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不老不死の研究を読んで

 予防医療普及協会という団体をご存じでしょうか。2016年、ホリエモンこと堀江貴文さんや経営者、医師、クリエイター、社会起業家などを中心に発足。予防医療に関する正しい知識を普及させることを目的に活動している団体です。私は去年この団体の存在を知りました。
その団体が2022年12月に本を出しました。タイトルは「不老不死の研究」。すげぇ~タイトルだ。表紙を見るだけでワクワクする。ネットで買ってもよかったのですが、すぐ欲しかったので大きな書店へ。こういう感覚だと目次も見ないまま即購入です。

 内容はざっくり言うとフレイル、癌予防・検診、生活習慣病について。
がっつり医学的な内容なのかと思いきや医学以外の視点・学問が入っていて面白い。リハビリテーションについても書かれてあって読んでいて嬉しい気分になった。リハビリテーションは予防としてやっても効果が大きい。むしろやってくれ!と言いたい。

「フレイル」=虚弱という意味。加齢で心身機能が低下し要介護状態になる一歩手前。フレイル状態にある方は、病気が加わることで容易に要介護状態に陥るリスクを抱えている。

かなり専門的な内容になっているにも関わらず、わかりやすい言葉で書かれてあって読みやすかったです。日本はこれからも超高齢化社会がどんどん加速します。90歳を超えても元気な人が増えてきましたが、現場感覚としては基礎疾患が少なく、認知機能も保たれていて若々しい印象を受けます。

この本で言われているのは、①生活習慣病の予防、②最新科学を活かし若々しい体を維持する・補う、③病気は早期発見し致命的になる前に摘み取る。
言っていることは普通ですが、実際にはできていない人が多いと思います。だから病気になってから後悔される方が多い。
病気で入院することになった方が言うことは、「まさか。自分がこの年でなるなんて思わなかった」がほとんどです。30代や40代で入院になる方もいます。さすがに同情しますが、「完治しますか」と聞かれて「完全に元通りってわけにはいきません」とお答えすることが多いです。
脳血管疾患なら運動麻痺や認知機能障害、高次脳機能障害。運動器疾患なら骨の変形、周囲組織の変化、他関節との関係で不自然な動き、重症の方は切断に至る。どんな病気でも後遺症は何かしら起こります。私はとくに困ってないけど?って人はその程度の後遺症ということです。
私自身も両手を手術しています。普通の生活を送る上で困ることは減ったのですが、ここに至るまで1年以上かかりました。手に異常を感じたあたりで病院にかかったのですが、原因がわからず、手は動かしにくくなり一度固まってしまいました。指が曲がらなくなったのです。知識はあったので予測はしていましたが、検査結果が出るまでは、あの病気だったら仕事変えないとな~とか、これからの人生どうしようかな~とかいろいろ考えました。
手の専門医でも原因がわからなかったのですが、いろいろ検査してもらった上で手術という選択になりました。「お前の年齢(20代半ば)でこの病気はめずらしい。なるとしたら大きな負荷がかかるアスリートくらいだぞ。」と言われたけど、たしかにあの時期は仕事の内容上、手の負担は大きかったです。相談したのに何も変えなかった上司は、何ができて上司になれたのでしょうか。自分で仕事のやり方を変えたのですが手遅れでした。

話が脱線しましたが、予防医療は多少コストがかかります。しかし、病気になってからのコストと比べるとマシです。しかも、お金をかけなくてもできることは多いです。病気になっても社会復帰できるまでに回復すれば話は違いますが、どこかしらで制限が出てきたり時間・金銭的なリソースを取られたりします。要介護状態になると社会資源でサポートできない部分が何かしら出てきますし、家族の時間・体力・金銭的なリソースが介護に回ってしまい、家族の生活にも変化を与える威力を持っています。

 病気の予防には正しい知識が必要です。最近はネットで情報が拾いやすくなったと思いますが、考える事や情報量が多い時代で、仕事終わりや休日に病気の勉強とか普通しませんよね。そういう意味では、この本は病気予防の選択肢を提示してくれている。まさに「普及としての役割」を果たしている。まずは「知っていることが大事」というスタートラインに立たせてくれる本でした。
堀江さんのように知名度があり、影響力のある方がこのような活動をしてくれていることは本当にありがたい。これからも予防医療普及協会の活動に期待しています。私も微力ながら貢献できればと思いました。

不老不死の研究:堀江貴文・予防医療普及協会 著 株式会社幻冬舎

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