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9月25日 20℃

ここ一週間で朝晩はぐっと冷え込み、半袖でいるとぶるっと身震いしてしまうようになった。長袖のシャツを羽織り、裸足でいるのは昼間陽が差し込み部屋が温まる時間だけ。

今年は北海道とは思えない暑さだった。
高気密・高断熱仕様の部屋の室温が30度を超えるのが当たり前になったが、まず北国にはクーラーというものがほぼ存在しない。学校や図書館、病院では大きな扇風機が首をぐんぐん回してはぬるい風をかき混ぜていた。長くこの地に住むおじいさんやおばあさんは今までこんな事なかったよぉとこぼし、扇風機はどこに行っても軒並み売り切れる。ひんやり枕やネッククーラーが飛ぶように売れていく。例年だとそろそろ売れ始めるストーブのコーナーには誰ひとり足を止めない。結局子どもたちの安全のために小中学校は休校が相次いだ。

空が秋めいてきた 

季節が進み、秋虫たちの声が勢いを増した。草花の甘い香りが夜に強く漂う。
なんとかやり過ごしたと息をつきながら冬用の衣類をひっぱりだす。
ニット、フリース、ブランケット、ふわふわしたものを陽に当てる。
火を使う料理を作るのが苦ではなくなって、スープや煮込みをたくさん作り始めた。

また長い冬が来るのが楽しみなような怖いような。
去年は午前3時に起き出して、まだ陽も昇らない5時前には睫毛や指先を凍らせながら氷点下の屋外で息を切らしながら働いていた。忙しすぎて日々の細かな記憶がほとんどない。
今年はその必要がなくなったので冬の過ごし方がまたがらっと変わりそうだ。
いい冬にしたいな。

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