球種グループごとの失点リスクを可視化する

 先日、Hisashi ItoさんにRapsodoによる球種分類を教えてもらいました。

 この球種分類を参考+自分で判断したものをプラスして、MLBでのそれぞれの球種(ブレーキングボール)のRV/100を見ていきます。

紹介する指標

球速帯(km/h):球速帯
投球数:2017-2021MLBでの投球数
RV/100:100球あたりの得点価値、0が平均で低いほど失点リスクが低い。
GB%:球種のゴロ率、MLBでは35%をピークに離れれば離れるほど良い。
(高いゴロ率は失点リスクの低いゴロを多く打たせ、35%より低いゴロ率の投手は打球価値の低いフライを打たせることが期待される)
CSW%:(見逃しストライク+空振りストライク)率
CS%:見逃しストライク率
SwStr%:空振りストライク率
球速(km/h):そのグループの平均球速
横変化(cm):savant基準の横変化。右投手の場合スライド方向への変化は+値で表記。(Rapsodoとは逆なので注意)
縦変化(cm):+はホップ方向、マイナスはドロップ方向を意味する。

ライズカッター

縦変化:27.5cm
横変化-5.0~5.0cm
特徴:横への変化が大きく縦方向の変化が大きいカットボール

  基本的にRV/100が高く失点しやすい球種となっている。ゴロ率もやや中途半端な値であり、空振りもそれほど取れない。ストレートとそれほど変化量が変わらないため、打者としては対応しやすい?

カッター

縦変化:12.5~27.5cm
横変化:-5.0~5.0cm
特徴:ライズカッターほどホップしないカットボール

  一般的なカットボールだが失点リスクは高い。空振りをそれほど奪えない一方でゴロ率もそれほど高くないからだろうか。なお、150キロを超えると価値が良くなる。

スラッター

縦変化:0.0~15.0cm
横変化:0.0~15.0cm
特徴:スライダーとカッターの中間

 先程までのカッター郡よりは失点リスクが低め。球速としては140km/h以上が理想。

スライダー

縦変化:-2.5~12.5cm
横変化:12.5~27.5cm
特徴:平均的な横曲がりスライダー

 スラッターと比べてもそれほどRV/100は変わらない。こちらも球速が速いと効果的。

横スライダー

縦変化:-2.5~12.5cm
横変化:27.5cm以上
特徴:大きく横曲がりするスライダー

 球速125~130キロ程度でも優秀なRV/100を記録する。大きく曲がり、かつ沈まないスライダーは失点を抑止できるようだ。

縦スライダー

縦変化:-10.0~5.0cm
横変化:-5.0~10.0cm
特徴:やや縦に沈み横の変化が小さなスライダー。(ジャイロ多め?)

 縦スライダーはある程度の球速が求められる。理想を言えば135km/h以上化。

トップスピン・スライダー

縦変化:-20.0~-5.0cm
横変化:-2.5~12.5cm
特徴:縦スライダーより大きく沈むスライダー。

 トップスピンのかかったドロップ成分の大きなスライダーもある程度の球速がないと失点を抑止できない。投げるなら速い球速が求められる。

ドロップ

縦変化:-52.5~-37.5cm
横変化:18.0~33.0cm
特徴:大きく縦に割れるカーブ

 非常にゴロ率が高い球種。ただ空振り率が低いためか失点抑止は伸び悩み。

カーブ

縦変化:-40.5~-25.5cm
横変化:-38.0~-23.0cm
特徴:ドロップよりは横に変化するカーブ。

 カーブは基本的に失点抑止力が低い。ただし135km/hを超えると途端に強力になる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?