【店舗予選権利獲得】青黒ミッドレンジ調整録【プレミアム予選TOP8】
パイオニア環境の青黒ミッドレンジを個人で調整した結果を綴る記事になります。(以前の記事の青黒コントロールって表記は混乱を招くのでやめました)
挨拶
こんにちは。みやむーです。
関東で大体青黒のデッキを回しています。現在はほぼパイオニアを専門にプレイしており、TLSQで上位入賞など、晴れる屋には定期的にリストを載せたりしています。ブログを書いたりDiscordサーバーを作ったりといった活動もしています。
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今回はパイオニアの店舗予選を抜けた記念に自分の思考整理と青黒ユーザーを増やす為に記事を書いています。
サンダー・ジャンクション環境で考えていたこと
魂の洞窟の隆盛とその影響
イクサラン:失われし洞窟で登場した《魂の洞窟》は青いデッキにとって常に悩みの種となるカードです。このカードから出たマナで唱える呪文は全て打ち消されなくなり、土地にしてスペル1枚分のような役割をします。
登場直後は期待された程はパイオニア環境で使われていなかったものの、打消しを用いる代表的なデッキである青白コントロールに対し有効であることや、このカードが入るデッキの研究が徐々に進んだことから、少しずつ採用率を伸ばしています。特にTier上位に位置するラクドス吸血鬼で使われているのがポピュラーです。
このカードが使われるパターンは以下の2パターンが挙げられると思います。
①部族デッキ(主にアグロ~ミッドレンジ)
②ゲームに勝利する程の重量級クリーチャーを直撃させる
①に該当するのは吸血鬼、人間、スピリット、天使、ゴブリン等の部族で固めたデッキです。アグロ系のデッキがアブザン探検の存在により締め出されていることもあり、こうしたデッキの使用率は以前はそれほど高くなかったものの、ラクドス吸血鬼の登場以降すっかり環境に定着している結果、《魂の洞窟》自体も見かける機会が増えています。
②は主にランプ系のデッキで、《深海の破滅、ジャイルーダ》や《嘶くカルノサウルス》を用いた発見デッキや緑単ランプ等で用いられるパターンです。ランプじゃないデッキでも《魂剥ぎ》のように1枚で勝負を決め得るクリーチャーがいる場合は併用されていたりします。
②に該当するようなカードを用いるデッキは、スケール勝負でラクドス吸血鬼等と戦えたりして現在のパイオニア環境では立ち位置が比較的良い場合があります。そうしたデッキが多くなった結果として、《軽蔑的な一撃》のようなカードが以前より相対的に弱くなったと感じています。つまり、《軽蔑的な一撃》で消したい大型クリーチャーは《魂の洞窟》で出てくるのが定番となった為、普通の打消しでは対処できません。《即時却下》のような呪文を打ち消さずに追放するタイプのカードを使うか、赤か緑のカードに対してなら《霊気の疾風》を使うしか無くなり、大型のクリーチャーに当たるという《軽蔑的な一撃》の利点が薄くなっています。
また、①のうちラクドス吸血鬼に対しては、クリーチャーに対してはカウンターが効かない事が多い一方で《鏡割りの寓話》と《傲慢な血王、ソリン》と言ったマストカウンターとなるカードが入っています。マストカウンターと打ち消しを当てにくいクリーチャーが混在していて使用するカウンターの選択は悩ましいです。マストカウンターが非クリーチャー呪文に集中している事で、結果的に以前より《否認》の価値が上がっていると感じています。マストカウンターが2種類とも3マナであることから、後手でもこれらのカードを弾ける2マナというコストも丁度良い重さと言えます。そしてアブザン探検がメタゲームに一定数いることでアグロ系のデッキが抑圧されていて、《否認》が完全に腐ってしまうマッチアップが減っているのも《否認》を採用するに当たって追い風と言えるでしょう。
①に該当するデッキのうちクリーチャーに比重の大きい部族アグロデッキはカウンターを全てサイドアウトしなければならないマッチアップとなります。そうしたデッキを考えると、カウンターは必要な時にサイドアウトしきれる枚数である事が好ましく、逆にカウンターが必要なマッチアップでは十分に採用できる構成にしておく必要があります。そんな時に重宝するのが《復活したアーテイ》です。
《復活したアーテイ》はカウンターの枚数を稼ぎながら、《魂の洞窟》デッキに対しては除去にもなれる器用なカードです。このカードを少し入れておく事でカウンターの枚数を確保しつつ、部族デッキに対しても除去として使える為サイドアウトする必要のないカードになっています。中間択のようですが現在の環境では悪くないと考えています。また自身がクリーチャーである事から血管切り裂き魔の護法コストに自身を充てる事で1枚で血管切り裂き魔を対処できるのも面白いポイントです。
また、似たような役割を期待できるカードとしてティシャーナの潮縛りがあります。
打ち消されないクリーチャーが相手でも誘発型能力を打ち消して対処する事が出来ます。クリーチャーの本体が残ってしまうので過信は出来ませんが、致命的な能力は打ち消せるので一考の余地があります。
冷静なスフィンクス
サンダー・ジャンクションの無法者で登場したカードの中で、個人的に最も評価が高いカードは《冷静なスフィンクス》になります。
青黒というカラーリングは除去やカウンターを構えて相手を妨害していく事が得意な色の組み合わせである事から、元々デッキを組むに当たり瞬速を持っているカードは評価が高くなります。《奔流の機械巨人》や(正確にはサイクリングですが)《サメ台風》等、フィニッシャーにはカウンターや除去を構えながら隙無く出せるカードが選択肢として好ましいです。
また、歴史的には白なら《呪文捕らえ》・《放浪皇》、緑なら《夜群れの伏兵》・《エリマキ神秘家》といった、カードパワーの高く比較的軽い瞬速持ちのカードが出る度に、青+その色のフラッシュデッキが組まれてきました。今まで青黒には《滑りかすれ》等がいたものの、個人的には実戦で使うにはやや課題が残っていました。(《滑りかすれ》を用いた青黒フラッシュをパイオニアで調整した俺の過去記事があるので気になる人はどうぞ。)そんな中《冷静なスフィンクス》はフラッシュデッキを青単色のカードにして肯定するカードと言え、どのカラーリングのフラッシュデッキでも採用が検討できる1枚です。
個別のスペックに目を向けると、回避能力に加えパワーが5と高く、4回攻撃すれば速やかにゲームを終わらせる事が出来ます。呪禁能力はサポート無しだとそこまで信用できないものの、ソーサリータイミングの除去はほぼ受けず、プレイ次第で《放浪皇》をケアしたり出来ます。タフネスは高くないものの、3と最低限の数値を持っていて、《火遊び》や《砕骨の巨人》の《踏み付け》で除去されないので及第点のサイズです。
幻影の干渉
青黒というカラーリングは、ことカウンター呪文の選択に関しては《喝破》・《ドビンの拒否権》・《吸収》等を有する青白に対して伝統的に後塵を拝しています。《かき消し》や《検閲》等、比較的カードパワーの劣る2マナのカウンターの中で「どれだったら一番マシなのか?」という観点で打消しを選択する必要があります。
その中に割って入ったのが《幻影の干渉》です。《火消し》の互換であるカウンターでありつつ、土地が伸びた後半戦には小型の瞬速クリーチャーのような運用が出来ますし、最大値では《エリマキ神秘家》のような運用も可能です。犠牲コストをあまり払えなさそうなデッキでは《かき消し》より単純に優秀だと考えており、通常はこのカードの方が単純に強いケースが殆どになるだろうと思われます。
使ってみると5マナまで伸びる頃には相手もそれなりに土地が余っている事が多く《エリマキ神秘家》ムーブが決まらない場面も多いですが、決まればかなりのテンポを得る事が出来るのも事実です。このカードを使うことでマナフラッドに強くなる効果も期待できます。
リストの変遷
https://note.com/barrardgame/n/n467d21362428
上の記事で上がっていたものを調整し続けていたリストで予選に参加していました。最初は(4月下旬)以下のようなリストでした。
これでも感触は悪くなく、2回店舗予選でSE入るも抜けれず。また、《冷静なスフィンクス》がイゼットフェニックスにかなり弱いのでメインを落としやすい等の問題が発生。
また、環境が変わり《精鋭射手団の目立ちたがり》を用いた赤系アグロや、《無駄省き》を用いたハンデスデッキ等が流行し、環境に存在するデッキが不利な相手だらけに。SE入れずスイスラウンドでのドロップを繰り返します。
ここでカウンターを使うのを諦め一度別デッキを使いました。(このデッキについては有料部分のおまけで後述)ぶっつけ本番のオリジナルデッキではありましたが、当日は連敗を重ね、対戦相手の外国人の方に「Crazy deck」と言われてしまう始末。思い出に残りましたしこれはこれで楽しかったですが、デッキは振り出しに。
その後参加したプレミアム予選以降では、5Cニヴが増えていた事を理由に《豆の木を登れ》に強い《フェアリーの黒幕》を投入して参加。また赤系アグロに負けているので《切り崩し》や《執念の徳目》をサイドに用意するなど試行錯誤をしていました。
そして現在のリストに。
最終的に地元の横浜で店舗予選を抜ける事が出来ました。今後はプレミアム予選とエリア予選をターゲットにして頑張ろうと思います。
また、6/15に行われたプレミアム予選ではスイスラウンド全勝でトップ8にも入れたので、このデッキで十分環境で戦える事は証明したつもりです。
このまでお読みいただきありがとうございました。有料部分ではカード解説やサイドボーディングを載せておきます。ではまた。
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