第6章 プラスドライバー② 『ネジ穴を潰す人たち』
緩めては締めるを繰り返す
結婚生活をネジに例える話力一杯絞めても
時間経過で緩む
①の冒頭で語ったように
私の周りは、というより
世の中は不倫や不貞を否定はするが
横行している、今日はそんなネジ穴の一話
とある同僚の場合
夫、超(コユル)28歳
妻、結衣(ユイ)25歳
職場の営業担当と会計事務の職場結婚
二人とも美男美女
結衣が入社2年後、
気配りのできるこゆるが
献身的な教育を勝手でた所から
交際は始まった
私もそれぞれと仲が良く
岩手に転勤となる7年前は
春は花見、夏は海バーベキュー
秋は芋煮会、冬はスノボと
四季折々よく遊んだ
二人が結婚すると聞いたのは
私が山形を離れる直前
まだ交際関係にあったがいよいよかと
思い、式には同席できないが
幸せな同僚結婚かと祝福した
それから8年
私が岩手から再び山形に戻ると
こゆるは福島へ異動となるが
足繁く毎日山形市から通っていた
配属ガチャに見事に苦労をしている
しかし、その経験があるから
家族は深まるだろう
事後報告ではあったが
すでに4歳になる長女恵那(エナ)を出産
子宝にも恵まれ順調な幸せを歩んでる
そう思った
しかし、勝手な想像と裏腹に
彼はまんまと福島で港妻を作った
相手は5つ下の新入社員澪(ミオ)
顔立ちも、スタイルも、愛嬌もよく
福島事務所でも一目置かれるマドンナ
共通の同僚からその話を受けた頃には
ユイは全てを把握していた
不倫関係を発覚したのが
ユイがそろそろ二人目をと思っていた
矢先の事だったという
最初に事情を聞いたのはユイの話
・コユルは家に帰らず同僚宅に泊まる日が増えた
・4歳のエマに対する愛情表現が極端に減った
・ユイはコユルの携帯を覗き、尻尾を掴んだ
・ユイとエマが高熱で苦しむ裏で
コユルとミオは温泉旅行を楽しんだ
ユイは自称粘着質というだけの事はあり
私だったら敵に回したくない性格の持ち主
心はバラバラになろうと
その破片を相手に突き刺す程度の
覚悟と度胸は持ち合わせていた
彼女は探偵と弁護士を雇い
綻びの出ぬよう口の固く
彼のそばにいる2名のみを厳選し
情報収集と協力を募った
全てを知った私は
彼女やエマの同情をする暇もなく
内心はどうあれ彼女の強さに恐れ入った
一方、コユルは
側近の仲間がスパイであることも
つゆ知らず、チームリーダという
責任仕事に邁進しながらも
不貞行為をエスカレートさせていった
鉄は水分と酸素により錆を伴う
そして、黙っていても徐々に
締め具合はゆるみ始め
定期点検でもしない限り
そのゆるみはいずれ大事故を引き起こす
次回プラスドライバー③「サビで潰れたネジ穴の直し方」
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