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cheerioの超個人的レビュー第27回『中村由真:ジレンマ』

今回は1987年1月1日発売、中村由真さんの『ジレンマ(作詞:石川あゆ子、井上輝彦 作曲:小田裕一郎 編曲:瀬尾一三)』から3曲目『パニック〜I'm in panic~』までつらつらと書いていきたいと思います。

さて、スケバン刑事Ⅲの次女役をされていた中村由真さんのデビュー曲は当然の事ながら同ドラマの挿入歌として起用されます。

中村由真さんの楽曲として人気、というか知名度があるのは『Dang Dang 気になる』かもしれません。アニメの主題歌だったということやフォーライフからバップに移籍したことによるシティポップ効果(?)がその要因でしょう。しかし個人的には初期3部作と言われる時期の楽曲の方が魅力があります。

『ジレンマ』に話を戻します。歌詞は石川あゆ子さんと井上輝彦さんの共作となっているようです。内容はモロにスケバン刑事Ⅲの由真姉ちゃんをイメージさせるものですね。

「ごめんね 性格悪くて 言葉が先に出ちゃうの」

なんて、モロにそんな感じですね。でも曲全体を通して孤独感を感じることのできる素敵な歌詞だと思います。

「鏡を抱いて踊る夜が好き」
「悪い夢がやめられなくて」

とかどういう状況なん?とツッコミも入れたくなりますが、何となくの雰囲気というかイメージで刹那が感じられて好きです。

2番に入っての歌詞、

「何も無かった一日が クライマックスの振りをしてた」
「めちゃくちゃ淋しい大人が 隣で笑いかけるよ」

の部分も秀逸です。

とか書いていますが、個人的に好きな部分は歌唱法というか、癖のあるサビの部分です。

「かぁがぁーみぃを だいぃーて おぅどーぉる よるがすぅき」

(わかりにくいですね(笑)音源や動画でご確認いただけるとありがたいです。)

何ともアイドルらしく意地っ張りらしく歌っている感じが好感持てます。ちょっと前で言うマイルドヤンキーみたいな。最近のアイドルでこういうスタンスってあるんですかね?というか時代的に需要がないのかもしれないですね。自分自身の思春期の強がりに(無意識的に)背徳感を感じている少女みたいな。最近は何でも肯定の時代ですからね。あっけらかんとしたものです。

とういうわけで、『ジレンマ』は最高に好きな曲ではあるのですが、唯一苦手な部分が。。。イントロや要所要所で鳴るエレキギターのビブラート(アーミング)がいやらしくて×ですね。余計です。

スケバン刑事Ⅲの勢いそのままに出た2ndシングル『シビアー(1987年4月29日発売 作詞:石川あゆ子 作曲:小田裕一郎 編曲:瀬尾一三)』もなかなかの由真姉ちゃん節です。

方向性はデビュー曲と似たような孤独や刹那ですね。

「見飽きた街角歩けば 一億人の他人ね」
「自分のためバラを買う 飾るつもりもないのに 年の数にしてたのは 無意識なのよ」

の部分からそのようなイメージが湧きます。ただ、「見飽きた街角歩けば 一億人の他人ね」と似たイメージとしてはスケバン刑事の先輩、ナンノさん『楽園のDoor』の表現の方が気品が感じられます。ついでというわけではないですが、DJの方は使いやすい特徴的なイントロも同じスケバン刑事Ⅲ風魔つながり福永恵規さん『ハートのIgnition』の格好良さには勝てないんですよね。。。。

しかしそれを凌駕する魅力が、やはり歌唱法。

「こぅころのダァンダァンダァン モナリザダァンダァンダァン このゆびでぇーこーしーのーぅ」 

味わい深いです。音源ではなく映像でしかわからないのですが、

「ため息 手首にスプレイ」の振りの(曲のイメージとは相反する)可愛さも反則レベルです。

そういうわけでどこまでもB級感を出しながらもカッコカワイイの留まれている名曲です。


そして3rdシングル『パニック~I'm in panic~ (1987年7月22日発売 作詞:石川あゆ子 作曲:小田裕一郎 編曲:瀬尾一三)』もまた名曲です。

この曲の方向性も前二作品を踏襲していますね。ただ少し恋心というか他人を意識した内容になっています。ただやはり似たようなのが3つ続くと良くも悪くも予定調和的になってしまいますよね。しかも歌い出しのインパクトも若干弱いです。

しかし個人的にはこの曲のサビの振り付けが非常に好きなのです。当時のトレンドと言えばそうなのかもしれないですが、前レビューで取り上げた田中陽子さんと同じような指差すポーズ。これだけで全てOKです!(もちろん個人的にです)

元々スレンダーなので伊藤智恵理さんや河合その子さんやともシルエットが重なる瞬間がありますね。

以上、初期3部作について超個人的に書いてきました。由真さんはこれ以降ルックスも楽曲も洗練されていくことになるのですが、ルックスは別として楽曲は凡庸なものになっていったような気がします、個人的感想ですが。

話を最初に戻すと4枚目『水に落ちたヴァイオレット』や『Dang Dang 気になる』の作曲は林哲司さんなんですね。どうも僕は林哲司さんとは相性が良くないのかもしれません。国実百合さんもそうでした。菊池桃子さんや島田奈美さんはそんなことないんですけどね。
シティポップの流れに違和感を感じるのもそういうことなのかも。
まあ、そういうわけで曲に関しては初期3部作が個人的にはベストです。何だかパンクバンドみたいですが。

しかし当時のスケバン刑事に関係する楽曲は名作揃いで、ある意味神がかっていますね。初代〜三代目までで、どのキャストが一番好きかと言われると困ってしまうのですが、南野さんか中村さんか、あとは福永恵規さんになると思います。

ん。。。でもやっぱ当時を知る人と一部の若い人しか魅力を感じないんだろうな。

(補足)

どうでもいい補足ですが、E-girlsだった藤井萩花さんが好きだったんですが、どう考えても中村由真さんの影響です。
(追記)結婚しちゃいましたね😢


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