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8/21 新文芸坐オールナイト

前からオールナイトで映画を見たいと思っていたので見に行った。怪談物は大好きですがどれも始めてみた。

上映された映画は、以下の4作。あらすじなどはググれば出てくるので個人的に面白かった場面を書く。


怪談累ヶ淵

怪談累ヶ淵は白黒映画で内容は侍が按摩を殺した時とそれから20年が経過した時を描いたもの。モテ男が勤め先のお嬢さんと三味線の先生の間で翻弄され、船宿で出くわしたところが怖かった(それと船宿という現代でいうバスターミナルみたいなものが江戸時代にあったのかと勉強になった)。モテ男は物腰も柔らかく良い人なのに悪い浪人の立ち回りで状況がどんどん悪化して最終的に救われないのは可哀そうだった。

亡霊怪猫屋敷

亡霊怪猫屋敷はアマプラでも見つけた。

現代パートは白黒、江戸時代パートは白黒という演出もいい。奥さんが変な幻覚に悩まされる。どうやら原因は江戸時代に遡るらしい。絵にかいたような悪い武士が人を殺してその母親がある儀式をして化け猫が誕生した。なんもしてない主人公の奥さんが悩まされて可哀そう。でも最後、助かっててよかった。


憲兵と幽霊

特に面白かったのは「憲兵と幽霊」。これが自分のお気に入り。主人公は憲兵将校の波島中尉。こいつは日本の情報を中国人の金持ちに売っておきながら他人に罪を被せた。罪を被せられた下士官は処刑された。さらに波島の策略で下士官の母親は自殺、妻も路頭に迷った。波島はこの妻を狙ったり、クラブのダンサーと良い関係になったりする(現実でもそうだが悪いやつって女好きな奴が多い気がする)

工作も女遊びも上手くいき絶好調かと思いきや最終的にはバレて部下たちに追われる立場になった。これまで怪談要素もまったくなかったのに最後、墓場に追われた波島が幽霊を見て発狂し逮捕され自白して処刑された。

正直あまり幽霊要素もないし怪談映画って感じじゃない。最後にとってつけたように幽霊出したように見える。でもこれは間違いなく名作。波島は確かに悪人だけど彼の思惑通りに計画が実行されていく様子はテンポがよくルパン三世みたいなダークヒーローのように見える。これまで夜神月みたいに「計画通り」となっていたところ最後につまづいて逃走する画面の盛り上がりは思わず映画に引き込まれた。

(個人的に憲兵とかスパイものが好きな自分はこの作品びいき)

東海道四谷怪談

殺人犯の伊右衛門(上記の波島中尉と同じ俳優。悪役上手いな)と子悪党の直助が手を組んで悪事をやる話。伊右衛門は4人殺してるし直助も協力者だから現代なら両方とも死刑にまず間違いなくなるだろう(殺した理由も結婚させてくれないとか、妻に飽きたとか勝手な理由)。伊右衛門は幻覚を見たり、殺すのに躊躇したり、それなりに悩んではいたけど直助は飄々としてる(南蛮渡来の毒薬を仕入れて嬉しそうに早くやれと言ったり)ところは小物なんだか大物なんだか分からない。最終的に伊右衛門は死んだけどあの後直助はどうなったんだろう?


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