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コロナ禍に売上を伸ばした飲食系ネットショップの取り組みとは?

新型コロナウイルスによって、飲食店の経営環境は大きく変わりました。実店舗に来ていただくことが難しい中で、ネットショップを開設されるケースも増えております。
最初からうまく売上をあげるショップもあれば、ネットショップの運営がはじめてで、やり方がわからないというショップもいらっしゃいます。

今回は、新型コロナウイルスで実店舗が自粛になるという影響を受けつつも、ネットショップで売上を大きく伸ばすことに成功したショップにインタビューしてみました。
飲食品以外の商品を取り扱うショップでも参考になりそうなお話がたくさんありましたので、こちらでご紹介いたします。

インタビュー対象

下記を基準に、4つのショップのオーナー様にオンラインでインタビューいたしました。

・新型コロナウイルス流行以前からショップを運営していること
・実店舗を持っている飲食店
・コロナ禍に大きく売上を伸ばしたこと

<kaka cheesecake store>
福岡県に3店舗展開している、チーズケーキ専門店

<08COFFEE>
秋田県に店舗をもつコーヒーショップ

<ツバメコーヒー>
新潟県燕市に店舗をもつコーヒーショップ

<鹿島菓匠 丸三老舗>
茨城県に店舗をもつ、江戸時代から続く老舗和菓子店

インタビューを通して、コロナ禍に売上を伸ばすことができた理由がわかってきました。

①キャッチーな商品づくり

はじめてショップページを訪問したときに、どの商品を買えばよいのか迷うときってありますよね。そんなはじめての人が買いたくなる看板商品があることは、売上を伸ばす上での共通項となっていました。

<kaka cheesecake store>
この期間中に、チーズケーキ食べ比べセットを新発売。通常のものよりも、食べやすいサイズに切り分け、4種類をセット販売することで、食べ比べしたいというニーズに応えるような商品になりました。これがヒット商品となり、今では発売したらすぐに売り切れる状態に。

<08COFFEE>
この期間中にお試しセットを新たに販売され、ヒット商品になりました。アイスコーヒー、カフェオレベース、コーヒーバッグと3つの人気商品をセット化。さらに送料無料にしていることで、購入のハードルを下げ、新規顧客獲得に大きく貢献しました。

(4•5月の限定商品)
スクリーンショット 2020-05-28 18.00.59

<ツバメコーヒー>
「おうち時間セット」「自宅待機セット」という商品を作り、大きく売上を伸ばしました。自分たちのコーヒーだけでなく、実店舗のある新潟県燕市にある周辺のショップとタッグを組み、ピーナッツバターやけんちん汁、ぜんざいなどとセット販売することで、オリジナリティを出しています。
「おうち時間」「自宅待機」というトレンドを入れたネーミングで、SNSでも拡散される結果となりました。

②SNSの有効運用

集客には、やはりSNSを積極的に活用されていました。活用の仕方は、ショップそれぞれで違いがありました。

<鹿島菓匠 丸三老舗>
おもにTwitterを有効活用し、集客に成功されています。10年ほど前から趣味ではじめたTwitterが、今ではフォロワー約1万4,000人となり、多くの人にショップのことを告知できるメディアに。ショップオーナーによると、Twitterは拡散力が強いので、インフルエンサーに利用してもらい、投稿されることが重要とのこと。お客様からの投稿には、積極的にコメントやリツイートもされています。

(弊社代表の鶴岡も購入)


<kaka cheesecake store>
以前からInstagramを利用されておりましたが、新型コロナウイルスの感染が広がりはじめた2020年2月ごろから運用を強化。年初のフォロワーは約6,000名でしたが、2020年5月末には約1万5,000人まで増やしました。

投稿する写真を見栄えのよいものに変えてみたり、アカウントがいつ、どんな人に見られているかを分析し、投稿時間を変えてみたり、何気なく運用していたアカウントを意識して変えていかれました。とくに効果的だったのが、インフルエンサーの活用でした。それらの改善の積み重ねで、フォロワー数が増えていき、売上につながっていったそうです。


<08COFFEE>
こちらも以前からInstagramを運用されておりましたが、2020年3月以降、新たにInstagram広告を出稿し、集客数を伸ばしました。最初は効果が出るか分からず抵抗感があったそうですが、ためしに少ない予算で出してみたところ、すぐ売上に寄与する結果に。
ショップオーナーは、先ほど紹介したお試しセットのビジュアルが広告で映えたことが、一つの要因とみています。やってみると運用も難しくないので、これからも広告を有効活用されていく予定です。

③ショップのブランディング

上記の施策で効果を出すことができたのは、それぞれのショップが個性を持っていて、それを魅力的に表現できているからこそ、なのでしょう。

<鹿島菓匠 丸三老舗>
歴史のある老舗の和菓子屋さんですが、新しい商品開発にも積極的です。地元の農家さんから直接仕入れたいちご・栗・トマト・ブルーベリー・マスカット・りんご・メロンなどの果物を使った和菓子が目新しく、人気を集めています。しかも、一流のものを生産している農家さんのものしか使わない、というこだわりを持っています。
リピート率がすごく高いということで、商品の満足度の高さが表れているのだな、と感じます。
また、目立つ商品があるということは、SNSでの拡散にも役に立っています。

<kaka cheesecake store>
チーズケーキ専門店として、大人でも楽しんでいただけることをコンセプトにしています。チーズをふんだんに使い、チーズ感が濃厚に感じられる味わいとなっているのが特徴です。
また商品開発にも意欲的で、チーズケーキだけで10種類以上発売され、飽きさせないブランド作りをされています。

<08COFFEE>
<ツバメコーヒー>
コーヒーショップのネットショップ運営は、なかなか差別化がしにくいです。どちらのショップもそれを認識した上で、どう見せていくかにこだわったショップでした。見栄えのよいショップページ、デザイナーを使ったかわいらしいパッケージデザイン、コーヒー以外の商品開発などをおこない、ショップの個性を出した運営をされています。

まとめ

コロナ禍でネットショップは全体的に売上が伸びていますが、その中でもとくに伸びているショップは、さまざまな施策を試していることがおわかりいただけたかと思います。
共通項をまとめる上で感じたのは、商品開発・SNSの活用・ブランディングがそれぞれ個別の考えや施策ではなく、影響しあって相乗効果を出している、ということ。
ショップが持っているブランドが土台にあり、そこから生まれる商品があり、SNSで表現して拡散され、売上につながっているように思えました。

そして、どのショップも一過性のものでなく、継続的に売れるブランド作りができていることが印象的でした。
コロナ禍という状況を問わず、またや飲食系以外のネットショップでも活かせる考え方、施策例だと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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