発達障害グレーゾーン~岡田尊司著~
Before
どんな児童も、それに近い傾向はあるのだが、そこにどのようにアプローチしていくのかは、課題として日々試行錯誤である。そんな日々の一助になればと理解を深めていけることを期待している。
学んだポイント
成人のADHDは子どものADHDとはかかっている人もその症状の特徴も大きく異なるという指摘が為されていた。ということは子どものADHD症状は落ち着いてくるということで、2次障害が子どもに悪影響を及ぼさないように考慮・支援を行う重要性を感じた。
強迫性パーソナリティには行動認知療法やカウンセリングが有効。現在の児童への支援も理にかなっているのではないかと感じた。
こだわりの強さと執着傾向の指標としては言語理解と知覚統合(知覚推理)の比率が言語理解に優位性があると、自閉スペクトラム指数の(AQ)の注意の切り替えのスコアが高くなる傾向があるし0.4という高い相関を示す。
語用論的コミュニケーション障害についてはある程度相関のある児童が学級に存在するのではないか?そこへのアプローチは?
回避型愛着スタイルの人口割合が増えてきている。応答を活発にしたり、豊かに反応したりすることで幼児期の回避法はあるが、果たしてこれからの世に必要かどうかは不明である。うーん。それってどうなのだろう。
知覚統合の低さは周囲の状況を読めなくなったり、状況判断が難しくなる傾向がある。ワーキングも言語理解も上なのに聞き取り読解が弱い児童はその傾向である可能性がある。社会適応のネックになる傾向が強い項目。知覚統合のトレーニングはパズルなどが有効。言語を図式化して整理する活動も有効
知覚統合が高い人は共感性に乏しい傾向がある。ただシステムを構築することにはとことん得意な傾向あり。共感する活動や他者の気持ちに共感するトレーニングが有効
E(エンパシー)タイプのS(システム)タイプの生物学的指標(バイオマーカー)は結構精度の高いバイオマーカー。人差し指と薬指の長さの比率で男性で人差し指が長いとSタイプ。女性では薬指が長いとSタイプの傾向が強い。
作動記憶=ワーキングメモリ
実行機能の指標は処理速度(低ければADHDの傾向を疑う事ができる他言語理解も低い傾向を示す事が多い)WISCでは逐次処理速度と同時処理速度の2つで判定される。実行機能のチェックリストとしては5点①意思決定(予定にない買い物)②プランニング(説明書読まない)③逐次処理(飽きやすい)④同時処理(2つ同時×)⑤柔軟性(変更×)
疑似ADHDの増加(睡眠時間、ストレス増加、甘味料・着色料)が昨今目立つ。
疑似ADHDは知覚統合が最も低い傾向を示す。
ADHDにはタイプが有り、処理速度の速い遅延報酬障害時間処理障害など異なる傾向に当てはまるタイプがある。
実行機能の改善にはマインドフルネスが有効
プランニング能力の向上は結局自分で計画して実行し振り返ることを積み重ねる必要がある。
協調運動障害の簡単に診断に役立つ検査。手を大きく振って足踏み行進→目をつぶってやってもらう。→左右どちらかに回転し始める。
眼球運動の障害→指を左右に動かし目で追う。変に動く場合は疑い。
LDは言語理解やワーキングメモリが低く、処理速度が高いパターンを示しやすい。
数唱の成績が悪い人ほどコミュニケーション、社会的スキル、社会的想像力に困難があると感じている。また語彙の豊富さが逆にコミュニケーションに困難をかかえる傾向がある。
ワーキングメモリは処理できる情報記憶であって、短期記憶は処理には直接関係しない。自閉症の傾向として短期記憶の能力に依るものと考えられている。
ワーキングメモリのトレーニングとして100マス計算や暗証訓練・要約・聞き取りで書く・聞き取った文を繰り返す・聞き取りながら同時に声を出して繰り返す。
TO DO
どの結果の傾向がどのようなな対応をする必要があるのか、はっきり言って多岐にわたるので、なかなか難しいと思っていたのだが、今回の読後整理できたので、このポイントを見返しながら、対応を考えることが出来そうだ。
環境要因と遺伝要因によってトレーニングなどの対応策が異なるところからも、例えプライバシーな内容といえどもそれを理解していることは必要だなと感じた。
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