なぜ僕は長い眉毛を切らないのか

※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。

先日、ある若い女性が「おじさんで眉毛が長く飛び出てる人がいるけど、どうしてあれ切らないんだろう」ってツイートしていました。

お教えします。

「本来は長くならない毛のはずが、せっかく長く伸びてきたんだからそれを切るのはもったいないなあ」って僕はどうやら感じているみたいなんです。

「でもそれだったら鼻毛も切らないの? 鼻毛も突然長く伸びてくることあるじゃない」って思いますよね。

そうなんです。鼻毛は伸びるとカッコ悪いって知っているのですが、眉毛は伸びてもカッコ悪いと思っていないようなんです。

でも、その若い女性は「眉毛が伸びるのはカッコ悪い」って思っているから、そういうツイートをしてしまったんですよね。

ここが「ジェネレーションギャップ」なんです。

僕は「男が眉毛を整えるなんてできるか」って思っているんです。

眉毛を整えるのって、そうとうなカッコつけというか、なんかお化粧するのと同じくらい、「男がやってはいけないこと」と僕は感じているんです。

でも、おそらく今の若い男性はほぼ全員が「眉毛は整えている」んですよね。

それは薄々知っているんです。でももう僕は世代的にそんなこと出来ないんです。

            ※

そういう「その世代特有の感覚」ってありますよね。

例えば僕の世代は「90年代のワインブーム」を経験しているので、ワイングラスは必ずグルグル回すんですね。

下手するとシャンパーニュやお水までグルグルとクセで回しちゃうんです。

でも若い世代は回しません。たぶんグラスをグルグル回すのなんてカッコ悪いと思っているのかもしれませんし、あるいは「グラスはこういう風に回すとワインが空気に触れて香りが増すんだよ」というオジサンの蘊蓄や雑誌の記事を読んでいないのかもしれません。

でも、でもですね、20代前半ですごく育ちの良さそうな人たちがワイングラスを自然と回していることがあるんです。

それってたぶん、彼らの親の世代が僕たちの世代なので、「夕食の時に親が目の前でワイングラスをグルグル回すのを自然と見ていて、それでいつの間にかコピーしているんだ」と思います。

そういう伝わり方ってあるんですよね。

同じように10年くらい前に20代前半の人に「渋谷系」って言ったら「それって109とかで買い物している人たちのことですか?」って言われて、「うわー、もう一生渋谷系の話はしない」って思ってたのですが、最近の20代前半の人たちは「渋谷系」って言うと、「ああ、ピチカートとかフリッパーズ・ギターですよね。お父さんがすごく好きなんです」って言ってくれるんです。

いやはや、眉毛を伸ばしたままなのも、2世代後くらいに流行ったりするのでしょうか。でもその2世代後の人が眉毛が伸びるのって22世紀のことだから僕は生きていないですね。

#コラム

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