横丁の考察

『横丁の引力』(三浦展、イースト新書、2017年)再読。

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 いつから「横丁」がブームになったか?を確認したく、あらためて読んでみた。
ブーム?この本の「はじめに」にて2005年がブーム元年とし、2016年頃の吉祥寺ハモニカ横丁論ブームとしている。
 2020年には森ビル開発の虎ノ門ヒルズの「虎ノ門横丁」という飲食スペースが開発され話題になっている。バードランドや琉球チャイニーズ・タマなど珍しい店のテナント誘致の成功という面もあろうが、大きな開発に中に小さな横丁というコンセプトでの開発スタイルにも注目が集まっている。いぜん横丁ブーム?は続いているようだ。というより、ここまで長くなると、もはやブームという括り方は無理がある。もっと大きくく潮目の変化をいうべきである。

千円以下で買える新書なので、寄せ集めをまとめた内容でも、文句はいえない著者の本によくある粗製濫造の一つといえばそれまでだが、そうでない横丁を考察するうえで大変価値があるのが、第二部のインタビューのページである。実際に東京の各地にある横丁で営業している人々に、ハモニカ横丁で多店舗展開するキーマンの手塚氏が聞き手として話を聞いている。これからも続いていきそうな横丁や店もあれば、自分の代で終わり、再開発で終わりというのもあり様々だ。

目次
はじめに
第一部 なぜ、人は横丁を目指すのか
    第一章 闇市、花街、そして横丁に集う人々
 第二章 都市の暗部から見えてくるリアル
 第三章 アトム的、ジブリ的、パンク的、そして横丁的
 第四章 うっすらとした焼け跡の「居場所」としての横丁
第二部 横丁インタビュー
  小池百合子知事、手塚さんの相談に乗ってやってください。
 横丁インタビュー
        吉祥寺・ハモニカ横丁
  新宿・ゴールデン街
  立石・仲見世
  ニュー新橋ビル
  北千住・ときわ通り
       有楽町・丸三横丁
       新宿・思い出横丁
       渋谷・のんべい横丁
       上野・アメ横
    浅草・初音小路
    池袋・美久仁小路
  下北沢・駅前食品市場
 なぜ、横丁は縦丁でないのか?
対談 「横丁から学ぶ」隈研吾(建築家)×三浦展

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