おじいちゃんの自由研究「オニヤンマ」
先日、おじいちゃんの誕生日を祝うために北海道の実家へ帰省した。
昨年の9月に帰省した際、既製品のオニヤンマのストラップを見せてくれたのだが、今回は自作のオニヤンマを見せてくれた。
どうやってつくったのか聞いてみると、私でもつくれるように一から教えてくれた。
オニヤンマ製作は、約1年半かけて試行錯誤しながらつくったという。一度作ったからと言って満足することなく、何度もいろいろな方法を試し、適した材料を見つけるために足で稼いでいた。
おじいちゃんの話をきき、創作意欲・探求心を感じわくわくした。
オニヤンマキットをもらったので、自分の備忘録として残したいと思う。
オニヤンマとは?
トンボの“オニヤンマ”そっくりの模型商品「おにやんま君」。
アブやハチ避け効果が期待できるアイテムとして販売されている。キャンパーたちの間でも流行っているようだ。
おじいちゃんは新聞に取り上げられた記事を見て、見よう見まねで自分でつくってみたものを帽子につけて畑仕事をしてみたところアブが全く寄ってこなくなり効果があったそうだ。
既製品を購入するにはやや値段も高く、人気商品で手に入りにくいらしい。
だったら自分でつくってしまおうと思ったのが、おじいちゃんのオニヤンマづくりのきっかけだ。
おじいちゃんは手先が器用でアイディアマンだ。
実家の庭に焼肉専用の小屋をつくったり、ブックカバーやスマホケース、エプロンの紐を結ぶのが手間でプラスチックのバッグル(留め具)を紐に着けてアレンジしていた。作ったものを見せてくれるときは、いつもニカっと笑う。とても楽しそうだ。
用意する材料(おじいちゃん流)
つくり方
オニヤンマの羽をつくる
オニヤンマの用紙を図面に沿ってカットします。
ラミネートフィルムも同じ大きさのものを2枚カットして用意しておきます。
カラー印字されたオニヤンマの絵柄の用紙をラミネートフィルム(片面)にくっつけます。
ラミネートフィルムは100均で手に入る『手貼りラミネートフィルム(A5サイズ)』を使用します。
オニヤンマの絵を表に、ラミネートフィルムのノリがついているほうを貼り合わせます。
絵の羽部分が残るようにして、しっぽの部分は切り取ります。
(しっぽは結束バンドでつくるため不要です)
貼り付けたオニヤンマのフィルムをしばらく水に浸します。2分ほどで紙に水が染みてきます。
指でごしごしフィルムを擦ります。
ぽろぽろと紙が簡単にとれて、透明のフィルムにオニヤンマの絵が転写されます!
紙が取れたら、フィルムを乾かします。
(ドライヤーを使うと早く乾きます)
つぎに、またラミネートフィルムを使います。
予め同じ大きさにカットしておいたフィルムをはがし、転写された面を表にしてラミネートフィルムを貼り合わせます。
ハサミで羽部分をカットします。胴体部分は残して頭はカットして大丈夫。
これでオニヤンマの羽部分が出来上がりです。
オニヤンマのからだをつくる
結束バンドを2本重ねます。
目の部分になるビーズを好きな色を選びます。
ビーズにムスビタイ(ワイヤーのようなもの)を通し、結束バンドの穴に通します。
2つつくり、オニヤンマの目をつくります。
ムスビタイ3本で6本の足をつくります。
グルーガンで頭部と足を固めます。
収縮チューブを5-6cmの長さに切ります。
結束バンドに収縮チューブをはめてみて長さを確認します。収縮チューブをドライヤーであたため縮ませます。
オニヤンマの特徴的な黄色のトラ模様をつくります。黄色のテープを細めに切ります。
切ったテープをくるくる胴体部分に巻きます。
先ほど作っておいたオニヤンマの羽部分をチューブにはめ込みます。頭の部分と羽をグルーガンでくっつけます。
丸環フックをとりつけて、安全ピンを装着。
釣り糸をつけて上に洗濯ばさみをつければ、玄関や外に飾れます。
完成!
おじいちゃんのこぼれ話
オニヤンマの図面を手に入れる
こちらはオニヤンマの原画。”原”と書いて大事に保管されていた。地区センターの図書館へ足を運び図鑑でオニヤンマの絵を探しに行ったが、ちょうどその日は図書館の休館日。わざわざ歩いて行ったが探すことができなかった。残念と思い帰ろうとしたところ地区センター入口ドアの上部分にラミネートしたオニヤンマが貼られてたそうだ。(模型ではなくても効果があるらしい)
あのオニヤンマいいな、と思ったおじいちゃんは
地区センターの清掃員さんへ話しかけ、印刷してもらいオニヤンマの図面を手に入れることに成功した。
その原画を何枚もプリントし、オニヤンマを製作した。
カラーコピーはコンビニで
オニヤンマの紙を用意する際は、コンビニのコピー機を使用することがポイントらしい。
おじいちゃんはよく写真を印刷するので
家庭用のコピー機を使用していたと思っていたが
家庭用は色が思うように映えなかったらしい。
コンビニのコピー機は色が鮮やかに出るため、
オニヤンマ用に何枚もコピーしストックしていた。
家庭用で印刷したものでつくって満足せず
もっときれいにつくるには、、と業務用でチャレンジしてどちらの色がいいかこだわりがあるのがいいなと思った。
羽の素材を求めて1年半
羽には手で貼れるラミネートシートを使用している。この素材をみつけるために1年半かかったという。おじいちゃんは色々なところで聞いた話をもとに自分で考えて色々試していたらしい。
セロハンテープなどに文字が転写する方法があると、何気ない会話をヒントにノリつきの透明のシートに紙を貼り付け水に浸して擦ってみると柄が転写され『これで透明の羽が作れる!』と羽の作り方が確立してきた。
なかなか思うような素材が見つからないと悩んでいたとき、たまたま別の用事で100均を見ていると
手で貼るタイプのラミネートシートを発見。
早速試したところ満足のいく素材だった。
ラミネートシートを両面貼り合わせないというポイントも、失敗からの学びだ。両面貼ってしまうと水が入らず紙が濡れない。
おじいちゃんからこの話を聞いて水で転写する方法を知った。インターネットで調べたりするわけではなく、たまたま人との会話で出てきたらしく、そこから自分でなんとか試して見つけたということに驚いた。
しかも納得する素材を見つけるまで1年半。
当時の様子を嬉しそうに話す様子を見て、物事への探究心や楽しむ姿勢を学んだ。
最新モデルを研究
既製品をサンプルに購入し、研究熱心だ。
今までのものは足がついていなかったが、今年販売されていたオニヤンマは足がついて、よりリアルになっていたらしい。それを見て早速、自作のオニヤンマにも足をつけたんだと教えてくれた。
オニヤンマに関する記事があったら切り抜いて保管。勉強熱心だ。
楽しむプロの先輩
朝起きると作業部屋でオニヤンマをつくるおじいちゃん。わたしでも作れるようにとグルーガンのセットを用意してくれていた。
なければ自分でつくってみる、自分の足で稼ぐ、
自分の手を動かして納得いくまでやる、遊び心を持つ、人を喜ばせる…などなど、今回のオニヤンマ製作を通しておじいちゃんから学んだこと。
オニヤンマキットで私もつくってみて、自分なりの発見をおじいちゃんへ報告したいと思う。
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