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【DeNA】1番と花束と頭数【2024年への提言】

 どの球団のファンでもない筆者が、なるべくフラットな目線で、来季への展望を好き勝手提言する恒例企画。今回は横浜DeNAベイスターズ編。

2023年の振り返り

 昨年の提言で「OPSの割に得点が低い、1番打者を補強すべき」と書いたが、今年も似たような展開になってしまった。チームOPSは阪神と変わらないのに、得点で35ほど差がついているのは、1・2番の出塁率の差によるところも大きいと思う。また盗塁数も成功率も12球団最低で、攻撃の選択肢の少ない打線になってしまっている。

出塁力・機動力に課題

 投手陣はリーグ平均レベルだが、本拠地が横浜スタジアムという事を考えれば善戦していると言える。ただバウアー・今永昇太・石田健太と去就不明な先発が多く、来年はどう足掻いてもスケールが落ちそう。

提言①:1・2番はニューカマーで行こう

 桑原将志や関根大気が急に選球眼が良くなったり、森敬斗や林琢真が覚醒するなら話は別だが、1・2番にはリードオフタイプの外国人を呼ぶのが一番手っ取り早いと思う。出塁率が高くて、盗塁が出来ると尚良しだ。

 1番オススメしたいのはアンドリュー・スティーブンソンだ。韋駄天タイプの外野手で、AAAでは出塁率.394/OPS.916/16本塁打/44盗塁と活躍した。9月にMLB昇格を果たし、代走要員としてPSロースターにも入ったが、ノンテンダーになる/ならないは微妙なライン。年俸は恐らく72万ドルで、来季30歳という年齢を考慮しても、100万ドル(1億5000万円)プラス出来高くらい積めば日本に来てくれる可能性はあると思う。

 ちなみにもう1人100万ドルクラスの新外国人を連れてきても良いが、楽天・西川遥輝西武・ペイトンあたりも(これを書いている時点では去就未定だが)候補と言えるだろう。後述の通り、予算規模や外国人枠の使い道はかなり流動的になりそうなので、いわゆる"中古"の選手でお茶を濁しておくのも有力と考える。

(中)△スティーブンソン
(左)△西川遥輝 or ペイトン
(二) 牧 秀悟
(一)△佐野恵太
(三) 宮﨑敏郎
(右)△度会隆輝
(捕) 山本祐大
(遊)△京田陽太
(投) ーーーー

 理想はこんな感じか。佐野は肘の状態が良くなさそうなので、ロングスローの少ない一塁手の方が望ましい。守備指標は一塁も外野も散々だったが、固定してあげるだけで成績は良くなると思う。
 ちなみにこれを書いている時点ではドラフトの結果は出ていないが、度会入札は是非ともオススメしたい一手だ。

提言②:ソトオースティンに花束を

 来る者がいれば、当然去る者もいる。

 ソトについては、残念ながら契約延長は見送りたい。3年7.5億の契約が今オフ満了するが、直近4年でOPS.7台が3度と必ずしも値段に見合うものではなかった。来季35歳の一塁手に上がり目があるとは考えにくく、リスペクトと共に卒業の日を迎えたい。

 またオースティンについては、ソフトバンクあたりに「年俸半分負担するんで引き取ってもらえませんか?」と持ちかけるのも面白いと思う。3年8.5億+球団オプションの契約が24年末まで残っているが、来季年俸の半分をDeNA側が負担する形での譲渡であれば、ホークスは「およそ2億でオースティンをGETし、もし活躍すれば来季も優先的に契約できる」という権利を得られる。バレンティンに4億払う球団ならばオースティンに2億など楽勝だろう。もちろん机上の空論だが、この記事自体が空論なので気にしない

 そもそも今のチームには佐野・牧・宮崎と中軸が揃っているので、外国人まで打撃特化タイプである必要はない。またポジション的にもウィークポイントは捕手・遊撃・外野であり、一塁専と化したソトも、そもそも守備につけるか怪しいオースティンも、2024年のベイスターズにはフィットしないと思う。
 助っ人というのは文字通りのお助けマンであり、チームの弱点を埋める存在だ。なのでその年その年の状況に応じて、ドンドン新陳代謝していけば良い。むしろ複数年契約で外国人を固定すると、編成上の自由が効かなくなるリスクがあり、今季についてはそれが悪く出たケースだったと思う。

提言③:先発投手を整備しよう

 今オフの一番ホットな話題はバウアーだろう。週刊誌では巨人やホークスが何十億円というオファーを出すのではないかと言われているが、もしそれが本当ならDeNAにはなかなか勝ち目がない。
 なので彼については「シーズン中いつでも契約を破棄できる権利」を附与してはどうかと思う。来年中頃にもう1件裁判があるそうなので、もし裁判が長引けば(あるいは敗訴すれば)そのまま日本で過ごし、上手くいけばその瞬間に契約破棄して最短でMLBに復帰できるようにすれば、バウアーにとっても悪くない話のはずだ。この条件で400万ドル(約6億円)ぐらい掲示して、それでダメなら潔く手を引こう。

 というのも、来季のDeNA先発陣に求められるのは質より量だ。エース・今永昇大はメジャー挑戦濃厚、今季23試合に先発した石田健大もFAイヤーを迎えており、2人合計で270イニングほどが来季消失する可能性がある。バウアーの引き留めに金を使いすぎるより、ちゃんと先発の頭数を整える事の方が大切だ。

①バウアー・石田の引き留めに成功したVer.
②バウアー・石田が流出したVer.

 こんな感じで、バウアーや石田の動向次第で、外国人の人数と予算は変動すると考えた方が良い。場合によっては開幕ローテ6枠のうち3枠が新外国人のケースもあり得るので、海外スカウトにはタフなオフシーズンになるかも知れない。
 ちなみに国内では、ロッテのカスティーヨに水面下でオファーしてみても良いと思う。今季は9先発で43.2イニング(平均5回未満)とスタミナ不足は目立ったが、WHIP1.12で防御率3.09は充分な数字だ。「ロッテさんより多めに出しますよ?」と誘えば、案外動いてくれるかも知れない。

まとめ

 2023年はバウアー来航もあり、近年では一番戦力が整っていた。なんとしても優勝したかったが、過ぎたものは仕方がない。来年今永はいないし、宮崎は衰えるかも知れないし、山﨑康晃は相変わらず痩せたり太ったりしているのだから、2024年は解体と再建の年にすべきだ。ここで変に情を出すとチームの新陳代謝は悪くなり、また長い低迷期を迎える恐れがある。適当な外国人を繋ぎに使ってAクラス維持を目指しつつ、若いスターを見出だす1年にしたい。



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