員戦力になります。

前回のバトルに出撃していないキャラクターにボーナスが入る
 前回のバトルに出撃していないキャラクターは「絶好調」状態となり、
 HP・SP上限にボーナスが付きます。
 これにより、同じキャラクターで連戦するより、都度キャラクターを
 変更した方がバトルで優位になります。

右上の「怪盗団レベル」を全キャラクターが共有、青く光っているのが「絶好調」。
この戦いが終わるとジョーカー、パンサー、エルの三人は「絶好調」でなくなります。

いまいちな点

とにかくとっつきやすくカジュアルで遊びやすい一方、物足りなさを感じる
面はあります。

・スキルの特徴が薄い
今作ではスキルは「GUARD」を崩す方法として割り切られており、
ペルソナ5本編のような「弱点属性を突く」要素がありません。
本作に属性の仕様を取り入れると「良い点」を打ち消してしまうと思う
ので、これ自体はいいと思います。

一方、スキルの種類はそのままのせいで、スキルごとの特徴が薄いです。

念動系と核熱系はどちらも敵を引き寄せる。引き寄せの起点が異なるが、差別化としては弱い。

今作ではベルベットルームで作成するペルソナ達は「サブペルソナ」として付け替え可能なのですが、スキル二つとステータスアップをキャラクターに付与する「装備品」の一種として割り切られています。

ゲーム性上仕方ないですが、少し悲しい…

・ゲームプレイの幅が狭い
個人的に最大に惜しかったなと思う点がここです。
プレイヤーの行うことがシンプルな故に、敵の種類やステージギミックに
工夫を凝らすことで奥行きの出るゲームだと思うのですが、現状どちらも
乏しく、ステージは後半単調に思えてしまいます。
本作品のゲーム性を活かしたまま+αの要素をもっと取り込めたんじゃないかと思ってしまう部分がありました。

…と思ってしまうのも、DLCとしてプレイ可能な「Repaint Your Heart」にて
本編には無い大体的な新規ギミックが追加されているのですが、これが滅茶苦茶面白いです。

「このゲームにはまだ拡張の余地があるんじゃないか?」と可能性を感じ
させてくれるが故に、本編の口さみしさが勿体無いように思いました。

個人的に、本編と合わせてDLCも遊んでみてほしいです。

最後に

ペルソナシリーズ初のシミュレーションRPGということで、今までにこの
ジャンルのゲームをプレイしたことが無い人達に遊びやすく調整されている
良い作品です。
ペルソナ5シリーズのファンは買って損はないと思います。

一方、「シミュレーションRPG初心者でも遊びやすい」に特化しているのでシミュレーションRPG経験者には物足りなさが拭えないかもしれません。

より面白くなる可能性を秘めたゲームシステムだったので、本作を入門編に
タクティカ系の後続作品も出てほしいなと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
またの機会にお会いしましょう。


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