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金のお守り


私が19の時に父からもらった純金のチャーム。

父がゴローさんに名入れしてもらったもの。

ゴローさんにとって私は小さい時のまま止まっていたらしく、いつも父は「赤ちゃん元気?」と訊かれていた。なんなら19歳の時も。

ゴローさんに初めて会った時点で3歳だったので既に赤ちゃんではなかったのに。


19の私はこの小さな金のチャームの価値などまるで分かってなかった。

インディアンジュエリー、シルバージュエリーとは寧ろ距離を置いていた。

近すぎて、遠ざかりたかった。

でも、なんだか絶対失くしてはいけない気がしてずっと持っていた。
アパートの電気に付いているスイッチの紐にぶら下げたりしていた。

紆余曲折を経て両親の仕事を継いで五年。

父と母のゴローさんに対する想い、そこからどうやってここまで来たか、図らずも辿り、知ることになり今、父はこれをどんな風にゴローさんに頼んだのかなあと、思いを馳せる。

(因みに香港や中国のヤフオク的なサイトでは同種のものがえらい値段で取引されているらしい。都心のちょっとしたワンルームマンション買えるくらいだとか。)

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