セイバーFACT③ ドラフトの成功可否は、ドラ1で半分弱が決まる

1 背景

毎年、ドラ1ばかりにスポットライトが当たる。しかし、本当にドラフトはドラ1だけに着目していいようなものなのだろうか?

2 調査方法

以前の記事で、レギュラーを掴まなければ、選手の価値はほとんど0に近いことを述べた。

そこで、レギュラーを掴めたかを基準としたい。
今回は、NPBSTATSで2011年までの12球団ドラフトを対象に、通算WAR10に達しているかを基準に考えたい。この目安は、レギュラーを3〜5年程度努めれば、達成できる基準であり、いわゆる主力となれた基準である。

3 調査結果

さて、投手と野手のWAR10達成人数を見ていこう。

主力(WAR10達成)投手
合計 233名
ドラ1 114名 48.9%
ドラ2 48名 ドラ2まで合計69.5%
ドラ3 33名 ドラ3まで合計83.7%
ドラ4 17名
ドラ5 13名
ドラ6 8名

なんと、主力選手のうちドラ1が5割弱を占めるのだ。さらに、ドラ3までの合計が、8割超えである。

主力(WAR10達成)野手
合計 205名 
ドラ1 59名 28.8%
ドラ2 48名 ドラ2まで合計52.2%
ドラ3 43名 ドラ3まで合計73.2%
ドラ4 23名
ドラ5 20名
ドラ6 12名
こちらは投手ほどドラ1に偏っていないが、それでも主力選手のうちドラ2以上が5割超を占めドラ3以上が7割超えである。

3 結論

やはり、レギュラーを掴む選手はかなり上位に偏っており、ドラフトの成功可否は、ドラ1で半分弱が決まり、ドラ3までで約8割が決まるような結果になった。

下位の選手を計算することは基本的には考えず、必ず補強しなければいけないポイントをドラ1で、さらにできれば補強したいポイントはドラ2ドラ3で補強を完了する、ぐらいの考え方が望ましいであろう。

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