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cheerioの超個人的レビュー第16回『伊藤智恵理:パラダイス・ウォーカー』

不定期投稿第一弾のレビューは、ちょっと前に美魔女として再び現れてちょっとびっくりさせてくれた伊藤智恵理さんのデビュー曲『パラダイス・ウォーカー(作詞:戸沢暢美 作曲:佐藤健 編曲:鷺巣詩郎)』です。

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発売は1987年6月11日です。おニャン子で言えばかたつむりサンバの一ヶ月後くらいですね。

ん。。。こういうジャケットだったんですね。さっき知りました。

伊藤智恵理さんも「どうして当時見落としていたんだろう?」と思う、完全に後追いで曲を聴いたアイドルです。あ、後追いで聴いたと言っても、もちろん当時存在も知っていたし、誌面も見ていたし、曲もテレビで聴く程度はしており、全く知らなかったわけではありません。それでも不思議なんですよね。このルックス、この歌なら、大人になった今の感性で言うと100%好きになるパターンです。人の嗜好というものは年齢と一緒に変わっていくのでしょう。

そういうわけで、後追いで「ミラクルバイブル」シリーズで聴いていったのでデビューからのシングルをほぼ同時に聴きました。伊藤智恵理名義で出した7枚のシングル、全て名曲ですよね。楽曲としては恵まれています。

話がちょっとそれますが、当時『新人類』というゲームソフトがありました。何故か分からないですが、長州力さんが活躍するゲームです。子どもの間でも『新人類』という言葉は何となく認知されていき、漠然と使っていました。Wikiで調べてみたんですが、結構きちんとした定義があるようですね。もちろんそんなこと知りませんでしたが。

で、話を戻すと、当時の僕にとって伊藤智恵理さんは『新・新人類』だったのです。顔やスタイル、衣装から曲、全てが新しい時代の幕開けを感じさせるものであって、どちらかというと保守的な僕からすると新し過ぎ(眩し過ぎ)て手が伸びなかったのではないかと思います。

「南風オハヨウ」

この歌い出しから始まる歌詞。このカタカタ表記の時点でシャレオツなコピーのようです。早起きして誰よりも早く狙いを定めた「彼」を訪ねるために歩いていくのです。なんとも能天気というか、明るいというか。世間一般的に思われている「アイドルソング」を体現しているようです。

前にも書きましたが、僕は子どもの頃から「アイドルソング」がメインであって、その次にアイドルのルックスが醸し出す雰囲気というものが好きだったので、例えば水着のグラビアも興味なかった(むしろ嫌い)し、ドラマもよっぽどじゃないと追いかけないタイプでした。

まだレビューをしていないですが、当時は国生さゆりさんも大好き(僕が活動するときの名前と経営する超個人的カフェの名前が「cheerio」なのは国生さんが由来です)だったんですが、ドラマを追いかけることはせず、そういうわけで『キスより簡単』も見ていませんでした。後から調べたらこのドラマで国生さんの妹のアイドル役だったみたいですね。『パラダイス・ウォーカー』は挿入歌となっていますので劇中でアイドルとして歌っていたんでしょう(ミラクルバイブルの本人コメントでも「泉りいこ」が歌っていたと言及されています)。
きっと映像的に華々しい派手なものだったんだろうな、と推測します。

歌詞的にどうこう言及するような曲ではないのですが、最後に、

「いつか心が ふさがる夜も その向こう パラダイス 見えるはず」

とあります。サビフレーズ前の重要な部分です。ただ女の子が告白に行くよーというだけではなく、さりげなく応援メッセージが入れられています。まぁこれも王道と言えば王道ではありますが。
大体、『パラダイス・ウォーカー』というタイトル自体もこの部分がなければ、ただ恋に浮かれてフワフワした気分を「パラダイス」と解釈してしまって、更に能天気な曲になってしまうところです。

『アイドル冬の時代』(シンコーミュージック)という書籍では1988年頃からアイドル冬の時代は始まったとされているようですが、その1年前の伊藤智恵理さんは新しいアイドルの時代を切り開くような登場の仕方だったんじゃないかと思います。88年3月5日に発売された4枚目のシングル『夢かもしれない』もフルーツインゼリーのCM曲として華やかな印象を与えてくれました。

やっぱり時代なんですかね。。。時代が時代ならコント番組の歌コーナーで歌うような存在ではなかったはずです。歌が上手いだけに少し残念ではあります。

それにしてもルックス、見栄えがいいですね。情念控え目な本田美奈子さんとでも言うか。ちなみに本田美奈子さんも僕が大人になってから魅力を理解できた一人です。

その後名義が変わったりいろいろあったりしたようですが、今現在も話題になるということはやっぱり存在として華やかなんだなと思います。

ついこの前の話ですが、スペシャかMTVか忘れましたが、忌野清志郎さんの特集があっていて、何となく見ていたんですが、何かの番組で清志郎さんが生まれ育った街を徘徊するコーナーで清志郎さんと一緒に街を歩いていたのがChieriだったのはちょっとした感動を覚えました。やっぱりこの人はアイドルだけではなく表に出るべき人なんだな、と。

今、アイドルではなく大人の歌を唄う本気のシンガーとして出てきたら、多分僕は熱狂的リスナーになるでしょう。

サビの部分の振り付けが彼女の華奢な身体にぴったりで素敵です。

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