プログラミングと開発業務の違い

IT企業(WEB系や自社開発含む)で仕事をするために必要なことは、「プログラミングができること」ではなく「開発業務ができること」なんですよね。未経験でITにチャレンジするのもいいけど、少なくともこれは理解してほしいなあと思っています。

もちろん、プログラミングは開発業務の一部ではあるけど、あくまで一部。プログラミング以外の仕事ができることも重要なわけですよ。
ただ、プログラミング以外に必要なことについては、プログラミングの技術書を読んでいても分からないし、大学の講義とかでも習わないため業界に接点がないと理解が難しいと思いますので、ここで少しだけ解説しようと思います。

プログラミングの立ち位置

まず、プログラミングが開発業務の中での立ち位置について説明します。そのために、開発業務における作業順序(開発フェーズ)を例に出します。
開発フェーズには大まかに次の7つが存在し、上から順番に実施されていきます(開発手法によってはこの順番通りにならない場合がありますが、やること自体は同じ)。

・企画・コンサルティング
・要件定義
・設計(基本設計・詳細設計)
・実装
・テスト
・リリース
・運用・保守

プログラミング能力が活きるのは、これらのフェーズの中で「実装」の部分です。その他のフェーズではプログラミングを行いません。そして、一般的な初級エンジニアであっても、「設計」「実装」「テスト」の3つのフェーズは最低限進められるようになっている必要があります。

つまり、プログラミングだけではITエンジニアになるためのスキルとして足りていないのです。

特に設計を知らない方は戦力外ですので、ITエンジニアへのキャリアチェンジを望む方は、少なくともこの部分の知識は自己研鑽として学んでおく必要があると思います。

ビジネススキルの必要性

また、趣味で好きなものを好きなように開発している場合と違って、開発を業務として行う場合は、ビジネススキルも必要になります。具体的には、初級エンジニアとしては下記のようなビジネススキルが必要であると考えられるでしょう。

・報連相(報告・連絡・相談)
・プロジェクトやタスクの目的に沿って作業を行えること
・タスク管理
・スケジュール管理
・チームと協力して成果を上げられこと
・設計書等の書類作成力
・ビジネスマナー

これらのスキルが不足していると、仕事を任せることができないのでITエンジニアとしては初級未満です。具体的には、新卒で入って研修を受ける前の方と同じレベルだと言えるでしょう。

一般的なサラリーマンならば、ビジネススキルはある程度持っている方はいるでしょうから、その点は強みになるでしょう。しかし、責任範囲の狭いアルバイト・パートしか経験されていない方や、業務未経験の方などは正直苦しいと思います。未経験可の企業でも顔をしかめられる可能性があります。第二新卒などを大量採用している派遣・SES企業などに望みをかけるのが正着でしょうか。

ちなみに、上記の中で「設計書等の書類作成力」については、UMLを利用するなど、ITエンジニアに特有の能力が必要になりますので、ここもスキル強化のポイントになります。

これらができても初級レベル

前述のスキルは初級エンジニアとして求められるスキルですので、これらが身についていたとしても、ITエンジニアとしての価値は新卒1年目の社員と同レベルです。給与レンジとしては非常に低いレベルになるでしょう。ましてや一部のスキルが足りてない人は待遇は期待できません。

また、30代以上のようなある程度の年齢に達している方には、基本的にもっと高度なスキルが求められますので、壁は高くなります。

ちなみに…

プログラミングをしないITエンジニアというのも存在します。
大手SIerのエンジニアは設計以上しか担当しなかったりしますし、コンサルティングしかやらない会社も存在します。
こういった企業では上記とは別のスキルが必要になりますので注意してください。

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