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奈良・御所で地球No.1に出会った話

将来の夢はプロ野球選手になること

唐突になんやねんと思われるでしょうが、久しぶりに見た小学校の卒業文集にそう書いていました。当時の僕は、野球少年ではなかったのに。なぜそう書いたのか記憶を辿ってみたのですが、全く思い当たりません。悪さをする政治家が言うそれと同じく「記憶にありません」

まあおそらく僕のことですから、前日に阪神が勝ったとかいうクラスの雰囲気に流されて書いたのでしょう。試合すら観てなかったのに。

要するに、僕は空っぽだったのです。夢や目標なんてありませんでしたし。そんな僕が今、いろんな目標を持って生きている訳ですから不思議なものです。

HOOP!を始めて考えるようになったこと。


さて、枚方でCommunity&Coworking HOOP!をオープンし、些少ながら街づくりに携わらせてもらい、「この街はどうやってできたのか?」「なぜ今、この街に人が集まるのか?」と考える機会が増えました。

なんだかいい感じのコワーキングになりました

そんなことを考えている場合ではないのですが。


そんな風にカッコつけても、HOOP!が2023年7月にオープンしてからというもの毎月赤字。「安定経営」なんて程遠いのです。枚方から見たら新潟県の佐渡島沖くらい遥か遠くの場所にうっすら「あんていけいえい」と見えるくらい遠い。本来ならば、街づくりとか悠長なことを言ってる場合ではありません

潰れてしまったら終わりな訳で、まず最優先することは自分のとこの経営を安定させることです。とは言え、ただただ儲かりゃいいと言うのは違うのです。

つまるところ、僕の思い描くシナリオとしては、HOOP!にたくさんの人が来てくれることで、街が盛り上がる。または、街が盛り上がり、HOOP!にたくさんの人が来てくれるという、いわばこの街とセットで盛り上がらなければならないのです。

なので、いろんな街へ赴き、体験したことをHOOP!や街づくりに取り入れたいと考えながら、動いています。

しかしながらそんな風に言うと、情報収集のために積極的に動いている主役は僕みたいな風に見えるかもですが、実際は違います

内実は、家族でいろんな街に足を運ぶと妻が地元の人たちと積極的に話し、いろんな情報を入手してくれるのです。僕が言うのもなんですが、彼女は誰に対しても心理的安全性を感じてもらえる人間だと思っています。僕には無い強みがあるので、どこか知らない土地に行っても妻は声をかけられ、話し、その結果、自ずと情報が集まることがあります。今回行った御所でも同様でした。

いざ、奈良・御所(ごせ)へ


2月上旬、HOOP!のビジネスパートナーである、ジュニアさん/TH土地開発が、奈良の御所で物件を購入したと聞いたので、家族で見に行くことにしました。

わざわざ御所に行こうかと考えた理由は、御所の盛り上がりを肌で感じていたことでした。銭湯をホテルにしたり、イタリアンやフレンチの店がオープンしたり、おしゃれな雑貨店やスイーツ店がポツポツと出来たり、以前からなんだか盛り上がりを感じていたからです。

銭湯を改修したホテルとか

いざ、寂れた街の印象の払拭へ。


ただ、前職で済生会御所病院に何回か行ったことがあったので、「寂れた街」の印象を強く持っていました。駅前商店街はシャッター街で、人もそんなに歩いていない、まるでゴーストタウンのような。

ゴーストタウン御所

あの寂れた街がそんなに変わるんかなあ。

懐疑的になりつつ、朝7:30くらいに自宅を出発。京阪奈道路の田辺西から乗り、御所インターで下道へ。途中で寄り道しましたが、到着までだいたい1時間30分くらいですかね。こんな近かったっけなあ。

現地近くに駐車場が無いとのことでしたので、駅前にある駐車場へ。前金制で1日400円四捨五入したら0円。安すぎる。

感動したのも束の間、駐車場内に観光センター的な建物を発見。入るとスタッフの方らしきおじいさんがラックを整理しています。これもらって良いですか?と一声かけ、近隣マップを手に取ると、

たのしい店がたくさんあるから、ゆっくりしていきやー」とにこやかに一言。たった一言ですが、これがあるのと無いのとでは全く違いますよね。街づくりに前のめりな感じがめちゃくちゃ好印象です。

いざ、TH物件へ。


城下町のような街並みはとても綺麗で、清潔に管理されています。駅前の公衆トイレも綺麗ですし、道にはゴミが落ちていません。メイン通りの道幅は広く、碁盤目のように区画整理されているので、住みやすそうです。

物件へ向かう道中、おしゃれなスイーツ店を見つけました。写真見てもらったらわかるかと思いますが、優勝です。別に勝った負けたとか無いですが。

THE オシャレ of オシャレ

住宅街にこんな外観の店があること自体、この街の可能性を感じますよね。だって、廃れた街にこんなお店ないですもん。家族全員、期待値が爆上がりました。

いざ、入船本店へ。


TH物件に到着。奥の「入船本店」と看板がかかっているのが元お寿司屋さんの店舗で、手前が母屋だそうです。敷地がめちゃでかい。

Temae ga omoya,Oku ga tenpo

古いけど、めちゃくちゃ広い。ドアを開けてすぐには、おそらく客席などがあったであろう広間があり、相当広い。受付らしき部屋が隣接していて、ここで持ち帰りの品を渡したり、スタッフの詰め所的なスペースとして使っていたのでしょうか。

部屋数も多く、可能性の詰まった建物ですね。「1階コワーキング、2階民泊」とか、テナントスペースを多数つくるのもアリかなと。元の造作を活かしても、相当シャレた場所になるんちゃいますかね。めちゃくちゃ古いけど、オモシロイ構造。可能性感じますわー。

ちなみに奈良ということもあって、ヨッピーさんに「なんか一緒に考えてもらえんですか?」と相談したところ、OKとのことでした。また視察も一緒に行ってくれるかもなんで、いろいろアイデアいただきたいと思います。

※ヨッピーさんの吉野推し記事
https://www.rakuten-card.co.jp/minna-money/fun/article_2206_90241/

いざ、散策へ。


11:00。まだ昼ご飯にしては早いので、近隣を散策。特に目的地を定めずウロウロ。「ふく笑い ハンドメイドサロン」と書かれた古民家を通り過ぎて十歩ほど歩いたら、妻が思い出すかのように「入ってみる?」と言いました。引き返して、いざお店へ。

モザイクガラスの扉を開けると、すでにオシャレ。壁面に飾られている雑貨、棚のアクセサリーや小物の一つひとつがしっかり作られたものであることが雰囲気でわかります。すぐに店主さんが出てきてくれて、声をかけてくれました。一言目の発声から「この人、ぜったい良い人!」とわかりました。

着物をリメイクしたスカートやパンツ、シャツなどをつくってらっしゃるお店で、服の修理などもされているそうです。お店入ってすぐの雑貨やアクセサリーの一部は、知り合いの作家さんの作品とのことでした。

今はちょうど第一期の改修が終わったとのことで、これから第二期の改修に入り、「雑貨カフェ」とか「雑貨&おにぎりカフェ」にしようかと思案中だそうです。

店主さんは、この街のことをたくさん教えてくれました。同級生がやってる店のこととか、美味しい店、オモシロイ店など、なかなか聞けないような話もたくさん。自分の店のことよりも、他のお店の紹介をされていたことにさらに好感が持てました。この街のことが好きなんだろうなあ。

いざ、購入。


妻は卵の殻をリメイクしたピアス、娘は手編みのてるてる坊主のキーホルダー、僕は廃棄する革を使ったキーケースを購入。どれも温かみのある商品でこの世に一つしか無いものです。

ここで購入したものを手に取るたびに、ふく笑いさんでの体験を思い出すはず。モノと記憶を購入させてもらった、とても贅沢な買い物になりました。

お店の改修を終えられて、リニューアルオープンされたら必ず行くでしょう。店を出てから、妻に「絶対行くわ」と5回以上言うほど、僕たち家族は、心をつかまれたのです。

いざ、昼食へ。


続いて、昼飯を食べるべくモリソン万年筆&カフェへ。僕の事前の下調べでは、カレーやパスタを食べられるとのことでした。

外観で言うと、ここも優勝。「こんなお店、みんなやりたいわい」と皮肉っぽく呟きたくなるほど、オシャレなお店です。しかもTH物件から 30歩ほどで辿り着きます。めちゃ近い。

「こんなん反則やわ」と寝言を言うような外観

ドアを開けて店内を見回すと、カウンター満席。12:00前なのにスゴイ流行ってます。僕たち家族が到着する直前に奥のテーブル席も予約が入ったそうで、残念ながら諦めて別のお店へ行くことに。

いざ、新地・入船へ。


ここがダメだった場合のリスクヘッジとして、カレーうどんの美味しいお店を調べていました。「新地・入船」というお店です。

モリソンさんからほど近かったので、すぐに到着。

おばあちゃんが元気よく迎えてくれて、こちらも第一声から、めちゃめちゃ感じが良いのがわかります。

カウンターしか空いてへんけど、ここの角の席、使いー」と言ってくれて、家族3人着席。

昔ながらのうどん屋さんですが、食べてる人達を見るとめちゃめちゃ美味そうです。

僕は日替わりの揚げ餅カレーうどん定食、妻はカレーうどん定食、娘はだし巻き定食を注文。

だし巻き定食の卵焼きを見てびっくり。すごいボリュームです。ふわふわ、つやつやの卵焼き。絶対美味い。

揚げ餅カレーうどんも餅、カレーの調和具合が絶妙で、そりゃ流行ります。ひっきりなしにお客さん入ってきますし。

家族三人3000円でお釣りが来ました。満足・満腹で店を出ました。

いざ、再び散策へ。


ふく笑いさんから聞いた地酒のお店「東川酒店」へGO。

これまたオシャレな外観。ショーケースには、たくさんの日本酒が陳列されています。どのお酒にも解説のポップがついていて、素人でもとてもわかりやすかったです。ちなみに有名な地酒「風の森」もありました。

気になったのは、御所イモ。山芋のような、里芋のような粘り気のあるイモです。すりおろして鍋に入れたら、まるでお餅のようになると伺い、購入。地酒「風の森」も合わせて購入しました。

店主らしき店員さんから、御所イモの話や、街のお店のことを教えてもらいました。モノを買うだけじゃなく、得るもの、感じることがたくさんあるねんなあ、この街は。気持ちが豊かになります。

いざ、りんご飴を求めて。


いよいよ、娘待望のりんご飴のお店「前喜商店」へ。

こちらのお店は、砂糖の卸問屋さんで、べっこう飴やフルーツの飴が有名だそう。うわー、ここも優勝。外観、ヤバいくらいにオシャレ。

冷蔵クリアケースにりんごがたくさん。いざ、購入。こちらのりんご飴は、一口サイズにカットし、クリアカップへ入れてくれます。歩きながら食べやすいように持ち帰りの工夫がなされています。

一口パクッ。

衝撃。先に言うときます。このりんご飴、地球上で一番美味いです。出ました、地球No.1

今まで食うてたりんご飴も美味しいと思ってたんですが、群を抜いています。りんごが激ウマ、飴も激ウマ。どっちも殺さずに相乗効果で激ウマ。

ただ一つお伝えしておくと、欲張りすぎて、一人一つ注文せずに、三人で一つをシェアするくらいの方が良いかもしれません。まあまあボリュームありますんで。何事もやりすぎは禁物です

いざ、最初の優勝スイーツ店へ。


やっとこさ来ました。はじめに登場した優勝スイーツ店です。娘の好きなマカロンが売っているとのことでしたのでそれを目当てにいざ入店。

はい、大優勝。ここも群を抜くオシャレさ。僕と同じ人間が、これをデザインしたんかいな。どうやったら、こんなにオシャレな感じにできるんやろうかと涙を一粒こぼしてつぶやいてしまうほど、無駄なく、洗練されたデザイン。生まれ変わったら、こういうのを生み出せる人間になりたいなと願いながら、今晩は寝ようと誓った次第です。

超絶オシャレなクッキーとマカロンを購入しました。缶からして、オシャレ。今日、何回オシャレって言うんやろうか。ボキャブラリ貧乏に思われるかと思いますが、あえてここは自身の目で見て確かめてもらいたいので「オシャレ」の一言でまとめてみました。

いざ、振り返り。


なぜ僕が、御所にここまで熱狂し、可能性を感じたのか。振り返ってみることにします。

  1. 地元の人たちが健全な危機感を持って街づくりに参画していること。

  2. 宿泊、食、物販、体験とコンテンツづくりに行政、地域が一体になっていること

  3. 御所市に潜在的なリソースがあること(雰囲気ある街並み、特産品、歴史ある商店

  4. 都心部からのIターン支援などが充実していること

  5. 街づくりの地元キープレーヤーと市外の連携が強固であること

  6. 特色ある店舗が点在し、コンテンツが充実していること

  7. 未完成であること(いつ来ても飽きない)

  8. 各店舗の店主さんやスタッフの方々のホスピタリティが高いこと

  9. 各店舗がバラバラに経営するのではなく、一体感を持った街づくりがされていること

  10. 街の広さがちょうど良いこと

枚方にも共通する部分があり、とっても参考になりました。こうやって御所に行く機会をくれたジュニアさん、あつひろさんありがとうございました。


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