欲深い漫才

 私たちのコンビは2020年のM-1グランプリで出場資格を失なった。なので2021年はTHEーWに出場し、準決勝で敗退した。
 悔しかったな。
 やっぱり決勝に行きいのだ。なので性懲りもなく今年も挑戦してる。2015年に出場資格が結成15年まで延長され最後の年までずっとエントリーし続けた。決勝に行くことは叶わなくても、少しでも長くM-1の舞台で漫才をしたかったのだ。それほどまでにM-1の舞台は特別な存在だった。
「M-1が終わったら、私たちの漫才も終わるかも」
 そんな悲しい未来を想像し、思いのたけを詰めた2020年のM-1グランプリのラストイヤーは消化不良のままあっという間に終わった。

結局、漫才を続けてる。

 終わらせることはないんだと気づいたんだ。
 M-1が終われば(出場資格を失えば)私たちも終わるって考えてたことは、私が勝手に思い込んでたことだった。
 まだまだやりたいんだ。
 それなのに、ぐうたらで、つい日々をのんべんだらりと暮らしてしまうんだけど。やれやれ。

 そして、年を重ねるにつれ、だんだんと気になることも、腹が立つことが変わってきた。生活もそうだ。
 あの頃の状況ではないけれど、だましだましやっていこう。
 やれるとこまで続けていこう。

さて、今年の「THE-W」はどんな感じになるのかしら。

 まもなく2回戦が始まる。

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