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44 バレーボール【ゴミ】

奴隷以下のゴミ同然の大学生活を送ることが確定してしまった青春真っ只中の18歳の4月。
※前回記事参照

大阪体育大学バレーボール部では伝統の対面式というものがある。今はあるか分からないが。

対面式とは、簡単にいうと1年生が入部したという意思を示し、自己紹介をするものである。

新しく入部した男子バレー部と、女子バレー部の1年生が1列に並んで、男女バレー部の上級生に向かって自分が出せる限りの大声で

名前、出身、ポジション、最後によろしくお願いします。と叫ぶなんとも気持ちの悪い儀式である。
これだけなら体育大学っぽいだけで終わるのだが、男子だけなぜか、2回生の考えた1発ギャグをやるというこれまた、更に不愉快極まりない伝統が受け継がれている。
そんなくだらない伝統は一刻も早く根絶やしにしてやるよこのドグサレ野郎、と、上級生に口答えできるはずもなく、対面式の1週間前からゴミは奴隷に1発ギャグを仕込まれる。

中でもキツいのが下ネタのギャグを仕込まれた人で、女子バレー部の先輩も4回生までしっかり全員揃っているのでガン引きされることは確定である。仮にも女子大生。20歳前後の女性30名ほどの前で大声のド下ネタを披露し、とんでもない空気を作り出すことでバレーボール専用体育館は対面式の30分間、この世の果てと化す。

ちなみに、対面式の練習も1週間前から2回生に仕込まれるのだが、声が少しでも小さかったりすると、冗談では済まされずしこたま怒られる。しかも外で行われるため、下ネタ1発ギャグを練習している時にバレーボールと関係ない学生がたまにこちらをド級の冷たい目線で蔑んできたりするので、これも相当なマゾか性癖の持ち主でなければ精神的猛攻撃をブチかまされる事になる。

なんで、声が小さいと怒られるのか?という問題を証明することは許されず、ひたすらに奴隷からの理不尽な要求に応える日々で、私は親に高いお金を出してもらって何をしてるのか分からなくなり、もう考えることをやめてとりあえず先輩の言うことをきくマシーンとなることを決めた。バレーボールをするためにはこの1年間耐えれば済むだけの話なので、もはや同級生全員でこの悟りの境地は満場一致だった。

そしていよいよ地獄の審判の日が訪れ、ゴミ達は禁断の12発ギャグを解き放った。


ちなみに、私が奴隷から譲渡されたギャグは


赤ちゃんのように仰向けになってジタバタして
「ママ〜、おっぱいちゅちゅ〜」
とおねだりするというものだった。


もちろん笑っていたのは2回生の奴隷だけである。
怒ったかんな許さないかんな!!


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