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ビッグバンドのピアノとかいうパート、ふざけんなよ

はああああああ、ふざけんなよ!!!!
ビッグバンドのピアノとかいうパート、難しすぎるだろ!!!!


あ、こんにちは、ばるさーです。
唐突に叫んでしまった。でもこれ結構ガチ本音でして。
 
僕は都内のとある私立大学のビッグバンドでピアノパートに所属しているのだけれど、他の楽器に比べて、ジャズピアノって難しくない?
これ思ってるの僕だけ!? 僕だけですか!?!?
 
てなわけで、個人的に思う「ジャズピアノ、ひいてはビッグバンドのピアノパートの大変なところ」を列挙していこうと思います。
 
 
 
・右手と左手で別々のことをする必要がある
 → もちろん、一緒のことをするときも多いのだけれど、別々のことをするときも度々ある。よくあるパターンは、左でバッキングをしながら右でソロを取るとか、左でウォーキングベースを弾きながら右でバッキングをするとか。エグいてエグいて! 脳バグるて!!
 
・楽譜がほぼ無地
 → ジャズピアノの楽譜はかなりの確率でコードしか書いていない(写真参照)。無印良品かて。こんな譜面だから、ジャズピアノ初心者は(仮にクラシックピアノをやっていたとしても)誇張抜きで「何もできない」と思う。管楽器にたとえて言えば、ずっっっとアドリブソロを取っている状態。普通にしんどくない?

・単音ではなく、重音じゃないと成立しない楽器である
 → 音符が書いてあることもあるのだけれど、それも当然和音になってる。僕はSing Sang Sungのクラリネットをやらせてもらったことがあるのだが、正直「単音楽器楽すぎ~~」と思ってしまった。純粋に譜読みの時間が倍以上かかる。マジで楽譜を破りたくなってくる。
 
・譜面のページ数が他のパートの倍以上ある
 → これはもう仕方ないよね。ト音記号とヘ音記号の二段構成、つまり「大譜表」形式で書いてあるから、ページ数がかさばる。もはや「大不評」。ドラム3枚、ギター2枚、ベース3枚、ピアノ7枚。「7枚!?(CV. アディショナルタイム7分に驚く本田圭佑)」……なんてこともザラ。
 
・セブンスの響きになれないうちは、頭にハテナが浮かびつづける
 → セブンスやテンション(9th,11th,13thなど)が入ってくると間違いなく音がぶつかる。それがジャズの醍醐味であるとも思うのだけれど、最初は「えっ? 本当にこれであってる?」と常に思ってしまう。(んで実際読み間違ってることもある。)特に個人練の時には顕著。音源聞きながらじゃないと練習できない。
 
・「ルートの音はベースが弾くのでバッキングしないでもよい」← は?
 → ベースは大抵、コードのルートの音(第一音)は外さずに弾く。また、倍音があるのでコードの第五音もピアノは省略してOK。ということで、ピアノのバッキングでは、第三音と第七音を中心に弾きましょう……。いやいやいやいや! わからんわからん! 理屈はわかる、理屈はわかるんだけど、Dm7って書いてあるのにDの音弾かんの!? 素直じゃなくない!? 人生ってもっと正直に生きた方が良いんじゃないの!?
 
・ホーン隊のスキマをフィルインしないといけない
 → 管楽器の人たちのフレーズを聞いたうえで、休符になっているところに丁度いいフィルを入れたり、ホーン隊と掛け合いになるようにしてみたりしないといけない。リズムセクションだけ聞いていればいい、というわけにはいかないのだ。かぁぁぁぁぁぁ!!
 
・「曲間のBGM頼むわ」← 無理無理無理無理無理無理
 → 急に言われてもよぉぉぉ!!!! そんなことできねぇよ!!!! 気軽に言ってくれんな!!!! じゃあMC、お前が歌えよ!!!! しかも弾くの自分一人だけなんだから、本番の曲以上にミスれないじゃねぇか!!!!
 
・リズムセクションの一員なので、スウィング感やテンポ感にシビアじゃないといけない
 → コードを読んだり、適切なバッキングをアドリブで考えたり、別の楽器の音を聞いたり、イントロやソロが回ってきたりして、頭の中「パニックパニックパニックみんなが慌ててる」状態なのに、スウィング感やテンポ感が少しでもズレると曲が崩壊する。そんなにマルチタスクできないよ!!「オラはすごいぞ 天才的だぞ」ってもしかしてジャズピアニストのことですか?
 
・バッキングのリズムは自由度が高すぎて鬱
 → たしかにベースとかギターも楽譜は書いていないし、スウィング・テンポに精度が求められるけれど、お前らは四つ打ちじゃねぇか!! こっちは四つ打ちだとダメなんだよ!! しかも、スウィングの裏拍で最適解のバッキングをしないといけない。ってかほぼピアノしかいないんですよ、裏拍でバッキングできるパートって!! なんやねん!!
 
・正直ピアノがなくても、曲は流れる
 → これはマジ。今まで散々難しいところを言っておきながら、テーマのとき等は何小節かサボってもバレない。っていうか、空白がいい味出したりする。そもそも、ベースとドラムさえあれば曲は進んでいく。ピアノはアクセントに過ぎない。果たして「自分の存在意義とは?(哲学)」という問いと日々向き合っている。
 
・その癖して、アドリブでイントロとか求められる
 →「ピアノは存在しなくてもいい…ってコト!?」という気持ちを一瞬で打ち砕く。全員がアドリブでどうにかできると思うなよ。なんか、必要なところと不必要なところの差がすごい。必要なところで入らないと「は?」って顔をされるので、とりあえず休まず演奏しているべき。そういう宿命の楽器。
 
・なんだかんだ簡単そうだと思われてる
 → ピアノを子供の頃に習ってたという人は多いし、鍵盤を押せば音が出る楽器だからかな? 結構簡単だと思われてる気がする。ビッグバンドでピアノやる人たちなんてことごとく上手いので、「意外と簡単にできるんじゃね?」と思うかもしれないけど、そんなことねえからな!!! 多分、ジャズピアノできる人は他の楽器もそれなりにこなせるからな!! いったんピアノやってみ、できないから!!!
 
・弾いてる見ためがダサい
 → これはもはや僻みですけど、ギター・ベースは見た目がまあ映える。サックスやトランペットは言わずもがな。ドラムもボーンもかっこいい。ピアノは……? なんで客席に背中向けてんだよ! みんな前向いとるやないかい!! なんで「小さく前へならえ」しないと弾けないんだよ。パソコン使った事務作業と同じじゃねえか!


 

以上、まだまだある気がするけど、とりあえずはここまで。

一応言っておきたいのは、もちろんピアノ以外にも難しいパートはいっぱいあるということ。

ドラムは 左・右 × 手・足 = 4つ のマルチタスクが必要だし、トランペットはひたすらにハイトーンが、サックスにはフラジオが要求される。
ピアノは、ギター・ベースのように指が痛くなって皮がむけることもなければ、トロンボーンのようにポジションは合っているのに音が当たらない、ということもない。

「人には人の地獄がある」というように「楽器には楽器の地獄がある」のだろう。
 

「俺、ピアノでジャズやってらんねーよ」
「お前本気でそれ言ってるのか?」
「いや本気で言ってたらピアノと一緒にジャズやってねーよ」
「ヘへへへへッ」
 
 
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは、今日はこの辺で。


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