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24 カツアゲの話 後編


前回のあらすじ

なぜか知らない中学生から一緒に遊ぼう
と言われた私は戸惑った。


一緒に遊ぶとはどういう意味だ。
よくよく見ると身体も私達よりもひと回り大きい。小5と中1の発達の違いをまざまざと見せつけられながら、腕を引っ張られる。

一緒に遊びたいと言ってくる割には握力が強いィイと思いながら、外に連れ出され、人気の無いところに誘導され私たち4人は中学生4人にあっという間に囲まれた。

こんな人もいないところで、
何して遊ぶんだろう…と思っていたピュアな私は
中学生の言葉を聞いて一気に背筋が凍った。


「じゃあ、順番に金出せよ」


Oh my god.


This is 弱い者いじめ。
This is オヤジ狩り否、小5狩り。


マンガやドラマや吉本新喜劇でしか
聞いたことない、リアル「金を出せ」

こんなにも分かりやすい絵本の物語のような
弱い者いじめがこの世に蔓延しているのか。
2秒に1回のペースで肩パンを打ち込まれながら
金を迫られる。ごにゃごにゃ言い訳をしていると
肩パンの威力が増してきたので、
私はもう無理だと確信した。
とりあえず私は500円玉を中学生に渡し、
友人たちも察したのか財布を取り出す。


一方で私の膀胱がかなり限界に近づいていた。
さすがに小学校のクラスの中でさほど頭が
良くない私でも、このタイミングで
「トイレ行っていいですか?」
なんて素っ頓狂な質問をしたらズッタズタの
ボロ雑巾にされることは理解していたので、
私は1人の友人と「親を呼んでこよう」
とアイコンタクトをし、同時にジャスコに向かってダッシュした。


思えば、どうすれば小学生が「親を呼んでこよう」の特殊なアイコンタクトをできたのか27歳になった今でもさっぱり見当がつかないが、奇跡的に意思疎通し2人で走り出せた。すると案の定、中学生が2人追いかけてくる。


私は500円で「湾岸ミッドナイト」よりも
300倍スリルのある「ジャスコミッドナイト(昼)」を
プレイしていた。捕まったらボコボコどころか
殺されると思っていた私たちは生きる執念なのか、100mほど走り中学生を振り切ってジャスコにワン・ツーフィニッシュ。


さすがに人が多いジャスコの中までは追ってこず、
親が買い物してる場所を知っていたので
すぐに呼びにいき、現場に戻ると中学生は
いなくなっており金を盗られた友人2人だけが
残っていた。


少しのお金だけですんで良かったと一件落着し、
親が付いてきてくれて「湾岸ミッドナイト」を
プレイしたがなにか物足りず、モヤモヤしたまま
帰路についた。



タイトルなし
極悪中学生グループ主犯格の似顔絵。
この顔を見たら110番


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