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古楽への扉を開いてくれた1枚のレコード

「私の中の音楽」No.001

ここ数年の私は、毎朝(月曜~金曜)、NHK FMで放送される「古楽の楽しみ」を熱心に聴くような生活をしています。

古楽と呼ばれているような音楽が好きでたまりません。

そんな、古楽への扉を開いてくれた決定的な出来事。
それは1982年、『坂本龍一+ダンスリー/エンド・オブ・エイシア』と帯に書かれた一枚のLPレコードを買った事。

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このレコードを聴いた事の無い人でも、当時、YMOのコーナーに並んでいた、レコードジャケットに見覚えがある人は多いのではないでしょうか?

YMOのコーナーに並んでいるから、電子音楽を期待してうっかり買ってしまった人の中には、この音を聴いて愕然とした人もいたのでは?
全曲、電子音楽の正反対といってもいい、古楽器を用いた演奏ですから。

ダンスリーとは、正式には、ダンスリールネサンス合奏団といい、様々な古楽器を用いて、世界各地の古い音楽を演奏する楽団ですが、このアルバムは坂本龍一のプロデュースで坂本龍一が作曲した曲を古楽器で演奏したりもしています。

私は、すっかりこの音楽に嵌ってしまい、当時、もう1枚だけ出ていたダンスリーの1stアルバム『ダンスリー Danceries』もレコード屋さんに注文して購入しました。
1stアルバムは、ヨーロッパの古楽曲だけではなく、アジアの民謡なども演奏しています。

2枚のアルバムを聴いてみて気づいた事は、
・坂本龍一の曲を演奏したものよりもヨーロッパの伝承曲を演奏したものの方が好き。(坂本龍一曲も面白いけど)
・アジア系の曲よりもヨーロッパ系の曲の方が好き。(アジアの曲も興味深いけど)という事。

自分の中の古楽ブームは、この2枚のアルバムを手に入れて熱心に聴く事により、一旦落ち着いたのですが、後に(仕事でしばらく滞在した)イタリアでの生活の中で再燃、さらに日本に帰ってからタブラトゥーラの音楽に出会った事で燃え上がります。

そして、今では、毎朝『古楽の楽しみ』を聴くような人間になってしまったという次第。

またダンスリーとの出会いとほぼ時を同じくして、世の中に流れる音楽は、私にとって「音色が苦手」な物が多くなっていきました。
80年代産業ロックに代表されるような、音楽の音色が苦手なのです。
そんな事も、古楽を含めたアコースティックな音楽に傾倒していくきっかけになっているのかと思います。


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