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ルカは何故ユニットを組むのだろうか?

※下記考察は、2023/7/24時点での情報を考慮の上で考察したものを主軸とし、10月31日時点で最後に加筆・一部修正を加えたものです。
※ルカやコメティックに関するメタ的視点も含めた考察、かつ、ルカシナリオに関するネタバレが含まれます。

※2023年10月31日追記
3カ月ほど寝かせていた記事ですが、追加情報は新曲ぐらいで、おおまかな予想の部分においては変わりがなかったので、一部結論だけ考えが変わりましたので、その辺りのみを加筆修正して投稿しております。
加入当時のリアクション含めお楽しみください。

シャニマスライブ『我儘なまま』は無事終了した。自分も現地に参戦した。
その中で、斑鳩ルカが『CoMETiK』というユニットに参加されることが発表された。

これに対して、シャニマス界隈、特に斑鳩ルカ界隈では賛否が上がっている。その状況を受けて、私が気になる点と、それに対する考察・反証を考える。
タイトルにも上げているが、現時点でどうにもポジティブな結果になるイメージがない。が、私はルカに不幸せでいてほしい、ネガティブでいてほしいわけではない。
気になる点を挙げた後、自ら後半で反証や考察していく形式を取り、できるだけポジティブな可能性がないか模索していく。


気になる点・モヤモヤな点

そもそも、ルカが283に入った理由は?

まず最初に上がった疑問としては、ルカは283プロに入ったばかりであり、そもそも283プロに入った経緯もイマイチ整理できていない状況である。その上、各283プロメンバーとどのように絡んでいるかも整理がついていない。灯織やシーズはまだ絡みがあったが、そのぐらいしかない。283プロの中でのルカの立ち位置が全くわかっていない状況である。その中で、いきなりまた新たなメンバーが追加されるということで、正直『ちゃんと現状が整理されるのか?』という不安が自分の中である。今のところジエピソードではシャニPやルカPを通して加入前にどういったことが起こったかの話はあるが、具体的にどういう条件や話で加入にいたったか、加入の決め手は、といった肝心なところについて、はっきりとした話は記載がないまま終了した。
もちろん多少はシャニPがルカに踏み込んだから呼応した面はあるだろうが、半ば弱ったルカを保護に近いような、そんな合流の仕方である。ちゃんとそのあと冷静に体調戻したルカが283プロに入る選択を改めてしたのか?その後の反応は?と言ったところが何も書いていない。アレで万事OK完了!となるのであればお粗末だろう。
現時点で不明瞭な点があまりにも多い状態でさらに追加の要素が落とされている状況なので、『なぜこのタイミングで新要素が?』と混乱しているというのが最初の感想である。

ジエピソードを見る限り、話し合いの上での加入というより、半ば『保護』に近い

ルカと二人の雰囲気が合うか?

先にリンクを貼っているが、既存のキャラクターたちよりも少しバーチャル3Dっぽい(といっても、シャニソンが3Dゲームだから仕方ないが)感じがあり、いくつかインターネットでも『Vtuberっぽい』という意見があり、それに私も同意している。公開されたのは確かに3Dゲームのシャニソン上ではあるが、それを加味したとしてもやはり既存のデザインより乖離がないだろうか?
仮にそこが「いやいや、そこは3Dだからなだけですよ」となったとしても、ルカと違ってあまり暗い印象やルカと近い要素が少ないように見え、『ルカとは違うタイプのキャラクターでは?』『なぜ、そんな人間がルカとユニットを?』という疑問も浮かんでくる。
ここは完全に主観なのと、そもそも「元々3Dしかないやないかいっ!」と言われたら確かにそうではあるし、enza版を見てみないと何とも言えない。ただ、自分は主観で少し引っ掛かりを覚えたのと、実際にそういった意見をいくつか見かけたのでこちらを考慮した。どちらかというと中身がどうかを考えるほうが重要か。

他メンバーのデザイン。個人的には髪色がルカと合わない気がしている。

どういう経緯でユニットに?

そもそも、斑鳩ルカは人と交流することをあまり好まない印象がある。ルカのプロデューサーや美琴、灯織のことも受け入れたり拒絶したり、と、とても気を許した人間にはすぐに心を開いていくが、いきなり拒絶モードに入ることも多々ある気難しい子である。加えて、そうそう新しい人間にすぐに気を許す印象は現段階ではない。私の中では、まだ気を許している美琴や、絡みのあるにちかと少しずつ仲良くなり心を許すスタイルかと思っていたため、ユニットとして合流するのであれば当然SHHisだろうと考えていたし、それですらかなり時間がかかると読んでいた。その中で、いきなり新ユニットが現れてしまったので、『283に馴染んでるか怪しい段階で他の新たな人間と交流できるのか?』という疑問がある。詳しくは後述するが、例えば本当に使い捨てのユニット的な、美琴やにちかに反発するために急造で作られた一時的なユニット、という考え方もできなくはないが、それだと283に加入してすぐ脱退してしまうのか?という新たな問題が発生してしまう。

SHHisとは合流しないの?

上記のようなこともあり、多少メタ的な目線にもなるが、283プロの外でやるほうが新メンバーを入れるにしてもやりやすい。特に先述のようなある種使い捨て(というと言い方が悪いが)のユニットであればより283プロの外でやった方がいい。283プロに入ると言うことは、283プロとしてどういう形であれ今後も関わっていくとしか考えられない。
逆に283プロに入るのであればSHHisとの合流しか線がないと思っていたので…。

モヤモヤ:誰やお前!!

ここだけちょっと口語体で書きますね。若干お気持ち入ってますので。
ぶっちゃけて言うと『誰やお前!!!』というのが素直なところ。

ルカが一人でやっていききれない→わかる
シャニPがなんとかしようとする→まー難しいと思うよ
ルカが283プロに所属する→うーん…けど、俺らが長年見てきている
283プロのアイドル達なら、なんとかできるかもなぁ
新人と組ませるね!!→???????????

という感じなんですよね。
ルカが283プロに入るかどうか、だけでも一部賛否あったように、それだけ他者と関わっていくことに難儀する子だと思っていますルカは。
ただ、283プロにいるアイドル達なら、まだ僕らが長く知っている人々なので、彼女たちとならルカもちょっとずつうまくいく未来はあるんじゃないのかな…と思っていましたし、心の整理もつきやすかったです。かなり時間がかかりそうだと思うけど。
そう!!!そう!!!283プロの既存のアイドルたちとの交流すら時間かかりそうな子だよ!?!?!?そこにまるで新しい人間!??!?!?!?なんで!??!?!??!
なんか裏の戦略でシャニソン売るために無理やり新しいユニット作ろうとしてないねぇ!?!??!?!?!?
みたいな気分です。
以上感情終わり。戻ります。

現時点で自分の中では上記に上げたような気になる点が現状で見受けられる。それに対してできるだけ反証や考察を入れていくが、元も子もないが極論言ってしまうと『公式が動くまでわからないよねぇ』となるが、それをいったん脇において現状で考えていく。

それに対する反証、考察

ルカの283への想いについて

現時点で斑鳩ルカの加入理由が非常にあいまいで、具体的には示されていない。WINGシナリオにおいても、どちらかというと283プロの価値を感じているような描写はなく、むしろ否定的だ。

WING優勝後のコミュ

WING優勝後シナリオでは『ひとりでも 勝てたじゃねェか』というセリフに加え、『ひとりじゃダメだって思ってんだろ!?』という、誰かと一緒にやること自体を否定する言葉もある。
このあたりをきっかけに、数少ないルカのエピソード”ジエピソード”を紐解いていくと少し見えてくるところがある。

下記コメティックのPVにおいても、入りこそ『信じられるのは自分の声だけ』となっているが、その後に『またうるさい音が…』というセリフが入る。

ここの『うるさい音が…』は、おそらくジエピソードの10話を踏まえたものだろう。

シャニPが保護をしたジエピソード10話の最後

ジエピソード10話では、シャニPが来た(283に加入した?)ことを『うるさい音』『バタバタと羽を乾かすようなうるさい音』として表現している。そこに肯定か否定かの意図は読めない。
ただ反面、ジエピソード全体では、音が止んだ静かな状態を『一見ルカが肯定しているように見えて、悲しみを覚えている』ように描いている印象を受けた。

ジエピソード1話。

ジエピソードの一話では、ファンや何とかしようと声をかけてくれるルカのマネージャーを”うるさい音”と表現している。しかし、その後の独白では、『それがいつか雨の音に変わってた この音もやんだらたぶん———』というシーンがある。
これに対して、肯定的な表現は何もない。
しかし、このセリフの演技を聞くに、『あーあ、うるさいやつがようやく消えたぜ』と言ったような意図はあまり感じず、むしろ消え入るようなか細い声、不安にまみれた声である。5話でもさらにルカマネをハッキリ拒絶する中で『今度こそ、ほんとに静かになる』とか細い声で言い、そのあとの6話では音が消えてしまった(ルカマネも来なくなった)ことに悲しみを覚え、『ぎゅっ』とするシーンが描かれる。

ジエピソード5話

ルカは、一人が何より不安だが、かと言って他者からの感情を素直に受け取る術を持ち合わせていない。不安ゆえに信頼しきれずに拒絶してしまう。
拒絶した結果、最終的に一人になって悲しくなってしまう。おそらくそういうことを繰り返して来てしまったのではないだろうか。
だから、ここで言う『うるさい音』は、あまり否定的ではない——むしろ、表向き否定するものの歓迎している——表現なのではないだろうか。

そう考えると、283プロに入ったのは、証明のためではないだろうか。自分が一人でやれるかどうかの。
先のジエピソードのストーリーでは、正直ルカは『他人は煩わしいと思っているが、一人でどうこうできない気がしてきている自覚が少しは出てきている』という感じだと考えている。
認めたくはないが、一人ですべて生き抜くことに違和感があり、一人でいいと表向きいいつつ、実は自分が人を必要としているのでは?と悩んでいるのだと思う。
だからそのモヤモヤを払しょくするために、283に入り、他人を必要としているのか一人でいいのか、を確かめているのではないか。
WING優勝後コミュも加味して考えると、ルカはそのように見える。

ユニット経緯:結束に対する反発

ユニットの経緯として
・ルカがユニットを結成する経緯

・鈴木羽那と郁田はるきの合流経緯
の2つに分けて考えていく必要があり、前者から考える。

・ルカがユニットを結成する経緯
自分の中でユニット結成の理由の有力な案は、"美琴・にちかへの反発や対抗"である。トリビュートギグにおいて、ルカが『美琴…そんな踊り方だった?』と、美琴のパフォーマンスをみて塞ぎ込んでしまうシーンがある。あれはにちかに影響を受けた美琴が、今までの考え方と違う形で踊ったからに他ならないと思う。にちかの影響だったかどうかまでは読み取れなくとも、少なくともルカが感じたのは、自分の知らない美琴。自分に対する否定。『美琴との距離感』ではないだろうか。せっかくまた距離を縮められた、美琴とはやっぱり一緒の考えなんだ、と思っていたのに、自分が嫌いと言っていた振り付けも(おそらく)入れられた。ルカは、そこで『美琴に裏切られた』とも感じただろう。当然美琴にそんなつもりはないが、ルカから見るとそうなのではないか。
今までのルカの人との距離感を見ている限り、『孤独ではあるが、人とは関わりたい』という想いを感じる。何も決してすべてを否定したいわけではない。灯織へ向けられた優しさも、あれは嘘偽りないルカそのもの。人に対するポジティブな行動が見られる。孤独故に関わりたいが、ちょっとしたことで怖くなり拒絶してしまう。強い拒絶を見せる一方で、気を許した人間にあまりにも距離を近づけてしまう。だからルカは美琴との距離感や執着が異常なまでにある。その美琴に自分の解釈と違うことをされて、別の人間としての側面を感じて、裏切られたと思った時、ルカは反発してしまうだろう。

『誰と組もうが、"美琴とは関係ない"、だろ?』

と言いそうなルカの姿が目に浮かぶ。まるで自分はひとりじゃないと否定するように。いや、自分はひとりでも、美琴抜きでもうまくやれるというように。美琴もにちかも勝手にやってろ、と言わんばかりに。そういうSHHisへの反抗心からではないだろうか。加えて、そこにはファンへの反抗も含まれている気がしないでもない。ファンに対して、多少プラスには考えつつも、『でもこいつらに何がわかるんだ』という想いもそこにはある気がしている。そのあたりは以前別のnoteで書いたので探してほしい。
現状、現実世界のルカファンにとっても反発される行為をしているわけだが、そんなルカファンを見て『じゃあ、それなら私のファン辞めろよ、私はお前たちのためのカミサマじゃない』と言い出しそうな感じもしている。
しかし、この美琴に向けた感情、ファンに向けた感情は、本心というより、反抗心というか、かなり広義の自傷行為に近いところもあると思っている。なのでそこには本当にやめてほしいという意図はなく、裏返しだと思っている。それでほんとにファンやめていったり、美琴が距離を置いていったら結局は寂しがりそうではある………ので、もし仮にそういった展開になってもルカを見守っていててほしいなと思う(お前は誰目線で話をしている?)。
そういった所がルカの難しいところではあるが、同時に魅力でもある。

それだけ気難しいからこそ、あまりポジティブな内容でユニットを組む選択肢が浮かばない。ユニットを組むのは、気難しさゆえの行動ではないかと考えている。

・鈴木羽那と郁田はるきの合流経緯
そもそも、なぜこのタイミングで…というところにも係る疑問なのだが、『この二人はどういうきっかけでやってきたのか?』という問題である。283プロに馴染むのすらまだ不明瞭、少なくとも現状馴染んでいるようには見えないルカと、全くの新人を283プロで組ませる理由はなんだろうか。そう考えると、何かしらルカとの関連があったり意味のある人物であると考えるのが自然ではないだろうか。これについて一部意見が上がっているのが『二人がルカのファン説』である(一部であり、総意ではない)。あれだけ熱狂的なファンを生むルカだ。アイドルの中にルカのファンがいても自然ではない。ルカのファンかつアイドルが283プロに何人も受けに来ることも想定されるのではなかろうか。その中でシャニPが魅了されたのがあの二人……。という形。

そう考えると自分の中で少しはしっくりくる。というのも、ユニット結成において自分の中で一番違和感があったのは、『気になる点』の項目でも触れた『ポッと出のヤツに果たしてルカは心を許すのか』という点である。
しかし逆に考えてほしい。『ユニットを生む上で心を許すのは必須項目なのか』ということである。そのことを頭に入れた上で、かつコメティックの二人がルカのファンであった場合、コメティックの二人はほとんどルカに従うばっかりで、あまり意見を言うことはないのではないだろうか。その場合、ルカはわざわざ心を許す必要があるだろうか。パフォーマンスの場面で自分の思うようについてきてくれる実力があり、最低限のコミュニケーションが取れれば、それでユニットそのものはいったん成り立つのではなかろうか。つまり淡々とパフォーマンスを一緒にこなすだけの関係性であり、心を許した存在ではない。

…と、考えれば"一旦は"理論が成り立つ、が、この理論には我ながら大きな穴があると思う。おそらくその状態でパフォーマンスが完璧に発揮されるかというとNO、そしてその状態をシャニPが許さない、必ずユニットとしての合流を目指していくはずだという点である。詳しくは次項目に記載する。
ここで触れなかった『283プロでやる意味は?』の観点についてもそこで語ることとする。

新たな疑問:美琴とはもう、合流しないのか

美琴との合流は、"ない”のか

斑鳩ルカを推している一人の人間として、私はあくまでもSHHis、特に美琴と合流してほしいという想いがあるのだが、ルカの新ユニットへの合流とはそもそも『美琴やSHHisとの合流』の可能性が完全に閉ざされてしまう選択肢になっていないだろうか。仮にコメティックの二人が、美琴への当て馬として入ってきただけで、その後辞めていってしまうのであれば、SHHisへの合流の可能性がまだあるだろう。しかし、アイドルマスターというコンテンツの性質上その可能性はあり得ない。既に外にいるユニットが合流したり、外にいるユニットがそのまま外にいるのであればわかるが、"一度入ったキャラが脱退する"はあまりにもコンテンツの根底を覆しかねないリスキーな手法である。

そう考えると、ルカはコメティックの中で馴染んでいく/馴染むようにシャニPが努力すると考えるのが自然である。その時点で、SHHisへのルカ合流は無くなってしまう。残った二人があまりにも薄い存在になってしまうから。もちろん、コンテンツの根底を覆しかねないリスキーなこと、をやってくれる可能性もまだ無くはないのだが…………それはそれで、どの道歓迎されることではないような気がする。

美琴と合流しなくても幸せな世界線

他方で、一旦ここですべての自分の中のファン的感情を捨てて考え直す。ルカが美琴なしでも幸せになれる世界線。
下記、かなりメタ的な話が入るので、ご注意願いたい。

正直、ルカと美琴はいったん距離を置きながら交流していった方がいいとも自分は考えている。距離感が壊れてしまっている人が近い距離にいたままだとより距離感が狂ってしまう。正直個人的なファン目線の感想としては美琴と一緒にいてほしいが、仮にルカが女友達として横にいたとしたら『そんな感情になっちゃう人とは、向こうが悪くなくても一旦は距離置いて考えなよ』というアドバイスをすると思う。
それは完全に離れ離れになるという意味ではなくて、一旦美琴がいない世界を考えないといけない。美琴もルカPもいない世界。
少なくとも、美琴に依存気味になってしまう関係性はあまりにもよくない。先のトリビュートギグでもあったように、美琴の一挙手一投足にルカのメンタルが振り回されることになる。
他方で、依存先が複数あればメンタルは安定しやすい。ルカが幸せになり、メンタルが安定することを考えるのであれば、僕は283プロへの合流自体はいいことだと思っていた。それは、『頼れる相手がたくさんいること』である。
一人に依存するときつい。特にルカのプロデューサーの話でも顕著であったが、ルカプロデューサーは一人しかいない。本当に頼りたいときに横にいないことがある。依存そのものが問題なのではなく、『一人』に依存することが問題なのだと私は考える。

なので、正直その観点で言うと、仮に美琴と今のまま合流したとしても、『美琴と自分』しか頼れる相手がいない現状になってしまう。少なくともにちかには多少頼れる状況、それ以外にも灯織を始めとした他の面々などは頼れる状況になっていけば幸せになっていくはず…………

ということを考えると、最終的に、『それ、新ユニット、いる?』という話にどうしてもなってしまう。シーズ以外の灯織のような他のメンバーとの絡みの中で、シーズ(美琴)と距離を置きながらやればいいだけで、距離の置き方が新ユニットなのだろうか?と言われると疑問符がつくと言わざるを得ない。

結論:新たなユニットでやる意味は、ある

※ここから2023年10月31日追記分です。

・コメティックの二人は「ただのファン」

と、ここまで書いて、7月時点では「新ユニットの意味はないのでは」という結論に落ち着いていた。
しかし、いくつか記事を書いてみて考えがまとまってきた点がある。

前章では「ユニットではなく、灯織や既存メンバーを頼ればよいのでは」と書いたが、しかし灯織はどうあがいたってイルミネーションスターズであるため、必ず寄り添い切れずにイルミネ側を優先してしまうタイミングが出てしまう。そうなってしまうとルカは結局孤独を感じてしまうだけだろう。

先の記事は一部被りもあるため目は通さなくてよい。
先の記事では「ただのファンなのでは?」という説、が一番重要である。
先に挙げたような「ルカのファン説」と「ただのファン説」が一体どう違うのかと言うと、かなり違う。
熱狂的な、ルカの狂信者ではなく、ルカをリスペクトし、ルカから一定距離を置きつつ隣に居てくれる存在ということだ。
熱狂的な信者では、ルカの話を鵜吞みにするだけで、正直いてもいなくても差異がない。あるいは、変な解釈を持ち合わせて病んでしまったりするだろうから、病んでる人の横に病んでる人間を置くほど愚かなこともない。

だから、適度な距離感を保てる、ルカのファンが必要なのである。

少なくとも、現状今までの考察の中で、ルカと美琴はあまり現状のままでは合流しないほうがよいことが分かった。
他方で、かといって一人ではジエピソードを見ている限りでもあまりにも危なっかしい。単純な精神病理の観点で見ても、誰かしらの支援は必要だ。
ただあまりにも過保護な人間だとルカマネのようになる。

そこの距離感は適切でなければならない。
近すぎず。遠すぎず。
ここの距離感はバイ・スパイラルでいい表現があるので次章で取り上げる。

・ドアを「開けておく」ということ

これはバイスパイラルで樹里ちゃんが言った一言である。

樹里ちゃんは、変に構えてた時期にドアを叩いてくれた人がいたから助かったという話をしていた。だけど、だからといってルカのドアをむやみやたらに叩き続けるようなことはしない。
けど、こちらのドアはいつでも開いているってことを伝えておく。

ルカにはルカのタイミングがある。
ドアを確かに叩いてほしいかもしれないが、叩いてきた時にたまたまそれに呼応したい気分なのか。呼応できる状態なのか。
それはわからない。
じゃあ叩き続ける?それもアリかもしれない。
けれど、それは結局はルカマネの二の舞になりやしないか。
いつまでも、いつ呼応するかわからないルカのドアを叩き続けることは、支援したい側も疲弊してしまって結局共倒れになってしまう可能性がある。
それは結果的にルカを傷つけることにもなる。

だから、「開けておく」ということなのだ。

ルカに必要な距離感は、こういった距離感なのだと思う。
なのでコメティックの二人も、いつもドアを開けて隣にはいるが、むやみやたらにドアを叩くことはしない。そういう距離感。
それがおそらく「ルカのファン」であることが重要なのだと思う。

携帯やテレビ画面には、あるいはステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が壊れることもない、一定のへだたりのある場所で誰かの存在を感じ続けられることが、安らぎを与えてくるということがあるように思う。何より、推しを推すとき、あたしというすべてを懸けてのめり込むとき、一方的ではあるけれどあたしはいつになく満ち足りている。

宇佐見りん『推し、燃ゆ』

これは『推し、燃ゆ』の一節である。これはあくまでも完全なファンとアイドルの話ではあるが、そこではそこの隔たり分のやさしさについて記載されている。ファンとアイドルには、必ずそこに隔たりがある。しかし、一定の距離感が一種の優しさにもなるのだ。

・結論:ルカは、少しずつ前へ進む

正直、自分が7月で記事を書いた時点では、早く前に進んでほしいという想いが強かった。ルカが早く幸せに、救われてほしいと。
しかし、そんな1回の大きな出来事で人は救われない。幸せにならない。
必ず時間がかかる。
不幸せになるまでに蓄積があったように、そこから幸せになるのにはそれ相応の蓄積が必ず必要である。

だから、正直コメティック加入が少しショックだったのは、
その前進が、より時間がかかることがはっきりとわかってしまったからだと思う。7月時点で賛否があった点もこういうところだと思う。
仮にルカが幸せになることが保証されていたとしても、せっかく光明が見えたのにまた遠のいてしまった。そういった感覚を覚えたからだと思う。

しかし、こうやって文章を書いている中で分かったのは、今のルカに必要なのは、「適度な距離感を保てる他人」であり、それは今までべったり仲良かった美琴ではないし、距離感の近いプロデューサーでもないと思う。
ルカの幸せのためには、これが必要なのであると思う。
そういう点で、ここで現れたコメティックがそういう役割をしてくれると期待している。
ルカは本当に、時間がかかると思う。幸せになるのに。
だから、ルカがコメティックとこれから歩んでいくとしても、劇的なエピソードはないと思う。本当に、ちょっとしたこと。
日常のちょっとしたこと。
ちょっとした肯定。嬉しい事。プラス。
そういうことを、コメティックの二人が、ちょっとずつ、小さな小さな石を、砂のかけらを、積み上げていく。

それがいつしか大きな山になるまで。
ルカの穴を埋めてしまえるぐらいになるまで。

それは長く時間のかかることだが、確実にルカが幸せになるルートはこれだと思う。

ずいぶん長くなってしまったが、これにてこの記事を供養しようと思う。
一部他記事と被っているところもあるがご容赦願いたい。
読んでくれてありがとうございました。

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