【あゝヒゲオヤジ！】 頌。

機械の躰　畸怪な躰
アトムの孤獨よ　たれぞ知る
こゝに一名ヒゲオヤジ
本名・伴俊作なる初老あり
齡ひ侮る勿れ
講道館柔道五段、伊達や
酔狂では獲れない位階=その腕太き私立探偵。
三文字の名に人三ケ-
生まれついてのヒュマニスト也
アトム泣くならこの老頼れ
ちよいと胸借りて
ヒトなる者の
鼓動を聴けよ
そして涙*の涸れた時には
巳れかくまで人間に
近づき得しを誇る顔見せよ、
鉄腕アトムは拾萬馬力
人の心を持つロボットよ、
なあにも淋しくありません。
なあにも淋しくありません。
©都築郷士(百回咄家)

筆者近影。〈棲み馴れしがたつく家の豆、夢なる鬼　くにを〉-何もかも鬼の所為にしておきませう！

* 心の涙です、飽くまでも。