セイバーFACT② レギュラーとなる選手は、1ドラフトで1人程度だ

1 背景

以前の記事で、残念ながら勝利貢献度の意味では一軍控えレベルの選手は、二軍中心の選手と同じぐらいの価値しかないことを書いた。

ドラフト会議で支配下選手のほとんどは将来のレギュラー、先発ローテ、守護神などを期待されて指名されるだろう。
しかし、レギュラーなど長年主力として活躍できる選手、は実際どれぐらいの割合なのかを見ていこう。

2 レギュラー判定基準

今回、私は基準をこのような形で設定する。

一軍戦力: 100安打 or 100投球回+S・H
レギュラー: 500安打 or 500投球回+S・H

レジェンド: 1500安打 or 1500投球回+S・H

設定の根拠としては、150打席or30投球回を3年ちょっとやれば一軍戦力、規定打席/投球回を3度ほどやればレギュラー、10回やればレジェンドとなる目安である。

但し、例えば500投球回は救援だと10年は継続する必要があり、守護神などで活躍した選手が若干不利に見える。実際、セーブホールドシチュエーションでは、普通のイニングより約1.8〜2倍程度の重要性があることが判明しているので、セーブやホールドのつく1イニングはおおよそ2イニングの換算としたい。
そこで、セーブとホールド数を投球回に足す設定した。

3 判定結果

さて、2000年以降の阪神タイガースの選手の判定結果を以下に記す。A+がレジェンド、Aがレギュラー、Bが一軍戦力だ。

能見や鳥谷ほど長期間ではないが、ある程度の期間主力を張ったと言える上本、秋山、藤本はレギュラーに分類できており、

逆に活躍したシーズンが短かったり、勝ちパ以外の中継ぎや代打に留まる高山、中谷、渡辺亮、島本、原口は一軍戦力の分類だ。

また、一軍でもある程度登録されていた期間はあるが二軍がメインであった荒木、石崎、清水、緒方らはほとんど戦力にならなかった分類だ。

このように、見事にこの基準により
・ほとんど戦力にならなかった選手
・一軍戦力
・レギュラー
・レジェンド
を切り分けることに成功している。

さて、この結果を見ると、おおむね1回のドラフトで獲得できるレギュラー(レジェンド含む)選手は1名、レギュラーとまではいかない一軍戦力選手は2〜2.5名程度であると分かる。

3 結論

この調査により、一軍戦力選手は毎年簡単に獲得できるが、レギュラー選手は1年に1人程度、すなわち同期No.1のレベルの選手であることが分かった。

しかし、「一軍戦力選手」のほとんどは、若手の頃はレギュラーを期待されていたレベルの選手だ。レギュラーを期待されても、実際にレギュラーを掴めるのは3割程度の選手にすぎないこともわかる。

4 考察 

この結果を用いれば、ドラフト成功かを語る基準もできるだろう。
・レギュラーを獲得できなかったドラフトは、失敗
・レギュラーを1名獲得できたドラフトは、ノーマル
・レジェンド1名 or レギュラー選手を2名以上獲得できたドラフトは、成功
このようなことが言えるだろう。

ちなみに、上の表でこの基準で成功ドラフトは赤背景、失敗ドラフトは青背景としている。

まだドラフトから十分な時間が経っていないため表には含まれていないが、
・大山、才木、糸原とレギュラー3名を獲得した2016年ドラフト
・佐藤、伊藤、村上、中野とレギュラー4名を獲得した2020年ドラフト
は、大成功のドラフトと言えるだろう。
そして、彼らの活躍は2023年の優勝に繋がることとなる。

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