AAAのStatsからNPBで活躍できそうな外国人先発投手を探る

AAAのStats等でNPBでの活躍を探れないかと思って色々やりました。正直無理やりひねり出した感じの数値ですがそれでもよければ。

Statsについての説明

kwERA:三振と四球から算出した防御率。計算式は

補正値-12×(奪三振-与四球)÷打席

※補正値 = リーグ防御率 + (12×((リーグ奪三振-リーグ与四球)÷リーグ打席))

・FIPではなく、なぜkwERA?

FIPの計算に使われる「奪三振、与四球、被本塁打」のうち、被本塁打は発生の頻度が少ないが失点への影響が高いことから、成績の予測や能力の推定という意味ではノイズになりやすい。そこを補正する指標としてフライ打球の発生頻度がどれほどあるかを基に計算したxFIPという指標もあるが、xFIPは個人で計算することは困難である。そこで打球の要素を切り離したkwERAを使う。kwERAはその単純な仕組みに対し被本塁打を考慮したFIP、打球を考慮したgWARより推測性が高い指標であり、選手本来の能力を推定するのに役立つと考えた。

kWAR:kwERAを基に算出したWAR。計算式は

(リーグ平均防御率×1.37+0.35-kwERA)/9*投球回数/10

先発リプレイスメントレベルについては

DELTAのものと同一のものを使用。RPWについては簡易的に10とした。

K%+:K%の傑出値。100がリーグ平均。高いほど三振を奪えていることを意味する。

BB%-:BB%の傑出値。100がリーグ平均。低いほど四球を抑えていることを意味する。

kwERA-:kwERAの傑出値。100がリーグ平均。低いほど三振と四球から推定される防御率を低く抑えていることを意味する。

・3A時代、MLB時代のK%+、BB%-、kwERA-の補足。

3A時代、MLB時代のK%+、BB%-、kwERA-についてはNPB移籍直前3年間の数値を近い年から4:2:1で加重平均したものを使用している。1年のサンプルより複数年のサンプルを使えば、多くのサンプルを確保することが可能になることが理由である。近い年から高めの加重平均した理由については、近い年のがより来日時点での実力を反映できると考えたからだ。

実際の算出例について見てみると以下のようになる。

バリントン

球速:NPB1年目で記録した値。データは変化球割合より。

予測という意味で考えるなら本来はNPB来日前の球速を使うべきだが、前年をマイナーのみで過ごした選手などもいることから、NPB1年目の記録で代用した。

データまとめ

Spread Sheetにまとめたものがこちら

対象は2011年~2020年にシーズン開幕前から来日した選手。登板数の2/3が先発の投手を先発投手と定義。3A成績はメキシカンリーグは含まない。過去3年の対戦打者数が100打席未満の場合は空白としている。

成功しやすい組み合わせを探る

成功しやすい外国人先発について探る。成功の基準はWAR2以上。(理由としてはリーグ平均レベルの投球で、1年間ローテを守ればWARは2くらいになるので)

kWARが2を超えた選手の一覧が以下の21選手。

修正

最高球速が150を超えて、3A時代のK%+が90を超えると、成功しやすそうな感じがする。

修正2

条件に当てはまる12例のうち9例がWAR2を超えている。AAAで先発をしながらある程度三振を奪えて球の力がある投手というところだろうか。

(とはいえ無理やりひねり出した感じはある)

補足:球速について

球速についてですが測定機器やマウンドなど環境の違いか、NPBに入団した外国人選手はMLB時代より球速が下がる傾向にあります。

画像3

トラックマンをスピード測定に使う球団が増えた今なら誤差は少なくなっているかもしれません。トラックマンのデータが使えるなら海外での先発時の最高球速→NPBでの先発時の最高球速を平均的に出して、どの程度球速が下がるかを見込んだほうがいいかもしれません。(残念ながらマイナーリーグとNPBのトラックマンデータは現在公開されていませんが)

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