ツーシームでゴロを打たせるには?

 ツーシームでゴロを打たせるにはどんなボールを投げればいいでしょうか?ゴロを打たせるのに必要な要素を探ってみます。

3つの仮説

 ゴロを打たせるために必要な要素とはなにか。仮説を立てて検証します。

・球速
 私のイメージですがゴロを打たせるシンカーボーラーはザック・ブリットン、王建民、ブラッド・ケラーなど、ハードシンカーが多いように思います。球速はゴロの発生に影響を与えるのでしょうか。
 (ただ、カイル・ヘンドリクスやマーカス・ストローマンなど球速が突出していなくてもゴロを打たせられている投手もいます)

・垂直方向の動き
 シンカー、という名前の通りボールの沈む量が多ければ多いほど、バットの下にボールをぶつけやすく、ゴロを打たせやすいように思えます。

・SSW(シーム・シフト・ウェイク)
 ボールの縫い目によってボールを変化させるSSWはゴロ率に影響を与えるのでしょうか。

検証方法

 それぞれの要素をクロス集計し他の条件を揃えたうえで影響を測ります。球速は5km/hで分割します。縦変化は7.5cmずつで分割します。SSWの影響を測るためには回転軸の偏差を用います。観測の軸はBaseball Savantから入手できるcsvデータに入っているspin_axisの列を、推測の軸は以下のリンクの式を用います。

 軸の偏差は5度ずつに分割します。

 それぞれの組み合わせで150打球以上の場合を集計の対象とします。

SSWと縦変化

 球速を148-153km/h(MLBの平均的な速度)で固定したうえでスピン軸の偏差と縦変化の影響を見てみます。

・球速・軸偏差が同じなら垂直方向の動きは沈むほどGB%は高くなる。
・球速・縦変化が同じなら軸の偏差(SSW)が大きいほどGB%は高くなる。

球速と縦変化

 スピン軸の偏差を15-20度(MLBの平均的な軸の偏差)で固定し球速と縦変化の影響を見ます。

・縦変化は沈むほどゴロを打たせられる傾向にある。
・球速については他の条件が同じなら速ければ速いほどゴロを打たせられる傾向にある。

球速とSSW

 垂直方向の動きを22.5-30cm(MLBの平均的な垂直方向の動き)に固定し球速とスピン軸の偏差の影響を見ます。

・球速は速いほどゴロを打たせられる。
・回転軸偏差は大きいほどゴロを打たせられる。

まとめ

ツーシームは他が同じ条件なら
・球速は速ければ速いほどゴロを打たせやすい傾向にある。
・垂直方向の動きは沈むほどゴロを打たせやすい傾向にある。
・スピン軸の偏差は大きいほどゴロを打たせやすい傾向にある。

 ハードシンカーはゴロを打たせるためには理にかなっていそうです。また、最近流行りのSSWはゴロを打たせるうえで有効と言えそうです。

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