一般的に受ける作品は、「何か知ってる感じ」が必要
僕、この仕事をしてるから全く夜のテレビ番組が見れないんですね。
「それじゃいけない」と常々思ってまして、たまに妻が「この番組、面白かったよ」っていうのを録画してくれてあって、休日に見たりするんです。
で、先日は『AUGUSTA CAMP 2016 PRODUCED BY 秦 基博』というのを録画してくれてて、見てみたんです。
「ああ、スキマスイッチって知ってる、名前も良いし、曲も良いんだなあ」とか、「杏子って今こんな感じなんだ」とか、「山崎まさよしってセロリの人だよなあ、良い曲書くんだなあ」とか、「あ、この秦基博っていう人が仕切ってるんだ、なんかすごく良い印象の人なんだなあ」とか言って、妻が「このフェスに来ている人たち、すごく良い人たちっって感じで良いね。いやらしくないっていうか」とか言ってて、「なるほど。フェスって来ている人がどんな感じの人たちかっていうのが結構関係あるんだなあ」って思ったりとかして、ずっと見てたんですね。
で、最後の「星のかけらを探しに行こう」をみんなで大合唱するというのがあったんですね。僕、もちろんこの曲は初めて聞いたのですが、ついうっかり泣いてしまったんです。
なんかこの曲、すごいなあ、どうしてこんなに人に訴えかける曲なんだろうとか色々と考えてたんですね。
そしたら妻が「こういう初めて聞く曲なのに、どっかで聞いたことがあるような曲ってすごいよね」って言ったんです。
で、「あ、そういうことなんだ」ってやっとわかりました。
どっかで聞いたことがあるような印象のある曲だから、初めてなのに僕たちは気持ちよく聞けるし、気持ちよく一緒に歌えるんです。
どこか既視感があるから「ジーン」と感動するんです。
たぶん今まで全く聞いたことのないような音楽だと、僕たちはとまどってしまうんですね。
今まで誰も見たこともない、聞いたこともないものって一般的には受けないんです。
「一般的に受ける」ってどういうことなんだろうなあってすごく考えていまして。
というのは、今ちょっと、そういうすごく一般的に受けるものを書きたいんですね(もちろんそうじゃないものも書きたいのですが)。
例えばcakesの連載もあれは「PV数」が全てなので、「みんな何が気になっているんだろう、嫌いってこと? キスのこと? 美人のこと? モテること? お金のこと?」って考えて、「一般的に受けることって何だろう」って、すごく計算して書いているんですね。
で、「星のかけらを探しに行こう」を聞いて、妻の解説を聞いて、「なるほど。こういう風にどっかで見たり聞いたりして知っていること、体験したこと、あるいは懐かしいことをもう一回体験できると人って心を揺り動かされるんだ」ってわかりました。
「一般的に受ける作品」を作るのって、とんでもなく難しいことなんだろうなっていうのはわかっていまして、「ああ、そういうことなんだ。みんな全く知らないことって好きじゃないんだ。かつて経験したようなことが好きなんだ。普通は人間ってそんなには枠からははみ出ないんだ」っていうことがわかってきました。
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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「季節の果物のカクテル用の果物」です。
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