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ピーチの悲劇


6/2(金)。
朝家を出て成田空港へ。昼過ぎの便で福岡のフェスティバルに向かう、はずだった。

雨で電車が少し遅れ、空港に着いたのは40分前。急いでチェックインしたのが35分前。
保安検査場に向かおうとしたその時。
行手を阻む桃色服のスタッフ、そして秤。

「荷物を乗せてください」

航空会社はpeach。LCCなので預け荷物は有料。
先に大きな荷物は送っておいた。
持っていたのは機内持ち込みサイズのスーツケースひとつ、手提げバッグひとつ。

スーツケースを乗せると10キロだった。
「手提げも乗せてください」
11キロになった。
「4キロオーバーです。4キロ分空港に預けるか、宅配便で送ってください」

えええ
機内持ち込み、大抵の航空会社は10キロまで。
peachは7キロまで…これを事前に把握してなかったのが不味かった。

しかし荷物のほとんどは衣装と小道具なので置いていくわけにはいかない。九州なので宅配便は二日かかる。どっちも無理…ムリー!!
「仕事道具なんです。明日使うので、有料で持ち込むか預けることはできませんか」

桃「できません。預け荷物カウンターは30分前までです。もう閉まりました。」
この時点で29分前…先に預け荷物カウンターに走っていたら…

桃「持ち込み手荷物は7キロまでです。減らして頂かなければお乗りになれません」

とにかく減らすしかないのか。
手提げ鞄に携帯バッテリー、充電器、メイク落とし、ドライヤー、水筒など向こうでも用立てられるものを入れていく。
全然4キロにならない。
衣装は着てしまいたいが、時間がない。
小道具の小さいトランクを諦めた。
桃「あと300gです。」

「300g、着ますからもう乗せてください」

桃「いえ、それはダメです。減らして頂かないと。」
もう頭が働かない。
小道具の新聞を諦めた。
桃「あと100g」
なんかよく分からんけど目についたものをポケットに入れた。
桃「7キロになりました。」

放棄した荷物をまとめた鞄を持ち、
「じゃあ、送ってきますね!」
と目の前のヤマトに向かおうとすると

桃「いえ、もう間に合いません」

いや同じ状況の人が今ヤマトで荷物送ろうとしてるじゃん!
振り切って行こうとすると制され
桃「あの人はもう伝票書き終わってますから」
私「じゃ、預けます!」
桃「いえ、もう時間切れです。お乗せ出来ません。」

え、今の今まで荷物減らして乗る流れじゃなかった?

桃「言いましたよね、10分前までにここを通過出来なければ乗れません、と」
言ってたか知らんけど、荷物減らすことでいっぱいいっぱいで聞いてないよ!聞こえてなかったよ!

時計を見ると9分前だった。
桃「規則ですから、どうすることも出来ません。新たにチケットを買い直してください。それでは。」
立ち去る桃。立ち尽くす私。
規則ですからね…

…バラバラになった荷物を詰め直して床に座り込む…ネットで検索…ああ15時台のスターフライヤーの便がある…スターフライヤーは羽田発…スターフライヤーの荷物制限を調べる…持ち込み10キロ、預けは20キロまで無料。
高いけど、これに乗るしかない。
ネットで購入手続きを済ませ、羽田へ向かう。
成田から羽田はなかなか遠い。電車だとちょっとギリギリ…もういいやリムジンバス!
5分後に発車のリムジンバスに滑り込んだ。

スターフライヤーでは持ち込み手荷物を測られることもなく、サイズの目視確認のみですんなり。
なんか、もうそれだけで大好きだスターフライヤー。

桃は安いが安い分だけ厳しいのだと身をもって知る。
「桃は時間と重さにめちゃくちゃ厳しい。」
1分たりとも、100gたりとも負かりません。
桃が悪いわけではないけど、もう二度と桃は使うまい、と思った。

前乗りでよかった…

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