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21 友人の結婚式の話

27歳にもなると周りの友人はどんどん結婚していく。

昨年、高校時代同じバレーボール部の同期だった友人が結婚式を挙げることになった。

式の3か月ほど前になり、出席確認のハガキが届いた。出席・欠席のどちらかに丸を書いて返信する例のアレ。


そういえば、ただ単純に丸を書くだけではなくて、イラストを追加で書き足し、おしゃれかわいい感じにして返信するというのをSNSなどで見たことがある。

ふと、自分もやってみようと思った。

筆者がイメージしていたオシャレかわいい♡感じの返信ハガキ


もし、上記のようなハガキを返信したら
初対面の友人の奥さんに
「おしゃれですね」
と言われるのではないか。
学生時代に絵なんて披露したことのない友人に
「こんな才能あったんだ」
と言われるのではないか。
それを聞いた周りの友人達から
チヤホヤされるのではないか。

と、とても27年間生き抜いてきたとは思えない位恐ろしく単細胞な私は、何を書いたらおしゃれになるのか必死に考えていた。

自分の中で答えは決まっている。
オリジナルのイラストを描けば映える。
だが私は昔から創造力に乏しく、オリジナルで何かを創作することに苦手意識を感じていたので何を書けばいいか考えていた。


気づけば返信期日も迫っており、
オリジナルは諦めて結局、既存の絵を模写することに決めた。

どうせなら誰とも被らなさそうなもので、
私の趣味も入れたかった結果、完成したものがこちら。



筆者が実際に描いた、ご祝儀を53万持ってきそうな返信ハガキ



本当はオリジナルのイラストを描きたかったので
100点満点ではないが割とうまく描けた。

そして、ポストに投函した後に思った。



友人の人生の新たな門出に宇宙最強の帝王を送りつけ、祝うべき新郎新婦を貴様ら呼ばわりしていたことに。


オシャレに向かっていたはずなのに気づけばナメック星に居た。


そして結婚式当日、
今まで黒髪だった新郎が怒りによって金髪に
なっていないかだけを危惧して会場に向かったが、
以前と変わらぬ黒髪のままで一安心した。


久しぶりの再会に話は弾んだが
結局、披露宴の終わりまで帝王のハガキに触れられることは一切無かった。








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