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市場の修正に備える消費者関連7銘柄Worried About a Market Swoon? Consider Consumer Staples Stocks.ウォルマート、コルゲート、クローガー、チャーチ、ケーシーズ、スプラウツ、ポスト

不安定なハイテク株からの避難所

投資家はここ数年、腰を落ち着けて株価が上がるのを楽しむだけでよかった。しかし、波乱含みの展開になった場合、軽視されがちな消費者関連株は投資家を保護するセクターの一つになる。

最近はディフェンシブなポジショニングは重視されていない。S&P500指数は4月に4%強下落したものの、5月に入ると1週間ほどで3%反発した。同様に10月は大幅下落したが、11月の反発は驚異的だった。S&P500は昨年の大幅上昇に続き、今年も9%近く値上がりしている。

市場が上昇を続けている今、比較的地味で配当の多い消費者関連株が後れを取っているのは驚きではない。コンシューマー・セレクト・セクターETF(上場投資信託)は年初来で5%強上昇しているが、過去1年間はマイナスだったから、これは改善と言える。昨年春の一時的な地銀パニックのような混乱期には投資家の関心が高まったものの、この伝統的なディフェンシブセクターに目を向ける必要はほとんどなかった。一方、国債利回りは超低金利時代には不可能だったインカムを提供できるようになった。

とはいえ、消費者関連株を見限ってしまうのは賢明ではない。市場は活況を呈しているが、あまりに早く、あまりに遠くまで来てしまったため、一服する時期が来るかもしれない。そうなれば消費者関連株は再び魅力を増すだろう。モルガン・スタンレーのチーフ米国株ストラテジスト、マイク・ウィルソン氏は「市場は経済のソフトランディングとノーランディングの間で揺れ動いており、個人消費にもばらつきがあるため、消費者裁量株よりも消費者関連株を選好する方が理にかなっている」と述べた。

トリバリエイト・リサーチの創設者であるアダム・パーカー氏は、株価が小休止する時は株をうまく選別する投資家が輝く時で、生活必需品株がその候補だと主張する。同氏は過去100年近いデータを分析し、生活必需品株はスタグフレーションの恐怖が存在する時に好調になる傾向を見いだした。加えて、このセクターは不安定なハイテク株からの逃避所にもなる。


SHELBY TAUBER/BLOOMBERG

ウォルマートなど3銘柄は本誌も推奨

パーカー氏は、消費者関連株がその安全資産としての評判に見合うパフォーマンスを示さなかった2022年のような失望を避けるために、株価を維持できる独自の取引材料を持つ個別企業を探すべきだと主張する。同氏によると、消費者関連44銘柄(約70%)がシステマティックリスクや市場全体のリスクとは別に、企業固有のリスク要因を持っているため、市場と歩調を合わせて動く可能性が低い。これは2008~09年の金融危機以来最も高い数値で、時価総額では65%を占める。

パーカー氏は「ヘルスケア以外のセクターは独自の取引材料を持つ銘柄が圧倒的に少なく、時価総額に占める割合も小さい」と語った。

このセクターは、市場が下振れした時に株価が上昇する可能性のある銘柄を探す投資家にとって、絶好の狩り場となるはずだ。パーカー氏はアルファ値がプラスで、ハイテク株との相関が低い銘柄として、小売りのウォルマート<WMT>、パーソナルケア製品のコルゲート・パルモリブ<CL>、食品・医薬品小売りのクローガー<KR>、家庭用品のチャーチ・アンド・ドワイト<CHD>、コンビニエンスストアのケーシーズ・ゼネラル・ストアーズ<CASY>、自然食品のスプラウツ・ファーマーズ・マーケット<SFM>、食品のポスト・ホールディングス<POST>の7銘柄を選んだ。

ウォルマート、ケーシーズ、スプラウトは昨年本誌が選んだ推奨銘柄で、さらなるアウトパフォームが期待できそうだ。ゴールドマン・サックスはコルゲートとチャーチを選好している。

市場の修正はすぐには起きないかもしれないが、消費者関連株は他のセクターへの投資を続けながら潜在的な混乱に備える一つの選択肢になる。

原文:By Teresa Rivas
(Source: Dow Jones)
翻訳:時事通信社

この記事は「バロンズ・ダイジェスト」で公開されている無料記事を転載したものです。