見出し画像

#34 ライオンの底力 EURO予選

日本時間10月18日早朝キックオフの、EURO2024予選イングランドvsイタリアのゲームを振り返っていきます!

前回大会(EURO2020)の決勝でも実現したこのカード。その時はPK戦の末、イタリアが勝利を収めています。
今回はEURO本戦をかけての対戦となりました。

両チームのスタメンは以下の通りです。

イタリア4-1-2-3 イングランド4-2-3-1

前半、良い入りをしたのはイングランドでした。ライスや降りてきたベリンガムが相手の間でうまく受け、ボールを前進させることに成功します。
失ってもすぐにプレスをかけ、イタリアのロングボールを回収することで、イングランドの押し込む時間が長くなりました。

それでも先制したのはイタリア。ロングカウンターで左サイドをエルシャーラウィが持ち上がると、逆サイドのベラルディへサイドチェンジします。
ベラルディは絶妙なインナーラップで深さをとったディロレンツォを使い、そのマイナスのクロスを最後はスカマッカが押し込みました。
お手本のような美しいカウンターでした。

しかしイングランドも黙っていません。前半28分、裏に抜けたベリンガムがPKを獲得すると、ケインが決めてすぐさま同点とします。

この試合では、イングランドの守備が光っていました。配置上、中盤の3人がぴったりかみ合うことを利用し、2ボランチがイタリアの2IHにつくことによって、イタリアの中盤に前を向かせませんでした。ケインとベリンガムが守備時2トップのような形で、アンカーのクリスタンテを消せていたのも大きかったです。よってCB以外にフリーの選手がいないイタリアは、うまくボールを運べませんでした。

イングランドが良かったのは守備だけではありません。相手よりも保持の時間が長かった中、効果的なビルドアップができていました。イタリアの守備時2トップ(左右どちらかのIHとスカマッカ)に対し、3バックを作ることで優的優位を形成できていたためです。

3バックの作り方も多彩だったのですが、ライスがDFラインに落ちるという形が特に多くありました。これにより、3バックのうちだれか1人がフリーでボールを持ち運べるをことになります。(この日はライスの推進力が光りました。)
これを嫌ってイタリアが一時的に3トップでプレスに来ると、今度はフィリップスやベリンガムが気を利かせて中盤の空いたスペースに降りてきます。簡単にビルドアップの出口を作られてしまうため、IHがうかつに飛び出すことができず、イタリアは苦労しました。

後半、カウンターからラッシュフォードが決め、イングランドが逆転に成功します。アシストしたベリンガムの突破も見事でしたし、ボールを持ったときのラッシュフォードのクオリティはやはり別格でした。

その後は若干オープンな展開になり、イタリアもカウンターからチャンスを作りはしましたが、ゴールには至らず。逆にケインが2点目を決め、イングランドが突き放します。ロングボールを一人で収めて一人で運んで決めるという、とんでもないゴールでした。

試合はこのまま3-1でイングランドが勝利しました。

結局最後は個人技の差が出てしまった格好になりました。
(とはいっても、すごくハイレベルな中での差ですが…)
リードしてからも相手に主導権を渡さず、試合を支配して勝ったイングランド、恐るべしです!スリーライオンズの底力を見た気がしました。

最後に気になった選手を数名ピックアップしておきす。

・ラッシュフォード(イングランド)
不調のユナイテッドにいるときより、自身をもってのびのびプレーしているように感じました。ユナイテッドの10番が決めてくれて嬉しい!

・ケイン(イングランド)
2ゴールで文句なしMVPでしょう。ポストプレーでチャンスを量産していました。たとえビルドアップに詰まっても、前でこの人がなんとかしてくれるのが、イングランドの最大の強みかもしれません。

・ベリンガム(イングランド)
攻撃時はビルドアップの出口になったり、守備時は効果的なプレスで相手を追い込んだりと、いてほしい所にいてくれる動きっぷりでした。クラブでも代表でも、自由を担保されることによって輝きが増している印象です。恐るべき20歳ですね。

・ディロレンツォ(イタリア)
積極的な攻撃参加は見ていて気持ちが良かったです。WGが深い位置で持つ回数が多ければ、もっと活躍できたのではないでしょうか。


このゲームに勝利したイングランドは、EURO本戦出場を決めました。
(イタリアにもまだ可能性は残っています。)
両チームの今後の躍進に期待です。

読んでいただきありがとうございました!
それでは~

記事を読んでいただきありがとうございます。 よろしければサポートもお願いします🙇‍♂️ 頂いた分は記事のネタ作りに使わせていただきます!