NASって便利なの?
NASとは?
NASはNetwork Attached Storageの略で『ナス』と読みます。直訳すると『ネットワーク接続ストレージ』の意味通り、ネットワーク(LAN)に接続された外付けのHDD(ハードディスク)で、同一のLANに繋がっている全てのPC・タブレット・スマートフォンなどからファイルの読み込み・保存が可能になります。
GoogleドライブやiCloudを自宅(自社)で構築するようなイメージと思って頂ければ分かりやすいかもしれません。
NASのメリット
USBやThunderboltといったケーブルで直接繋げる外付けのHDDでは、ストレージ(HDD)と端末(PCやスマートフォン)が1対1の接続しか出来ませんが、LAN上に接続されているNASでは1対多での接続が出来るようになります。
PCに対して1台ずつ外付けHDDを用意する、必要に応じて接続端末を挿し替えるといった煩わしさもなくなり、例えばMacbook AirでNASに保存したファイルはリアルタイムにWindows PCやiPhoneなどの他の端末で読み込むことも可能で、端末間のファイルのやりとりが簡単になります。
1人で複数台の端末からファイルを共有するといった使い方はもちろん、家族や社内でのデータ共有、データの保存先を1台にまとめる(アカウントを分けて保存フォルダを別々に出来ます)といった使い方も容易です。
また、PC内のSSDやHDDにデータを保存しなくて済むので、PCのトラブルやOSの再インストール時に大切なファイルの消失というリスクが無くなります。
現在発売されているNASは本体とHDDが別売りになっている物が多く、必要な容量のHDDを自分で決められる為、比較的安価に大容量のストレージを構築することが出来ます。
NASのデメリット
GoogleドライブやDropboxと比較すると初期設定が少し面倒です。(検索すれば設定方法はたくさん出てきますが)外出先で自宅のNASにアクセスするといった使い方も可能ですが、ルーターやDDNSの設定が必要になる製品もあります。(Synologyはこのあたりの設定も割と簡単)
ファイル保存専用のPCを運用しているのと同じなので、停電時には当然使えませんし、本体のトラブルやHDDの不良も起こりえます。
また、NASに限ったデメリットというわけではないですが、一般的に一番多く利用されている1GbpsのLAN環境下では読み込み速度の理論値が125MB/s(実効値で110MB/s前後)となってしまってHDDの速度の前にLANの速度がボトルネックとなるので、
USB3.0接続の理論値が625MB/s(外付けSSDの実効値で500MB/sくらい)
SATA3.0の理論値が600MB/s(内蔵SSDの実効値で500MB/sくらい)
PCIe 3.0×4の理論値が4000MB/s(内蔵M.2 SSDの実効値で3000MB/sくらい)
これらのSSDと比較するとファイルの読み書きには少し時間がかかってしまいます。
高機能なNAS
SynologyやqnapといったNASメーカーの製品は本体にOSが入っていて、必要なアプリケーションをインストールすることが可能です。
これによって、NAS内でAppleの写真、Googleフォトと同様のアプリケーションを運用することが出来たり、動画や音楽プレイヤーとして使うことも可能です。
Webサーバ、Docker、gitサーバ、Wordpressまでも簡単にインストールして運用出来るので、開発者に必要な環境も整えることが出来ます。
また、NASの特定のフォルダとGoogleドライブ、Dropbox、iCloud、OneDriveなどを同期させられるので、NASのバックアップとしてクラウドドライブを利用することも可能です。
まとめ
LANとHDDを使うといった部分で速度面は若干デメリットを感じますが、それ以上にメリットのほうが大きく、一度使い始めると内蔵SSDのみでの運用は不便すぎて考えられません。
Googleドライブの写真や動画の保存容量が、無料枠の上限15GBに含まれるようになってしまったのですが、NASを使えばスマホで動画や写真をたくさん撮る人もバックアップ先の容量を気にする必要がなくなります。
特にクラウドドライブのサブスクリプション代に悩んでいるかたはNASの導入を検討してみてください。
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