フォーシームを再定義する

 一言にフォーシームと言ってもホップする真っ直ぐ、シュート回転するフォーシーム、まっスラなどいろいろある。ここではフォーシームのタイプ別スタッツを見ていく。

フォーシームを再定義

 dricvelineのChris Langinはフォーシームを以下のように再定義している。

それぞれのStats

 球種を再定義したフォーシームの各種スタッツが以上になる。RV/100(100球あたりの得点価値、低いほど優秀)で優秀なのはRiser(ライズする球)となる。Riserは多くの空振りを奪えるうえに打球の失点リスクも低い強力な球となっている。よくノビるフォーシームはフライを多く打たれるため、打球のリスクが高いボールと言われる。だが統計的に見るとむしろ打球の失点リスクは低いことがわかる。これは、フライ打球に占めるポップフライ(弱いフライ)の割合が高くなることが要因だと思われる。

フォーシーム縦変化と打球タイプの割合
FB(フライ)も増えているが、PU(ポップアップ)も多く増えている。

 逆にシュート回転してノビないフォーシームや、回転効率の悪いフォーシーム(Inadvertent Cut FA)はRV/100が悪い。これらのフォーシームは打球の失点リスクが高いうえに、空振りも奪えないという性質になっている。これはノビない球質に由来していると思われる。

 今回の結果からフォーシームは球質的には、とにかく縦にホップさせることが重要と言えそうだ。

 ただし、フォーシームはリリース高さ等の影響も受ける。サイドハンドなどアームアングルの関係上、シュートするノビないストレートを投げる選手でも、そのリリースの低さのおかげで高い失点抑止力を期待できることもある。単純に球質だけ見るのではなく、他の変数にも目を配る必要がある。


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