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cheerioの超個人的レビュー第5回『国実百合:あなたしかいらない』

今回は1989年3月1日発売、国実百合さんの5枚目のシングル『あなたしかいらない(作詞:及川眠子 作曲:林哲司 編曲:山川恵津子)』の紹介です。

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国実百合さんは88年のデビューです。その頃には僕もCDプレイヤーを手に入れていたので国実さんの作品は全てCDで揃えていました。中学2年〜3年の頃に本気で好きでした。

きっかけが何だったのかは忘れてしまいましたが、とにかくそのルックスに夢中になりました。とにかく顔が大好き。リアル恋心。まあ当時はリアル恋心を抱くアイドルが他に数名はいたんですが 笑

認知度として世間一般的にはどうだったんでしょうか。僕の同級生には国実さんのファンはいませんでした。当時田舎の中学生だった僕と同級生たちは完全に分業制になっていて、それぞれの贔屓のアイドルのCDを買ってはみんなに貸し、それをみんなダビングして聴くというやり方でした。今思えば僕はちょっとマイナー路線(それでもアイドルとしては最高)だったようですね。

さて、国実さんはデビュー曲の『青い制服(作詞:麻生麗二 作曲:林哲司 編曲:林哲司)1988年3月16日発売』からしっかりCDシングルを買っていました。当時を知る方からすると懐かしい8cmシングルです。盤を取り囲むようなアダプターを装着してTEACのプレイヤーで聴いていました。

ぶっちゃけて言うと、デビューした頃の国実さんの歌声は細くて不安定でした。それでもデビュー曲は初々しさで乗り切ったような気もしますが、2枚目、1stアルバムも正直頼りない感じでした。顔は好きなのに歌がねぇ。。。的な感じでした。国実さんの楽曲はほぼ林哲司さんが手掛けていたのですが、その洗練されたスマートさがどうにも合ってなかったような印象でした。

それでも顔が大好き。

他のアイドルの作品をダビングするためのカセットテープもDENONが多くなりました。

好きなんだけど曲がどうにもハマらない。悶々として過ごして1年ほど。そこで発売されたのが5枚目の『あなたしかいらない』でした。

え?どうしちゃったの?的な歌声の変化。急に大人になっちゃったというか。

1stアルバムまでが淡い感じで何となくフワフワとしたイメージできていたのに、4枚目シングルで若干変化があったものの5枚目で激変。歌詞の雰囲気もですが、歌声に芯が感じられるように(それでもまだ歌唱力のあるアイドルからすると弱くはありましたが)。

サビ前の『あなたの青春(ページ)飾るだけの わき役なの?私は』というところがハッとさせられます。そして彼女の今までの曲にはない感じの声の張り方で『あなたしかいらない』と歌い上げます。

中学生の僕には響きましたね、色々と。やっとルックスと作品の両方を好きになれた瞬間でした。その後に発売されたアルバムも当然よくて。ジャケットの雰囲気も好きだし、何しろブックレットの写真もいい。

でも次のシングルが出て夜のヒットスタジオに出る頃には、気持ちがちょっとトーンダウンしてしまって急に追いかけるのを止めてしまった。理由はわからない。顔は大好きだったけど、もともとスレンダー系アイドルが好きだったことを思い出したのかどうか。

今ちょっと当時のリリース状況を調べてみたけど、タイミング的にはおそらく田山真美子さんに興味が移ってしまったからなのかもしれない。

中期までは全て林哲司さんが手掛けていたにも関わらず、いまいちハマらなかったのは残念。だけど名曲という事実は残るわけで。国実さんと林哲司さんの組み合わせの中では辛うじてこの曲が僕の中では響いた、という話です。

ちょっとネガティブな感じで書きましたが、今でも好きですよ。というか、大人の女性になった今の方がきっと輝いていらっしゃるのだろうと感じています。


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