WARで2000年代のドラフトを振り返る
NPB STATSのWARを使い2000年代のドラフトを振り返ろうと思います。指名順位、カテゴリ、ポジションでどんな傾向があるかを見ていきたいと思います。
成功の基準はWAR2以上(1シーズン平均的な働きをした選手が稼げるWAR)とします。分離時代のドラフト1位は高校1位と大学、社会人ドラフト1位のどちらも1位指名として扱います。
またこの時代は希望獲得枠などによって2位指名の選択権がないことが多く2位指名の選手数が少なくなっていることに注意してください。
投手
投手は基本的に上位であるほど成功率が高くなっています。カテゴリ別で見てみると高卒投手は2位以下で指名すると極端に成功率が低くなる傾向にあるようです。大卒や社会人の投手と比較すると高卒投手を上位で指名するのはかなりのリスクを伴うようです。社会人投手は5位まででもそれなりの成功率で安全な投資先と言えそうです。
捕手
捕手は下位では成功率が著しく低くある程度上位で獲りにいかなければならないポジションのようです。カテゴリ別で見ると1位では大卒、3位では高卒選手が成功率が高くなっています。
内野手
内野手を見てみると1位は成功率が飛びぬけて高いことがわかります。チームのコアとなる野手を獲得するためには1位指名を使う必要があるようです。2位以下で見てみると6位以外は成功率に大差がありません。上位であるほど成功率が高い投手とやや異なる傾向となっています。
また3位以下で見てみると高卒選手の成功率がそれなりに高く通算WARが6以上を超えてる選手数で見てみても多くリターンの大きい投資先となっています。
外野手
外野手はドラフト1位の成功率がやはり高いようですがそれ以下の順位では大差がないという結果になっています。基本的に内野手と同じような傾向になっていますが違いとしては大卒選手の当たり率やリターンが内野手よりは高いと言ったところでしょうか。
こうしてみると投手、捕手は上位でないと良い素材が揃わない一方で内野手と外野手は3位以下でも良い選手がいるという傾向にあることがわかります。上位で即戦力投手を取ると「即戦力に逃げた逃げのドラフト」と言われてしまうこともありますが上位を投手に使い野手を中位以下で取るのには一定の合理性がありそうです。
まとめ
2000年代のドラフトでは
・投手は上位ほど成功率が高くなる。
・高卒投手は2位以下の選手は成功率が著しく低下する。
・大卒投手は3位まで、社会人投手は5位まで安定した成功率となっている。
・捕手は1位では大卒選手、3位では高卒選手の成功率が高い、4位以下では成功率が極端に低い。
・内野手、外野手は1位指名の成功率は高いものの2位以下はそれほど差がつかない。
・投手、捕手は上位でないと良い人材が手に入らない一方で野手は下位でもそれなりの人材が手に入ることから上位で投手をとって中位以下で野手を獲るという指名のやり方はそれなりに合理性がありそう。
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