レギュラー脱落年齢から逆算した2024年阪神タイガースドラフト戦略

1 背景

全選手の年齢構成を踏まえてドラフト戦略を語る記事がある。

しかし、これは不適切な考え方だ。

過去の記事で述べた通り、レギュラー選手以外の価値は、一軍控えでも二軍中心でもほとんど0と言っても過言ではないからである。

そこでこの記事では、レギュラー選手とレギュラー有力候補のみの年齢構成に限ってドラフト戦略を考える。

2 考察手法

詳細は割愛するが、レギュラー選手を対象にポジションごとにレギュラー脱落年齢を算出した。レギュラー脱落年齢以上すなわち即戦力選手を獲得すべき年齢を赤色、そこから逆算して大卒選手を獲得すべき年齢をオレンジ色、高卒選手を獲得すべき年齢を黄色としている。なお、先発投手においては、大卒選手の伸びしろは少なく、即戦力となる傾向であるため、オレンジ色はない。

3 考察結果

① 捕手… 即戦力選手指名が必要

捕手は梅野が既に衰えており、中川もフルで出れる体力はない。さらに中川以外の選手は一軍戦力になるかすら怪しいレベルである。
これらのことを考慮すると、中位で即戦力選手が必要な状況だ。
日本生命・石伊が第一候補、早稲田・印出が第二候補となるだろう。

② 一塁・三塁… 高卒選手指名が必要
一塁手の大山が30代に入り、高卒の選手が1名必要だろう。佐藤の三塁守備が怪しく、将来的なコンバートも考えると、三塁手が望ましい。
ポジション的に大砲が望まれるが、大砲の指名は上位でないと厳しい。
しかし、今年三塁手本職の上位候補はおらず、遊撃手なら石塚裕惺・森井翔太郎らが候補になる。打てる遊撃手ならさらに魅力的なため、この2人の1〜2位指名を検討したい。

③二遊間… 大卒選手指名が必要

木浪の限界が近く、中野も劣化の兆候があるため、指名はマストの状況だ。
小幡もフルシーズンの実績はなく、小幡と中野以外の二遊間は大きく力が落ちる選手しかいない。来年の戦力でも困る可能性が高く、大卒選手の指名をしたい。
今年の大社の遊撃手は候補が少なく、1位競合が予想される宗山塁の指名を狙う形になるだろう。宗山塁を外した場合、2位で浦田 俊輔を狙う形になるだろう。

④両翼… 補強不要
森下がレギュラーな他、佐藤の外野コンバートもありえる。また、前川、豊田、小野寺、野口、井坪ら候補は山ほどいる他外国人の補強も可能なポジションだ。そのため、絶対に不要と言えるだろう。

⑤中堅… 高卒選手指名は検討

中堅手もそろそろ次世代の選手が欲しいところだ。しかし、井坪、次点で福島が次のレギュラー候補となる他、森下らもセンターを守ることは可能だろう。
そのため、マストではないが次世代の選手は欲しい。もしマストと捉えるなら、1位でモイエセフニキータ、中位で正林 輝大らが候補となる。

⑥先発投手… 高卒選手指名が必要
西勇輝が高齢だが、先発は今季も12球団上位の成績であり、高橋遥人も復帰、さらには外国人枠も余らせており外国人補強も可能である。そのため、即戦力選手を獲得しても一軍で使われない可能性が高い。

しかし、高卒選手の指名は必要だろう。ドラ1で成功率が低い高卒先発を取るのは反対だが、ドラ2〜ドラ5あたりで取るのは良さそうだ。

4 具体的な指名案

これらを踏まえた具体的な指名案を述べる。
宗山指名成功時     指名失敗時
1位 宗山     1位 石塚・森井
2位 石塚・森井  2位 石伊・印出
3位 石伊・印出  3位 浦田

4位 正林 or 高卒先発
5位 高卒先発
6位・育成 救援

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